24.仮面をつけた漆黒の剣士
黒いマントに身を包み仮面をつけた剣士は血払いをして剣を納めて地面に倒れ込んだヨーゼフの懐から小さな箱のようなものを取り出した。
ディーンはそれが水の封印で手に入れた魔王の分霊箱に似ているのに気がついた。
リズもディーンと同じようで、それに気がついて黒い剣士を指を刺してこう言った。
「その箱!魔王の分霊箱!!!」
リズのその言葉に黒い剣士は一瞬だけ反応したが何事もないように祭壇に向かって歩いて行った。
それを見ていた、倒れていたメリルは立ち上がって剣を構えて
黒い剣士へと突っ込んでいった。
「よくも!ヨーゼフを!!」
そう叫びながら剣を持って、黒剣士にメリルは斬りかかったがそれをひらりと避けて足を払いうつ伏せに倒して背中に足を置いてこう言葉を発した。
その声は魔術か何かで変性をしているようですちょっと、人の声のように聞こえなかった。
『邪魔者は排除するーー全ては我が主人のため』
黒い剣士は片手で剣を抜いてメリルに突き刺そうとした時、ディーンが駆け出してーーその剣を自身の剣で振り払った。
黒い剣士はその振り払われた剣の軌道を変えてディーンに向かって切り返したがディーンはそれを剣で受け止めた。
ディーンは受け止めた剣を見て驚いたが、その剣を跳ね返してこう言ったーーー
「ランディアス政府が何のつもりだよ!?」
ディーンのその言葉を聞いて、
黒い剣士は仮面の隙間から見える口で微笑んでいるように見えた。そして、手に持っていた魔王の分霊箱をリズに向かって投げた。
リズはそれを受け取ると驚いた表情をしてこう聞いた。
「どうして渡してくれたの?」
黒い剣士はまた変性の掛かった声でこう言った。
『巫女は封印を解く必要がある』
黒い剣士をはそういうと足元に剣を刺して魔法陣を発生させた。
「転移魔法陣....逃げる気です!止めでください!」
アンナのその声が聞こえてアンナがライフルを構えていた。
1番近かったディーンとリズは動こうとしたが....
その時のは剣士はすでに半透明になっていて転移魔法は発動していた。
光と共に消えていくのをディーンとリズは見送る形になったーーー
その隙にメリルはゆっくりと立ち上がって、ディーンから距離をとってこう言った。
「さよならだね。命を救われたことには感謝するけど...巫女を狙うのは変わらないからーーーまた会いましょう...
アーソン!ワープを!!」
「はいはい...まだ、ヨーゼフも生きてそうだね...急いで戻るかーーー
レオン・フォン・キールホエル!次は負けねーからな!!」
アーソンはそうレオンに向かって地面に突っ伏したまま指を指してそう言って、杖を出して魔法陣を展開させた。
レオンはそんな彼を見ながら大きなため息をついてこう言ったーー
「口だけは達者だなクソガキ」
レオンはそういうと術式を展開しようとしていた素振りをやめて戦闘態勢を解除したような素振りをした。
それを見たアンナも銃を下ろしてホッと息をついた。
アラベルはリズの元に近づいて周りを警戒していた。
そうしているうちにアーソンの転移魔法は発動してメリルとヨーゼフが消えたのをディーンは見届けたーーー
ディーンは剣を鞘に戻して、あの黒い剣士の剣技に疑問を感じていたーーー
『どこかで、感じた事がある剣筋ーーそれにランディアス製の剣だったな』
アラベルも誰もいなくなったのを確認して武器を納めて、疑問そうな顔をディーンにこう聞いてきた。
「あの剣士は....ランディアス政府の人だったよね?」
「うんーーー敵なのか味方なのかはわからない...クローバー派の刺客かもしれないけど」
それを聞いていたリズがこう言ってきたーー
「クローバー派ならきっと、封印を解いた瞬間に来ると思うし、これを渡したりはしないと思う....」
リズはそれを聞いて、黒い剣士から受け取った魔王の分霊箱を見せながらそう言った。
確かに兵器を求めてるクローバー派なら魔王の分霊箱を渡すのは少し変に感じた。
しかし...ディーンはあることを気になってこう言った。
「でもまだ、封印は解いてないのになんで魔王の分霊箱が?
