10.嘘つき
気絶して倒れ込むディーンを見て、リズは何もできないでいたーー
するとその時だった。
街角からアラベルが飛び出してリズと海賊の目の前に立ってこう言った。
「彼女には手をかけないって約束だろ?」
ディーコンはそれを聞いて、剣をしまいどこか困ったような表情を浮かべてこう言った。
「ああ、そういう約束だったな。約束は守る。だが、巫女があまりの乗る気ではなくてさーーー
王国騎士団の邪魔が入るとは思ってもいなかったよ」
リズはその言葉を聞いを聞いて戸惑ったが、リズとディーコンの会話は続いた。
「私の役目は済んだ。クローバー卿に頼まれているはずだ...家族を解放してくれないか?」
「そうだな。クローバー卿には伝えておく....お前の家族には手を出さないだろうーールタニアン村に帰るといい」
「分かったーー」
リズはそれを聞いてアラベルにこう聞いた。
「アラベルはハリノス帝国へ亡命するまでの護衛じゃないの...」
アラベルは首を振ってこう答えた。
「ごめんなさい。嘘ついてたのーーークローバー卿に家族を人質にされてたの」
「嘘つき...」
リズはそう言って歯を食いしばった。
また、裏切られたからだーーー
自分が封印の巫女であるから、よってくる人はそれを利用するために近寄っては離れていくのを多く経験したからだーーー
アラベルとは昔っからの仲で友達だと思ってたのにーー
アラベルはそれを聞いて、申し訳なさそうな顔をしてリスから目を逸らした。
そしてこう呟くように言った。
「貴方だって、ディーンに本当のこと言ってないじゃない...同じよーー」
リズはそれを聞いて、何も言えないでいたーーー
話の間にはいるようにディーコンは手で技手を叩いてこう言った。
「さて、友人との別れは済んだかな?さて、巫女よついて来てくれるかな?」
リズは怒りの感情を持って杖を構えて、ディーコンにこう言った。
「貴方達の目的は何!?」
それを聞いた、ディーコンは何かを思い出したかのような顔をして顎に手を置いて空を見上げててこう言った。
「今日は確か曇りだから...月明かりは出ないかーーーおっと、そうでもないみたいだな」
ディーコンがそういうと空が晴れて来て、空に月が出て来たのが見えてきた。
周りの海賊達はそれに気がついて急いで屋根の下や建物の中に入っていったーー
それを見たディーコンは大笑いをした。そして月明かりがディーコンを照らすと彼の身体がだんだんと青い炎に包まれて骨になって行くのをリズとアラベルは見た。
アラベルは驚いていたが、リズは冷静さを取り戻してアンデットの魔物の姿になったディーコンを見てこう言ったーーー
「その呪いを解いて欲しいわけなの?」
ディーコンはそれを聞いて頷いてこう言ったーーー
「水の神殿に纏わる...魔王の分霊箱の呪いにかけられたわけだーー
日に当たると不死の魔物に変わっちまう。
呪いの影響でこの海域から出れはしないし、丘にも年に一回しか上がれねぇ...それを解いて欲しい」
月がまた隠れて人間の姿に戻ったディーコンは痛そうな顔をしながらこう言った。
「魔物になるのは結構だが...毎回痛いんだよーー
あとは、
嬢ちゃんが気にかけてる、封印に纏わる古代兵器ってのはクローバー卿が勝手の欲しがってる。俺らはそれをとりに行くのを頼まれてるんだーーー」
月明かりが出なくなったのを見計らって、ディーコンの手下達はどこか恐る恐る外に出てきたーー
「古代兵器は渡せない...でも、呪いを解くのは手伝うーーー」
リズはそう言うと杖を下ろした。
それを見たアラベルはリズを止めようとしたが、リズはアラベルのことを無視してディーコンに近づいた。
「交渉成立だな。呪いを解くまでは一時休戦としよう...そのあとはお互い譲れないからなーーー」
ディーコンはそう言って手を差し伸べてきたので、リズはそれに握手した。
ディーコンはニコッと笑みを浮かべて、その手を掴んだままリズを引っ張って言った。
「手荒だが、信用はできないからな勘弁してくれよーーー
おい、お前ら。この計画を政府にバレるわけにはいかねーその騎士と銃士は始末しておけよ!」
それを聞いた、リズは声を荒げてディーコンにこう言った。
「ちょっと待って!手を出さないって言ってたじゃない!?」
「あー事情が変わったんだよ嬢ちゃん。一応、さっきまで約束は守ったそれでいいじゃないかな...
