この世界は婚約話が出るのが早すぎる
4歳になった。
思ったよりもしっかり歩けるようになったので、色々と学ぶことにした。
家庭教師もそろそろ就く予定とのことなので、待ち遠しい。
しかも、この世界には魔法がある。
しかもしかもよ?
魔法が使えないなんてことは、ほぼないとのことだ。
たまに使えない人はいるらしいが、代わりに魔道具というのがあるらしい。
使えない人が少ないため発展はしてないようだけど、もしわたくしが使えなかったら、そちらの発展に力を注いでもよいわね。
わくわくしてしまうわ。
そして、わくわくしすぎたわたくしは、少し浮いていたようで、メイドに浮いてることを驚かれ、おとうさまを呼ばれた。
メイドから報告をうけたお父様は、お母様と何かを話していた。
わたくしは魔法が使えるようで安心していた。
たまに、転生したのに不憫属性持ちとかありますしね。
いや、わたくし、見た目不憫でしたわ。
今後の結婚のために、早めに見染めてもらうよう努力していたのでした。
不憫属性×不憫属性にならなくてよかったわ。
見た目以外は普通の人になれそうなら、幸せ家族計画のために、いまから努力いたして、普通より少し上を目指します!
と思っておりましたら、6歳の時に婚約者のおなはしをいただきました。
早すぎません?
もしかして、子供可愛いが前面に出ている家族ですら不備と思う見た目だったのかしら…。
たぶんそうね。
身内贔屓で目が曇らない家族だったのは幸いでした。
近いうちにお相手に会うことになり、準備を進めておりました。
詳細を聞いていると、お相手は我が家からみたら唯一と言っていいほど格式の高い家の御長男。王族の次くらいの御家柄。
そこの跡取り様がわたくしでいいのかしら?もっとお相手いますよね?格式の高いとはいえ、幼くしても可愛さのかけらもない、わたくしとなぜ?
しかし、聞いていくと納得した。
その方は9歳とのことですが、家の格で引けを取らないとことなると、0歳児になる。
わたくしと歳が近い方はすべて格が下すぎた。
多少であれば、我が家をスルーしても外聞悪くはならないが、あまりに低すぎた。
この世界の価値観では、我が家に一度話を通してなんらかの形で断ってからでないと、次にはいけない。
しかも相手の方が、男性で格上。
なるほど、断られる確率高いですわね。
幼子といえど、美醜の認識はございましょう。
戦略的撤退を考えておきたいですね。
せっかくですし、前世の婚活での経験を活かしましょう。
断られる予定だとしても相手に失礼な態度をしてはいけないわ。
周り巡って、噂になり、他の方もよりつかなくなりますし、なにより、そのような格式の高い家名なら、今後のご友人も我が家のお見合い相手になること間違いなしですわ。
人生16年までに婚姻関係を結ぶことを計画しているわたくしは、100人でも200人でも会う覚悟!
一人一人万全の状態で、円満なご挨拶ができるようにしなければ。
断られるとしても、最後まで自分を選んでいただけるように全力を尽くします。
そうして初めて万が一ということもございますのよ。
これが私のはじめての全力となりますわね!
ありがとうございます。