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6.船長...あれ?船は?


「おいおいおいおい!港までもってくれよ!!!」


デイブことデイビッド・フォルグレンはそう言いながら、マストのついた大型のボートを一人で操りながら、船底に空いた穴から入り込んでくる海水を見ながらそう一人で叫んだ。


目の前のは波止場がすでに見えていて、もう直ぐなのにという思いが強かったーーー


「仕方がねぇ...」


デイブはそうため息をとついてマストをよじ登りてっぺんでたって腕を組みながら、船を進ませたーーー


船はゆっくりと沈んでいったが、波止場の桟橋で壁面に当たって止まったのを確認して桟橋にジャンプして降り立った。


桟橋に前には気だるそうにしている、港湾管理の役人がいて事務的な感じで声をかけてきた。


「港の使用料金は30マルカだ。あと記帳」


デイブはそれを聞いて、ポケットから金貨を取り出して彼に手渡してこういった。


「適当に見繕ってくれ...それと船はーーー」


デイブがそういうと船は完全に沈み切っており、波止場にかろうじて見えていたマストの先っちょも見えなくなっていた。


「あー船は消えたな。泳いできたことにできないかな?」


デイブはそう愛想笑いをしたが、役人はむすっとした顔をしていた。

船を引き上げないとこの波止場の区画が使えないのは目に見えていたからだーーー


デイブはポケットからもう2枚金貨を取り出して、役人のポケットの中に突っ込んでポンポンと叩いてこう言った。


「純金だからな……これで適当のやっておいてくれ」


役人はそれを聞いて、ニコッと笑みを浮かべてこう言った。


「ジョン・ドゥ様。ようこそポートロイヤルへ」


「どうも」


デイブはそう言って手を振りながら、ポートロイヤルの街へ向かおうと歩き始めた。


懐かしい街をゆっくりと眺めたい気持ちはあったが、今回は急がないといけない理由があったーーー

がしかし、そう簡単には行かないようだった。


「デイヴィッド・フォルグレンだな?少し詰め所までご同行願いたい」


港を出ようしたところで明らかにカタギではないゴツい二人の大男に声をかけられて、デイブは足を止めてこういった。


「生憎だが、俺はジョン・ドゥだ。人違いだよ……」


そう言って通り過ぎようとしたら、後ろ襟を掴まれたのでデイブは足を止めた....


「あまり、面倒毎は起こしたくないんだ。その手を離してくれるか?後、お前ら、ランディアスの役人じゃないだろ?」


「ご明察だ。流石は王国騎士団一と言われた実力の男だな...察しもいい」


襟を掴んだ男がそういうと、

デイブはため息をついてこう言った。


「どこの誰だか知らないが、それを知ってるなら離したほうが身のためだぞ。俺はちょっと用事があるんだ。


それが済んだら、あんたらハリノス帝国の牢獄に入ってやるから安心してくれないか?

保証をできないが、嘘はつくつもりはないーーー


まーだが、俺を留めておけるなら可愛いこちゃんと美味しい飯でも用意してたら牢獄に入った後も居座ってやるけどさ!!」


デイブはそういうと掴んだ腕の関節を後ろ蹴りで外して、くるっと振り返りながら大男の顎先に回し蹴りをかました。


大男は盛大に仰向けに倒れた。

それをみていた周りの人達がざわつき始めた。


それで一人の男がデイブの正体に気がつきこう叫んだ。


「あ!デイブじゃねーか!」


そう聞こえたのでデイブはその男性に手を挙げて挨拶をした。


「おー久々だな!おっさん。今は忙しんだ!!今度、店行くから可愛い娘呼んでくれよ!!」


デイブはそう答えると走り出して、追ってくる男二人から逃げ出すことにした。


「おい!待て!!」


追ってくる男達はそう言ったが、騒ぎがだんだん大きくなっていたのか野次馬が多く集まり始めて、彼らは顔を見合わせて、何事もなかったかのようにその場から静かに立ち去っていくのをデイブは逃げなら横目で見ていた。


デイブは勝手知ってる故郷の街の裏路地に入って足を止めて呼吸を整えて考えを整理するためにこう呟いた。


「いや....困ったな。帝国の奴らこんなところにもいたのか。

やばいな、困ったもんだーー


封印の巫女はここに来てるんだったよな。早く、探さないとな....


おいおい。盗み聞きが趣味なのか?

