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父たち

登場人物

 モーリス・プリドール公爵

  ジゼルの父親

 ローラン

  プリドール家執事。モーリスが若い頃から側仕えして今に至る。


 ロジェ・フォイエ公爵

  クロードの父親。モーリスとは竹馬の友。

 テオ

  フォイエ家執事。ローラン同様、ロジェが若い頃から仕えている。


小話:ローランとテオにとって両公爵家当主は、いつまでも自由でおバカで憎めない"坊っちゃま"なのです。


 娘に見合いの話をしたら部屋を飛び出して行ってしまった。少々強引だったかな、と反省しつつ、モーリス・プリドールは先方へ断りの手紙を綴る。


 ――辺境は国の要所だ。これでバロワ家が絡んでいなければな……だが同じ嫁ぐなら好いた奴のほうが良いに決まってる。


 書き終えた手紙に封をし、執事に託しながら窓から庭を眺めれば、"扉"が開いていた。


「ローラン、クロードが来ているのか?」

「はい、先ほど。サロンへご案内いたしました」

「そうか」


 ――野生の勘だろうか。クロードめ、思ったより早く反応してきたな。


 何がしたいのか、モーリスは執務室を出てサロンへ向かった。扉の前で立ち止まる。思いきり扉を開けてやろうと、ノブに手を伸ばしたが寸前で止め、そうっと少しだけ開けて中を覗くことにした。


『旦那様! 何をなさって……! 侯爵家当主ともあろう方が』

 真後ろ、しかも耳元で執事が声を掛けてきて、モーリスは飛び上がるほど驚いた。


『シーッ! 騒ぐな! 気づかれてしまうだろう!』

 ローランと共にサロンの中を覗くと、クロードの背中しか見えない。ジゼルの声も姿も無い。なんだ、居ないではないか。そう思ったが、クロードの太ももの辺りから床にかけてドレスの膨らみが見えた。あっ、と思った時、ローランが喋り出した。


『お嬢様はただいまクロード様の腕の中にいらっしゃるようですね。微動だにせずですから、あのまま愛を囁き合っているのでしょう。あ、ほら、クロード様の腰の辺りをごらんなさいませ、衣服にシワが寄ってございます、あれはお嬢様が抱きつい』

『ヤダもうやめて実況しないで!』

 小声で叫んだモーリスはバタバタと駆けて行ってしまった。


 遠ざかる主人の背中が庭に出ていくのを見届けて、ローランはそっと扉を閉じた。室内の二人が何を話しているかはボソボソとしていて聞こえないが、お嬢様がご機嫌なら何でもいいとローランは微笑んで、モーリスから預かった手紙を投函すべく出かけた。



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― 新着の感想 ―
[一言] 前書きは誤字報告できないんですね 「小話:」の後はモーリスではなくローランだと思います
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