はたちの帰り道
橋から見下ろす水流は
しなやかな音を響かせ
浮かぶ形のない僕らは
醒めたはずの酔いで
互いに肯定し合い
消え入りそうな言葉で
互いに了承し合う
安らかな風に運ばれるまま
飛び降りたくなる夜だった
懐かしい喧騒を抜け出して
先頭の景色に近づくほど
置いてけぼりにされた僕ら
無人の赤信号で立ち止まる
光には逆らえないこの先ずっと
組んだ肩に力が伝わり
諦めは優しさに変わり
また歩きだせるように
また歩きだせるように
夢も金も葛藤も
羞恥も期待も責任も
全て捨て終えたとき
誰も訪れない地で
僕らはまた逢えるだろうから
そこでどうだろう
ほんのり幸せなお花屋さんでも
死と詩と白と潮風と
最果てに願う
はじまりのお花屋さんでも