それにな嬢ちゃん。俺たちは海賊だ自由に生きるってのが俺たちのモットーだ」
ディーコンはそう言うとリズを抱え上げた。するとリズは抵抗するようにジタバタと暴れた。
「そんなことしたら、呪いは解かない!!」
それを聞いた周りの海賊達は戸惑っうような表情と動揺をしたが...ディーコンはそれらを見てこう言った。
「うーんそれは困ったな...じゃあ、銃士と騎士を連れて行こうか....」
それを聞いた、アラベルは剣を抜いて構えたが。
ディーコンは懐からナイフを取り出してそれを投げた。
ナイフはアラベルの剣を持つ手に当て彼女の手から血が流れて、剣を地面に落としたーーー
「大人くしてな...イケメンの兄さんーーー」
それを聞いた、アラベルは舌打ちをして傷を手で押さえたーー
「悪いことは言わなねぇ。黙って着いてくればいいんだ」
ディーコンがそうアラベルに言った時だった、街影から1人のディーコンと同じようなコートを着た男性が飛び出してきた。
ディーンとアラベルの前に立って、海賊の一味を蹴散らして腰にある騎士団の剣を抜いてディーコンにこう言った。
「残念だな。マーカス・ディーコン航海長ーーー巫女を連れて行かないで欲しい」
ディーコンは剣を向けてきた彼を見てニコッと笑みを浮かべてこう返事を返した。
「それは聞き捨てならないなーーフォルグレン船長...元船長?」
アラベルはその彼に見覚えがあって思わずこう言った。
「デイブ先輩!?」
デイビッド・フォルグレンはニコッと不敵な笑みを浮かべてアラベルにこう言った。
「地獄から助けに来たぜ。感謝しなよ」
それを聞いた、ディーコンは大声で笑った後
周りを見渡して、少しばかり困った表情をしてため息をついてから剣を納めてデイブを指さしてこう言った。
「あーもう時間だな...これ以上はここにはいられねぇーーー
巫女だけは借りていく。
ランサムネルにはいく用事があるだろう?そこでまた会おう」
ディーコンはそういうとリズを部下に預けて、街の暗がりへと逃げていくように慌てて走って行ったーーー
それを見送ったデイブは剣を鞘に入れてポケットからハンカチを出してアラベルの怪我をした手を手当するためにハンカチを巻いた。
「傷は浅いな...」
アラベルはデイブの手を振り解いてこう聞いた。
「なぜ、ここにいるんですか?」
アラベルは久々に会うデイブを見て少しばかり会えて嬉しい気持ちと今会いたくはなかった気持ちが込み上げて彼から目を逸らしてしまった。
デイブは倒れた弟ディーンの顔を叩きながらこう言ったーー
「理由は簡単さ。巫女に会う必要があったんだーーー
ディーコンに船を奪われた...呪いをそれを解いてもらわないと少々困るーーー
クローバー卿にあの古代兵器を渡すわけにはいかないからな。
おい、起きろ。ディーン!親父から事情は聞いてる、リズを助けにいくぞ」
ディーンはゆっくりと目を覚まして、ぼうっとした様子を見せた後、こう呟くように言ったーーー
「あ、兄さんだぁ...」
まだ、寝起きのような状態で朦朧としているのは分かったのでデイブはディーンを抱え上げてアラベルにこう言った。
「お前が、リズに嘘をついてたのは知ってるーー
クローバー卿が王国騎士団の息のかかってない人をつけたかったんだと思う。
そこで、友人のお前が巫女の警護役と監視役を任されたって感じだろうーー」
アラベルはそれを聞いて頷いて答えた。そして、こう言った。
「私は大切な友人に嘘をついたーー故郷にいる家族を大事だと思ったから....」
アラベルの表情は難しそうなものを考える趣とどこか、後悔の念を感じられるのをデイブは感じ取ってこう言った。
「前にも同じことをアラベルには確か言ったな...
お前は来なくていい。お前はお前自身の守りたいものを守れ」
デイブはそう言って歩き始めた。アラベルはそれについて行くことができなかったーー
「前と一緒だな。お前は成長してないなーー俺は俺の使命を果たさないといけない....
あと、王国騎士団に追われてるから先を急ぐーーー」
デイブがそう言ったが、アラベルは立ち尽くすことができなかったーー
大切な数少ない友人を裏切った気持ちがどこか辛かったからだったーーー
リズ「きゃー助けて!ディーン」
ディーン「待ってて!絶対行くから!悪の海賊ディーコン!」
ディーコン「わーははは!とりあえず、ランサムネルで待つさらばだっ!」
デイブ「うわーなんか始めちゃってるよ...とりあえず、物語もやっと冒険ぽくなってきたな」
ディーン「うん。確かに...昔だったら、タンカーに乗ってたら襲撃されて海に投げ出されるところなんだけどね」
デイブ「あーそれだいぶ前の話じゃねーか...
とりあえず、それは置いておいて古代兵器を狙う輩がいるってのは話のミソだろうな」
ディーン「ところで、兄さんはどうして色々知ってるの?」
デイブ「ネタバレになるから言わないぜ。次回、古代兵器を狙う人々。乞うご期待」
ディーコン「ところで俺ちん。悪役っぽくなってるけど色々とこっちにも事情があるんだよ!」




