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日々のつらつら  作者: 城乃コトミ


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9/9

引きこもりを卒業、週六バイト

私は四年ほど引きこもっていた。鬱、パニック障害で、一番ひどい時は自分と同い年ぐらいの子を見るだけでパニックになった。だから学校の登下校の時間帯は外を出歩けず、私が活動するのは平日の昼間だ。


精神病院や心療内科で私の病名を診断してもらえたらどれだけ楽だったろうか。母は私を精神病院や心療内科に通わせることに嫌悪を示した。


「自費カウンセリングならやってもいいけど、診察はしてもらわない」


私が薬漬けにされるのではないかと怯えていた。自費カウンセリングは1回4500円、30分、今思えば全然効果がなかった。適当に質問されて、うまいアドバイスももらえたためしがなく、両親に負担をかけているという自責の念だけが積み重なっていった。


どうにか高校を卒業し、大学へ進学。私の家は四人兄弟で、私は二番目。母は主婦で、祖母は認知症が始まっていた。そんな昔ながらの家庭で、通わなければいけない大学に進学することはできなかった。私はまだ鬱が治りきっていなかったし、パニックもあった。頭もよくないし、高校でやり続けていたのは、小説を書くことだけ(笑)私が選んだのは通信の大学だ。


母と距離を置きたかった。それだけじゃないけれど、それが一番正直なところだと思う。母方の祖父母の家に居座りながら、バイトをはじめることにした。家にいるときは母は私がバイトをすることを嫌そうにしていた。あの時は母しか私が頼れる大人がいないと錯覚していたのだ。だから母が嫌がるからバイトをしないという選択を取った。だからといってお小遣いは貰ったことがない。そのため自分でどうにか稼がなくてはいけない。家でも稼げる方法をいろいろ調べ実践した。そんな中アルファポリスは案外稼げた。それでも高校生のお小遣い程度。


清掃のアルバイトを始めた。週4日、1日3時間。引きこもり明けでこの労働状況ならきっと、社会に緩やかになじんでいける。そう思っていた。


「人手不足なうえに、また人が辞めるから、お願いね」


週6勤務、1日4時間になった。ヽ(^。^)ノ


バイトのリーダーがやつれ、私に働かせるのも気が乗らないのは気づいていた。私にシフトの相談をする時、いつもつま先が私のほうを向いていない。普通に話をする時はつま先も私のほうを向いているのに。人手不足が社会を席巻する荒波の中、私はバイトを始めてしまったのだ。


私がバイトを始め2か月で三人辞めた。真冬だった。太陽は出ないし、毎日毎日働き続けているし、どんどん鬱になっていった。週7で出勤したこともあった。失敗は繰り返すし、なんて仕事ができない奴なんだろうと思った。それでも休めなかった。休んだら、もう二度と外に出られなくなる気がして。


とうとう限界になったのは、2月の20日。本当にあの日は死ぬかと思った。死んでもおかしくない精神状態だった。頭は何も考えられないし、体は重いし、会話をすることさえ辛い。夜になると泣いていた。


私の特技は、我慢と忍耐。根は弱々しいのだが、妙な我慢強さと根性がある。鬱になりながら、体が動かないはずなのに、普通にならないとという意思だけで中学に通い続けた。バイトも、辛い辛いと思いながら休みなく働いていたし、社畜の才能があるかもしれないと思った。でも2月20日の夜、ついにその根性も底をついた。もう何も残っていなかった。


そして、私の頭の中でパチン!と何かスイッチが入った気がした。底まで落ちたら、逆に何かが切り替わったのかもしれない。その瞬間からバイトに行くことも、休みの無い労働も気にならなくなった。脳の神経回路が新しいものに切り替わったのかもしれない。


そうとうキツかったけれど、バイトをやってよかった。引きこもりから抜けてよかったなあと思う。

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