はじめてのお見合い
お見合い会場はホテルのラウンジ。
とは、いきませんでした。
当たり前ですね。
むしろ、貴族が利用するホテルのようなものは少なくと思います。
皆様おうちございますし、なければ買えばいいじゃない、な感じですからね。
でも、ホテルは今後のために考えてもよいかもしれません。
この世界で考えるなら会員制かつご紹介制がよろしいかしら。
安全のためにね。
さて、それはさておきます。
お見合いです。
我が家にお招きし、おもてなしをします。
今回のように、相手の方が格の高い場合は、我が家から伺うのは相手の了承を得てから。
選択肢はございません。
お父様とお母様は、少しソワソワしているようにもみえました。
落ち着いている方々なので初対面ではわからない程度でしたが、わたくしは家族ですからね。
お兄様方も少し緊張なさってます。
わたくしも緊張はしております。
せっかくの最初のチャンスですしね!
チャンスを掴むつもりで行きますわ!
時間の少し前にお相手の方が到着いたしました。
お相手のお父様、ランキャスター大公家ご当主様。
その後御子息様。
ひと目見て思いました。
こりゃあかん。
我が家の美人集団にも負けじ劣らずの美形いらっしゃいました。
幼子ですでにSSRなのに、お父様もSSR。
少しお母様似なのか、雰囲気は多少違えども将来SSSR確定ではないですか。
なぜ、この世界には写真がないのか。
釣書に写真は必須ですわ。
今後、そちらも発展させましょう。
絶対に。
必ずや。
私の時には間に合わないけれど、私の子供までには間に合わせます。
会って、ドタキャンされるよりましです。
会ってドタキャンとは。
パワーワードすぎます。
腹痛などを訴えてご帰宅なされるかと思えば、そのまま上がっていらっしゃいました。
まあ、礼儀もなっていらっしゃる。
さらに、2人きりにもしてくださいました。
残された御子息は、とても丁寧でした。
まあ、まあ!お気遣いもできる。
ですが、話題の方向性だけは少しおかしかったですわね。
この国の歴史や貴族の基本教育の内容でしたけれど、御子息は9歳。わたくし6歳。
会話に差が生まれるのは、当たり前の年差による知識の深さの違い。
わたくしは高スペ男性を捕まえるべく勉強しておりましたから、会話に困りませんでしたが、これから他の御令嬢と会うならばお伝えしなければなりません。
だって御子息には適切な御年齢の令嬢が少ないのです。
男性なので、かなり下の女性でもいけますが、それこそ差がさらに深まると言うこと。
やんわりと、
会話が高度すぎませんか?
お茶とかお菓子とか、せめて今日会ったことのお話ししませんか?
と伝えてみましたが、その後に飛んできた会話が他の国の言葉はどれほど理解できるか、でしたので、微生物ほどに響いてもおりませんわね。
しかし、どうやら頭も良く、回転も良い。
公爵様の後継は安泰のようです。
見た目もSSR。
会話の問題も大人になれば、きちんと社交辞令をのべるでしょう。
これ以上の進言はやめておきます。
わたくしは今後のために好みの女性のタイプを聞いてみました。
子供と大人では違うでしょうが、婚約者を決めるのは子供時代。
リアルな声をおききしたい!
「私はあなたのような方が好みです。」
気遣いレア度も SSRでした。
ですが、わたくしの参考にはなりませんでしたわ。
「ありがとうございます。わたくしも、好ましいと思っておりますわ。」
と綺麗な笑顔で返しておきました。
顔はブスでも綺麗な笑顔はできるのですよ。
左右均等に上がるよう、筋トレもいたしました。
はじめてのお見合いは穏やかに過ごし、終われました。
閲覧ありがとうございます。