水の遺跡だと封印を解いた時にあったけど...」
そう聞くとレイネはリズの手にある分霊箱をまじまじと見て、ポケットからルーぺを取り出してこう言った。
「火の封印は少し特殊なのよ...火のマナに関しては、
エネルギーを司るからからの箱の中に封印からといた力を入れるみたいになってるみたいね」
レイネがそういうとリズは彼女に分霊箱を手渡した。
レイネはどこか嬉しそうにしながら舐め回すように分霊箱を見始めた。
それ見ていたレオンはため息をついてリズにこう言った。
「巫女。封印を解く作業は急いだ方がいい....黒影旅団を撃退したが、敵はまだ来るかもしれないーー
ロックハート伍長、出口にいる部下たちと発掘員の安否を頼む」
「了解」
レオンの指示を受けたアンナは素早く方向転換をして出口の方へ向かって駆け足で向かっていった。
それを見送ったレオンは歩き始めてリズをエスコートするような身振りを見せた。
リズはそれに答えて祭壇の方へと進んでいった。
ディーンと他の仲間たちもそれに続いていったーーー
リズは祭壇で魔法陣を展開させて、封印を解くために詠唱を始めた。
水の封印の時よりもあっけなく終わったようでどこか、リズも首を傾げていたーーー
変化があったと言えば、遺跡の聖火台のようなところに炎が灯った程度だった。
「今回は火の精霊が実体化しなかったんだ....でも、声が聞けたからーーこれで封印は解けたはず」
そうリズが言った時だった、レイネが驚いた声を出して手に持っていた分霊箱を見て興奮気味でこう言った。
「リズ!リズ!これ見て!?すごいわよ。マナが集約されたみたいだわ」
リズはそれを聞いてききなったのかレイネのところへ駆け寄った。レイネと一緒に赤く光ってる分霊箱を覗き込むように見ていた。
そんな2人を横目に見ながらレオンがこう言った。
「申し訳ないが...この分霊箱はハリノス帝国海軍で預からせてもらうーーー
心配しないでくれ、ちゃんと無力化のために動く」
レオンがそういうとレイネは彼に光っている分霊箱を手渡してこう言った。
「そうね...これは恐ろしいものよねーー無力化をお願いするわ...いいわよね。リズ?」
「はい。問題ないです先生。レオンさん....
約束通りにランディアスまで送ってくださいっ!」
リズはどこか緊張した面持ちでそう強くレオンに行った。
多分、シャイな彼女にとってはあまり喋らないレオンに本心をぶつけたのは緊張することだったからだろうーーー
言い終えたあと、ほっと息をしてディーンの方に戻って背中に隠れたーー
レオンはそんなリズを見てこう言った。
「約束は守る。俺の船でランディアスに行こうーーー
クーデターを止めてくれ...俺たちの国のためにも、いや。君たちランディアス人のためにもだな」
それを聞いていたアラベルはホッと息をついてこう呟くようにった。
「これで帰れるんだ...みんな大丈夫だろうかーーー」
それを聞いていたリズはテクテクとアラベルの方に近づいて行って彼女の肩をポンと叩いてこう言った。
「うん、きっと大丈夫だよーーー急いで戻ろうよ」
「そうだね...」
ディーンそんな2人を見てレオンにこう言った。
「レオンさん...お願いします」
レオンはそれを聞いてうんと頷いて答えた。
そして、彼が遺跡から出ていくのを見てディーンも出口の方へ進み始めた。
「次は...本土だね。リズ」
ディーンはそうリズに声をかけるとリズは頷いてからこう言った。
「うん...頑張らないと」
どこかそのリズは静かにどこか不安そうな雰囲気があったのをディーンは感じ取った。
アラベル「やっと本土に戻れるんだ!?そう言えばディーンは...いつまで本土にいたのかい?」
ディーン「え、俺?数ヶ月前まで騎士団で仕事してたからその時まではいたよ」
リズ「そうなんだ。実家はポートロイヤルだから...騎士団に入ってから本土に行ったの?」
ディーン「うーん...実は生まれは本土のリンドロンドの近くだけどね。小さい時に父の赴任先がポートロイヤルになってその後は父だけリンドロンドに戻った感じ...」
リズ「そうだったんだ....」
ディーン「俺も兄貴も母も...暖かかったし、家も広かったからリンドロンドには戻りたくないって話で」
リズ「アランさんって大変な感じなんだ...」
アラベル「アラン総長...まさかの単身赴任族だったとは」
レオン「まー父親ってのは大変だな。とりあえず、船は今日中に用意できるから。ニューアムステルに戻ったら準備しておいてくれ」
ディーン「はい。わかりました」
アラベル「次回、ランディアスへ!乞うご期待!」




