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20.ディーンの憧れ


ディーンが騎士学校に行く前の話。

ちょうど6年か7年前の話、ディーンはポートロイヤルでは有名な悪ガキだった。

イタズラ好きで、とりあえず色々な悪戯をして街のみんなを困らせていた。


イタズラも色々で町中に落書きをしたり、執行官のカツラを盗んだり、街中で花火を打ち上げたり、大人と喧嘩したりと.....


そんなことをしている時に街のギャングから声をかけられた。ディーンはそのギャングのところへ入り浸るようになっていた。


ディーンと街の悪達は、弱気を助けて自分たちがこの街で1番強いと自負していた。


でも、ディーンはいつも言われる。

『騎士団の総長の倅、英雄の弟』

と言われるのがどうも癪に触っていたーーー


騎士になんてならずに、ギャングにそのままなるつもりでいた。


そんなある日、街に本土からお金持ちのお嬢様が来るという話を聞いてディーン達はそれを見に行くことにしたーーー


そんな時、街を魔物の群れが襲ってきたのだったーーー

逃げ惑う街の人々の中、ディーンのそばにいたギャング達は一目散にその逃げる人々を押し除けて逃げていくのを見て彼らに幻滅した。


『喧嘩が強くても、臆病だったんだ。ダッセー』


そう思ってはいたもののディーンも死の恐怖を目の前にして動けないでいた。

本土からやってきたお嬢様の護衛をしていた兵士達もやられる中でディーンはどうしようもできない自分に嫌気がさしていた。


強いと思ってた自信を失ったのと、何もできない自分が嫌で仕方がなかったというのを感じていた。


そんな時、ディーンの前に前に現れたのは...

騎士団の制服に身を包んだ父アランと兄デイブだったーーー


逃げ惑う人々押し退けて魔物をバッタバッタと斬り捨てて行く2人の姿を見てディーンは本当に憧れる人物というのを見つけた気になっていた。


そして、騒動はアランとデイブの2人と王国騎士達によって終息して行ったーーー


ディーンはその時に...

心から弱気を守れるかっこいい騎士になりたいと思い。

本土にある騎士学校の門を叩くことにしたーーー


話をし終えたディーンはリズの方を向いてこう言った。


「ざっとこんな感じかな...父さんと兄さん本当のすごかったんだ...俺もあんな感じになりたいって思ったんだ」


そういうとリズは目をキラキラさせていた。

どうやら話が気に入ったそうだったのだーーー


「じゃあ....ディーンって元ヤンなんだ...お兄さんも海賊だったから...2人ともなんか似たような感じなんだ」


ディーンはそれを聞いて首を傾げたが、リズはこう話を続けたーー


「もしかして、その時のお嬢様って....もしかしたら、私かもしれない。ポートロイヤルかは覚えてないんだけどーー


修道院に行く前にお父様に連れられてリタリカ地域を旅行したの」


「もしかしたら、そうかもね....」


ふとそういうと兄と父のことをディーンは思い出したーーー

デイブのことはすごく残念だったと感じる....


死んでないというのを願うが、あの状況だとーーー


そう思うと兄に最後の言葉をふと思い出した。


『無理だディーン。早く巫女と一緒に逃げろ。お前しか世界を救えないーーーいいか、親父を止めろ』


その言葉の意味がよくわからないが、はっきりと覚えていた。

そこで気になってリズにこう言った。


「分霊箱ってどこにある?」


ディーンそう聞くとリズはポケットの中から白い小さな箱...魔王の分霊箱を出してこう言った。


「持ってる....これは大切にしないといけないからーーー」


「これがどんな物かわからないけど...極力、ハリノスの人には見せない方がいいかも」


「うんそう思ってずっと隠してた」


リズはそういうとまた箱をポケットに戻した。


「火の封印を解いて....ランディアスに戻ってお父様を止めるーー」


リズはそういうとディーンはうんと頷いて答えた。

そして、リズは大きな欠伸をして目を閉じてこう言った。


「もう、寝る。明日から動くから...ディーンもそうしよう」


「そうだな。それがいいかも」


ディーンはそう答えて、目を閉じて眠ることにした。

すやすやと寝落ちしたリズの息を感じてディーンは勝手にドキドキしながら目を閉じていた。


ーーーーー


「あんな話をして良かったんですか少佐?」


オフィスに戻って書類を整理していたレオンにそう決済が必要な書類を抱えてやってきたアンナが話しかけた。


書類をポンと机の上に置いたのを見てレオンはこう言った。


「例のエレメンタルの事象に関することは俺も気になっててな。上かも片手間でいいからというので調査を頼まれてる。


水の封印はランサムネル諸島にあって、

火の封印はこのそばにあって、

地の封印がリンドロンドの大聖堂の地下遺跡にあるって聞く....

