23. 武人の誉とディーン
アンナが持ってきたロープ梯子で上に戻ったディーンとレイネとレオンは周りを見渡して色々とみていた。
リズはニコッとした表情を見せてレイネに抱きついてこう言った。
「先生無事でよかった!ディーンもね!」
なんかついで感があったディーンだったが、それはそれさておきと心に置いておくことにした。
リズはある方向を指差してこう言ったーーー
その指した方向にはいろいろな紋章が刻まれた大きな石の扉があった。
「あの扉の向こうに祭壇がある気がすの...どうやって開けるんだろう?」
レイネはそれを聞いてその扉に書かれた文字を解読し始めたーー
「うーん...我、火、受ける、開く。私が知ってる時代よりももっと古い時代のものみたいだわ」
それを聞いた、リズは得意げにこう言った。
「先生。これは古代ロムルス帝国時代の魔法陣だと思います」
「よく知ってるわね。確かにそうかもしれないわ....でもなんで、ヘレネス大陸にあるはずのロムルス文明のものがリタリカ大陸にあるのかしら?」
「うーん...」
さっきまで得意げにしていたリズがレイネの次の質問に答えられずで頭を抱えた。それをみていた、アラベルが何かを思い出したのかパンと手と叩いてこう言った。
「思い出した。伝説とされる西に逃げたアラリア族の人々ですか?」
それを聞いたレイネはウインクをしてこう言った。
「正解。まだ確証は出ないけどアラリア族が作ったものだと推測するわ。アラリア族の魔法陣ってちょっと特殊で解読が難しいのよ」
ディーンはそれを聞いてこう言った。
「でも、大体こういうのって火を当てたら開きそうじゃないですか?」
そう言った瞬間だった...
火の玉が一行の横を抜けて言って、リズは目掛けて飛んでいくのが目に入った。
リズはそれに気がつきとったしゃがんでそれにあたることはなかったーーー
火の玉が当たった扉は赤く光を灯しながら大きな音を鳴らして開いていくのが目に入った。
部屋の奥に祭壇らしきものが見えたが....
それよりも火の玉を放った人物が入り口方面からゆっくりと近づいてくるのが見えてきた。
それは黒い軍服に身を包むハリノス帝国黒影旅団のヨーゼフとメリル、そしてもう1人...魔術師のようなローブと羽織ったディーンと同い年ぐらいの少年がいた。
その少年が持っていた杖からはキラキラと火の粉が舞っていので彼がどうやらリズを狙ったようだった...
ローブの下に見えた黒い軍服を見て彼も黒影旅団の一員の方だーー
メリルが剣を抜いてこう言った。
「みぃ〜つけた!巫女!今度こそ殺す」
それを聞いたアンナは間髪入れずにメリルに向かって小銃を発砲した。
メリルはそれを剣で弾いてこういった。
「え、なに。邪魔しないでよ!でも、そっちは5人は楽しそうじゃん!」
メリルはそう言って、リズに向かって突っ込んできたのでディーンが前に立ちふさがって斬撃を剣で受けた。
メリルの剣は非常に軽く、ディーンは彼女を吹き飛ばす形になった。
間髪入れずに、アラベルが拳銃でメリルを撃ったがメリルは空中で身を捻り弾を交わした。
後方では、バチバチと雷の音が聞こえて……レオンが魔法の詠唱を始めているのに気がついた。
それに気がついたヨーゼフは斧を構えて、レオンの方へ駆け出したのを見たのでディーンは剣を突き立てる形で突っ込んで行きヨーゼフの横っ腹に剣を突き刺した。
「覚悟はできたようだな……気に入ったぞ、ディーン!」
体当たり気味で当たったのにヨーゼフはバランスを崩すこともなかった。薙ぎ払うように斧を降ってディーンごと剣を抜いて吹き飛ばしていった。
ディーンは受け身を取って立ち上がった……
「ディーン・フォルグレンは俺がやる。手を出すなよ」
それを聞いて、炎を出した魔術師の少年がこうった。
「4人を相手しているのにそっちにかまってられない!!」
魔術師はそういったあと、周りを見渡してなにか一人げに笑いだしてこういった。
「ククク……しかし、それは好都合だ……
おい、我が名はアーソン・ブリッズ最年少特A級国家魔道士!いずれは、ハリノス帝国随一の魔術になるもの!レオン・フォン・キールホエル!いざ勝負!」
それを聞いた、ヨーゼフは深く大きなため息を付いてこういった。
「戦闘狂に痛いやつを連れて来たのが恥ずかしい……だが、これも帝国がため。
お前らには悪いが、帝国のためにここでお前たちを始末する!」
ディーンはそれを聞いて、剣を構えてこういった。
「何がっても、俺は巫女を守る」
震える手をコントロールするためにディーンは呼吸を意識した。
