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日々のつらつら  作者: 城乃コトミ


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4/9

読んだ分だけの価値は与えられる

 私は自分を偽らず、弱い自分も醜い自分も全部受け止めて、否定しなくなった。


 なぜならあんな地獄みたいな日々は二度と送りたくないから。鬱ってのは人が思う数倍辛い。頭の中で嫌だったこととか、恥ずかしかった出来事が永遠流れ続ける。消えたいのに、消えられない。誰にもわかってもらえない。普通じゃなくなっていく。自己というものを喪失して、自分が一体何者で、誰なのかわからなくなる。


 学校での私は作り上げた私だと気づく。あれ?本当の私ってどこにいるの?そんな風に周りを見渡しても自分が見つからない。


 私っていったい何が好きなんだろう。


 ふとした瞬間、勝手に涙が出て、何度もお風呂で泣いた。布団で泣いた。鬱や暗い漫画を読み漁って、音楽もずっと暗いものを聞いていた。暇すぎて同じアニメを何度も見たりしていた。


 そこで出会ったのは、有頂天家族だった。なんだろう。このほかのアニメと格段に違う。何が違うのかは全く分からない。調べるとそれは原作が小説だった。図書館で借りて読んでみると、私は壁を鉄球で勢いよく破壊されたような衝撃を受けた。


 なんだこの自由な小説は!小説ってこんなに自由でいいの!?こんなに書きたいこと書いてもいいんだ!!


 創作魂に一気に火をつけられたのはその小説だ。それから村上春樹さんの小説を読んで、文章だけで世界を立体的に表現できることを知った。「ハリー・ポッター」を読んで、次のページをめくらせる場面転換の方法を知った。小川洋子さんの小説を読んで、質感や温度のつくり方を知った。宮沢賢治を読んで、必ずしもプロットを作らなくていいと知った。


 読みながら、小説を書き続けたことで、読まれる作品を書く上で重要なことを私は理解した。それを私は最初無意識的に行っていた。


 傑作や、作者が亡くなっても残る作品を読みまくることだ。そして彼らの一つ一つの癖や世界観を自分の中に、作品を書くということでインストールするのだ。


 私は凡人だ。世間から見たら凡人以下かもしれない。でも上記のことを繰り返すことによって自分自身へインストールされ、書くということに関しては人よりうまくなった。


 すると何者かわからない。自分がどこにいるのかわからないという状態を脱した。私は書く人間だ。作る人間だ。遺伝子がそれを証明している。母、父も祖父も職人。一つのことを極めるということに関しては遺伝子レベルで相性がいいということだ。


 これから一生これで食べていけるかなんてわからない。ただ、本当の自分を見つけた今、迷うということは、病むということはないだろう。


 生きるとは、本当の自分を知っていること。死とは自分を見失い、どれが本当の自分かわからなくなること。


 真の意味で生きるためには、一度死ねばいい。(肉体的に死ねとは言ってない)それは痛みを伴うけれど、後の人生が格段に楽になるはずだ。

 

 

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