久々の再会で声すらかけないなんて酷いもんじゃないか?」


デイブは向かいの角に隠れる男性に向かってそういうと、

男性は姿を現した。

ランディス王国騎士団の制服を着た男、階級を見ただけでそれが誰かわかった。

それを誰もが身につけることができない階級章だったからだーー


「久々だな、デイビッド。元気で何よりだ」


デイブは父アランだとわかると彼に近づいて抱きついてこう言った。


「久々だな親父。会えて嬉しいよ」


「ああ、父さんも嬉しい...ところで、風の噂で聞いたが海賊船に乗って船長してるって聞いたが...ところで船長、船はどうした?」


アランはそう言って抱いた手を離してデイブの肩を掴んでこう聞いた。


「あ...色々と事情があって、

乗っ取られた。その件で、相談がって来たーーー


船を取り戻すのとちょっとした事情があるんだ....


封印の巫女を少しの間貸してくれないか?」


アランはそれを聞いて、ため息をついた。


「おいおい...それは難しい頼みだなーーー巫女は帝国からも王国のとある一派からの追われてる。

亡命させるまでは、あまり動かしたくはないんだが...」


「王国からも追われてるんだな...もしかして、クローバー党の過激派どもか?」


「ご明察!」


「うーん。それは困った...俺もやべーんだよ。親父....

ちょっと言えないけどやらかしてさ。どうしても、水の神殿に巫女を連れて行きたいんだーーー」


それを聞いたアランは一瞬だけ眉を顰めた、デイブは少し気になったがニコッと笑みを浮かべた親父を見てほっと安心した。


アランは頷いてこう答えたーーー


「理由は聞かないが、わかった。構わない。

多分、彼女達もすでに水の神殿に向かうつもりでいると思うーー

だから問題はない、巫女リズにはしっかり護衛をつけてる。大丈夫だろう...デイブもいるなら安心だ」


「そ、そうなのか。ちょうどいい!わかった!助かるぜ親父。

ところで、巫女は今どこに?」


デイブがそう聞いた時だった、一瞬ありえない殺気を感じてその方向に向かって金貨を投げつけた。

隠れていた人物にそれが当たったようで、その人物が持っていた拳銃が暴発してパンと銃声が聞こえてピュンとデイブの耳元を球が通り抜けたのを感じられた。


剣を抜いて応戦しようとしたが、その手を押さえたのはアランだった。首を傾げたデイブだったがーーー


至る所から、武装した王国騎士団員が出てきてデイブに剣を向けたーーー


「すまない。デイブーー

少しだけ、巫女に会うのは先にしてもらいたいーー」


アランはそういうと部下の魔術師に合図を送った。

杖を顔の前に向けられてデイブは落ちるように気を失っていったーーーー


「な....何すんだよ....お、やじーーー」


崩れ落ちそうになる息子を支えてこう言ったーーー


「巫女にはまだ合わせられないだけだ...ちょっとの間、我慢して欲しいだけだ....

チョコレートと干し葡萄はいっぱい用意してあるから。ちょっと我慢してくれよ」


「た...のしみだなそりゃ」


完全に気を失ったデイブを見て部下達にデイブを運ぶように指示を送ったーーーー


「すまない。だが、これも仕方がないことだーー。許せよ。


巫女にはこっちでまだやってもらいたい事があるーー

それを知られるわけにはいかない」


アランはそう呟いて、

部下達がデイブを運んで行ったのを見送った後、目的地へ向けて歩き始めることにした。



ディーン「なんか物語が動き始めてそう!」


リズ「そうだよね!」


ディーン「あれ、リズ普通に喋ってるけど...」


リズ「あ..あ、はわわ...そうですよね...」


ディーン「いいんじゃん。年近いんだし仲良くやろうよ」


リズ「う、うん。ところでクローバー党って?」


ディーン「騎士団にいる時に聞いたんだけど、政治結社で敵国ハリノス帝国に対して強硬な態度を支持する政党だって聞いたことはあるよ」


リズ「そうなんだー」


ディーン「あれところでリズはリンドロンドに帰るんじゃないの?」


リズ「それは、秘密。物語を見てのお楽しみだと思ってて」


ディーン「あれ、俺は父さんからはリンドロンドへ連れて行くってしか聞いてないけどな...」


アラベル「おーい。そろそろ次の準備があるからこっちに来なさいな。お二人とも」


ディーン&リズ「「はーい」」


ディーン「次回、水の神殿。だんだんファンタジーな感じになってきた!楽しみ!楽しみ」

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