必ず勝てる相手だと自分自身を思い込ませて、恐怖心を抑え込む。
そして、戦うことに恐怖している気持ちをリズのことを考えると少しは和らいでいたーーー
ここで、戦わないと行けない。そのことだけを考えることにした。
一瞬、初めての任務のとき戦えなかったことが頭をよぎるがそれは首を振って忘れた。
そして、ヨーゼフを眼中に収めた。
ヨーゼフはその目ディーンの決意が固まった目を見てこうどこか嬉しそうな表情をしてこう言った。
「いい目だ。武人の心意気と気合を感じる……ランディアスが誇る名門騎士家の騎士とやりあえるとは光栄だ。本気で行かせてもらう!」
ヨーゼフは斧をブンブンと振り回して構えを取った。
ディーンは自身を鼓舞するためにも声を出しながら突っ込んで行き剣を振りかざした。
ヨーゼフはそれを斧で受け止めてたので、ディーンは軌道を変えてヨーゼフの手に狙いを変えて切りつけた。
そして間髪入れずに、喉元に剣先を突き刺すようにした。
しかし、ヨーゼフはそれを見きっていたのかディーンを蹴って吹き飛ばして斧を振り上げてながら飛びかかってきた。
ディーンは壁に激突して痛みを感じならそのまま倒れ込んだ……
剣で受ける。いやだめだーーー相手の力が強すぎる受けきれない
ーーー避けないと死ぬーーー
ディーンは動こうとしたが動けなかった。
全身に痛みが走って動けなかったのだーーー
しかしその瞬間、かなりの轟音が建物内に響き渡りアンナの叫ぶ声が聞こえた。
「目を閉じでください!!!」
ディーンは咄嗟に目を閉じたーー
身体に響いてくるような大きな爆音が聞こえた後、目を開けると....
ヨーゼフ、メリル、アーソンが纏まって吹き飛んでいるのが見えた。
ヨーゼフはかろうじて立っていたが、メリルとアーソンは完全に倒れ込んでいた。
「これが....特A級の魔力か恐れ入ったなーーー」
「いいや、7割というところだ。本気を出すとぜーんぶ吹き飛んでしまうーーー
それにしてもあの攻撃姿勢からの防御陣を張れるとはなーー
流石に黒影旅団トップ2か」
レオンはそう感心しながら、ふーと息を吐いてヨーゼフはをみていた。
ヨーゼフは懐から瓶を取り出して、それを飲み干してこう言った。
「だがな。ここで任務を放棄するわけにはいかないーーーディーン!勝負はお預けだーーまずは巫女を殺す!」
ヨーゼフははそういうと、斧を振り回して構えを取り直した。どうやらさっきのも干したには回復するためのポーションのようなものだった。
「たく、タニアの野郎のこの薬を使いたくはなかったが...ガキどもがおねんねしてしまってはこの人数は相手には使うしかないからなーー」
ヨーゼフがそう呟くと、さっきとは全然違う気迫と殺気を感じ取れた。ディーンは立ち上がると、リズが駆け寄ってきて治癒術をかけてくれた。
「大丈夫...?」
「うん。ありがとうーーー今回は戦えたでしょ」
それを聞いたリズはうんと頷いてくれてディーンの頭をポンと軽く叩いてこう言った。
「えらいえらい」
「なんか...心外だなーーー」
ディーンはそうどこか子供扱いされているのを感じてそう言ったが剣を構え直してこう言った。
「今はヨーゼフを倒さないと」
ディーンはそう言って戦闘態勢を整えて、リズも同じく杖を構えた。
レオン、アンナ、アラベルも同じく倒れたメリルとアーソンには目をくれずヨーゼフに意識を向けた。
しかし、その瞬間....
黒色マントを身に纏った剣士が電光石火の如くヨーゼフの横を通り抜けていったーー
ヨーゼフは急に力が抜けたのかうつ伏せに崩れ落ちるように地面に倒れ込んだ。
鎧の音と手に持っていた大斧が地面に落ちる金属音が遺跡の中の響き渡った。
アーソン「なんか...俺で落ちっぽくない」
メリル「さぁーどうかしら?でも、一応、特A級国家魔導士なんでしょ?ならきっといいんじゃないの?」
アーソン「うーん....同じ特A級国家魔導士のあいつの一撃でやられるなんて....悔しい」
メリル「まー次回よ次回...ところで、ヨーゼフ大丈夫?」
アーソン「なんかヤバそうなのきたけど...あの剣技早すぎーーー帝国でも指折りのヨーゼフを一撃で倒すなんて」
メリル「うーん...強そう...これは一戦交えたいわ〜きっと楽しいそう」
アーソン「あーもうこの戦闘狂...とりあえず、動けないからーーーー告知だけしてって、カンペが見えたな」
アラベル「すまないが。ここは私が貰っていくぞ。次回、仮面をつけた漆黒の剣士...
あの剣技は早すぎだーーーしかもあの剣....見覚えがある」
アーソン「あー取るなよもぉー」




