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第一話 漢文って良いよね

「うーむ」


そう思考している高校生、小岩(こいわ) (かなう)は睦月第四高校の2年生である。そして4月、現在の友達の数は5人未満だった。


嗚呼(ああ)何ぞ(どうして)俺はこんなに友達が少ないのか?」


叶は3人の友人に話しかけた。幼馴染の美濃藍(みのらん) (こい)、中学からの親友である麻音(まおと) (こう)、そして高校に入ってからできた消費(しょうひ) 期限(きげん)だ。期限は名前はふざけているが常識人である。



期限が答える。



「お前の口調が原因では?やめたらあと16人は増えるね。」



更に光も



「叶は中学2年から急にその口調になったよな?どうしてなんだ?」



そう、叶は、和漢混淆文(わかんこんこうぶん)、つまり昔の中国人みたいな喋りが入っているのだ。こんな喋り方をしている人がいたら、大抵の人はドン引きするだろう。



「人の喋り方で豈内分也(人の喋り方で人の内面が分かるわけない)。

もっと内面で判断しろ。」



無理な話である。



「だいたいそこ以外欠点ないだろ。そもそも2年続いた慣習(ゆえ)、不敢不謂漢語(漢語を言わずにはいられない)。」



こんな奴が実は頭が良かったりするのだから恐ろしい。叶の言う通り、口調以外に非有難(難があるわけではない)


......


............


口調が移ってしまった..............

ともかく、叶は独特な口調のせいで色々と損していたりする。



「まあおれの口調は治らない。別の方法を模索してくれ。」



「取り敢えずいろんな人と関わり持ったらどうだ?叶みたいなやつでも興味持ってくれる奴は少しは出てくるんじゃないのか?」



「僕もそう思うよ。」



「ありがとう、二人とも。恋は意見有乎(意見あるか?)?」



「ない。」



「そうか、取り敢えず吾将行部活(部活行ってくる)」

























「よーし。古文部に到着。」



叶の部活は古文部(こもんぶ)である。その名の通り、古典文学を楽しむのである。叶のお気に入りは鶏鳴狗盗の物語だ。盗みが上手い部下と鶏のモノマネが上手な部下を引き連れた男の脱走劇という物語になっている。

そんなことはさておき、古文部の部員は7名ほどである。その中にはなんと生徒会長と生徒会副会長がいる。



「すみませーん。遅れました。」



生徒会長、模武(もぶ) (えい)が答える。



「は?」



生徒会副会長、一三和(いみわ) (ない)も答える。



「はい?」



威圧感を含んだ短い返事で来た。「は」の1単語でここまで意味を含むことができるのは日本語くらいではないのだろうか。叶はそんなことを考えていた。



「頭が痛くて」



「叶よ、嘘であろう。頭痛があるならば、なぜここに来た?」



「5分で治りましてね」



「ふむ、また再発するかもしれぬ。今日は休んでも良い」



「(ちょろいな)」



問答を繰り返して叶は家に帰ることにした。

























(ああ)、恋亦無反応夫(恋はまた無反応だったなあ)」



就寝前、叶はそんなことを言っていた。叶は恋のことが好きらしい。その和漢混淆文をやめれば良いのだが、頑なにやめようとしない。何故なのか。結局、恋愛よりも漢文の方が大事なのだろうか。



「あいつは、顔に加えて勉学も優れてるしな。他の男何為得放恋(他の男が恋を放っおくことはできないだろう)。」



そう、恋にはまだ恋人がいない。好きな人がいるのかは分からないが、叶にもチャンスがあると言える。



そう希望を持ち、叶は明日の朝を迎えることにした。

後出しですけど、筆者は国語苦手なんですよね。

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