風の封印に関しては情報がハリノス側にはない。巫女の懐に入って調べられたらラッキーだと思ってるーーーー


どうせ、巫女を擁護する修道院の言い伝えとやらだと封印を解かないと次の惑星直列の際にこの世界に未曾有の災がどうとかって話だし....


帝国はそれに付随する古代兵器の無力化を狙う陣営とそれを利用しようと考えるタカ派の傘下の幻影団がいるからなーーー


我々、帝国海軍派閥はランディアスとの平和的な路線を模索してることだし、手を貸しても問題ないと思ってさ」


アンナはそれを聞いて首を傾げてこう言った。


「昔ながらの空想話みたいなものじゃないのですか?古代兵器とやらも....」


レオンはそれを聞いて自分の手のひらをみて指先からばちばちと稲妻を出してこう言った。


「前にも言っただろ?俺はその話は信じてるって。その理由は部下である君のにも言えない」


「ええわかってます。理由は詮索しません...少佐には触れてはいけないものがあると上層部よりきつく言われておりますのでーーー」


「かくいう君もそうだが、この特務隊は言えないことだらけだからなーーーとにかく、火の遺跡までの道中は頼んだ。また、幻影団の奴らも来るだろうし....」


レオンはそういうとため息をついて足をデスクの上に投げ出して手を頭の後ろで組んだ。


「幻影団の動きはわかったんですか?」


「あの女がある程度は吐いた。巫女の連れ去りもしくは暗殺が彼らの目的らしい。古代兵器のことはあの女は全く興味ないらしくてさ...」


「で、彼女はまだ拘留しているのですか?」


レオンはそれを聞いて...気まずそうな顔をしてこう言ったーーー


「あ...逃げちまったな。帝国政府のお偉さんが来てな仕方がなく引き渡しをした。

まー発信機をつけたから追おうと思えばいつでも追えるけどな」


レオンはそういうとだるそうにしながら、机の引き出しから魔導具を取り出した。


魔導具からは魔王陣が展開されて、大きく地図が映し出された。


「やっぱり、幻影団の拠点に戻ってるな」


「なら、少しは安心そうですね....」


「奴らに気が付かれる前に近くにある魔王の分霊箱を無力化でできる様に努力する。それが1番ベストだろーーー


俺はこのあたりで帰ることにするーーー」


レオンはそう言って席を立った瞬間に、アンナが何かを言いそうになったので彼女の唇に指をポンと置いてこう言った。


「わかってる。まだ仕事は残ってるの重々承知だーーー

庶務係に任せておいてくれないか?

今日は娘の大事な日なんだ。緊急の分はすませたから、少しでも時間を取りたいんだ」


アンナは何か言いたそうだったが、何も言わずにいた。

レオンはウィンクをして部屋を後にした。


アンナはため息をついて、レオンの置いていった書類を見てホッと息をついてこう言った。


「少佐....全部終わってるじゃないですかーーー」


リズ「何かにつけ〇〇の〇〇ってなんか嫌よね」


ディーン「うんまぁ...そうなんだよね...でもそれのおかげってもある気がする」


リズ「でも、ディーンっていつも二番手三番手じゃない」


ディーン「うぅぅ...それ言わないで....」


リズ「でも、この話だり主人公だから1番じゃない?」


ディーン「うーんそれはいいんだけど...なんか、抱えてる問題とかあるしなんかなぁー」


リズ「うーん確かに」


ディーン「あ、告知だってーーリズする?」


リズ「うん。やるー。次回、火の封印。二個目の封印か...頑張らないと!」

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