三縁望の奪還　～同時多発転生に巻き込まれ(に行き)ました～

　突如荒れた生徒たちによって教育困難校と化した私立六天高校。

　学校の変化とともに様子のおかしくなった三縁八千代(みよりやちよ)を心配した兄・望(のぞむ)は、八千代が赤の他人かつ年上であるはずの生徒会長に『姉上』と呼ばれ言い寄られている現場を目撃する。
　八千代を守ろうとした望だったが、相手の繰り出した人外じみた謎の力の前にはなす術もなく、結局は同じような力を使った八千代に助けられてしまうのだった。

　その後望は、学校が急に荒れた原因を知ることになる。

　学校内で同時多発転生が発生し、多くの生徒が前世の人格に引っ張られてしまっていること。
　八千代が前世でとある種族の女王であったこと。
　そして、八千代自身は『三縁八千代』として生きたいということ。

　八千代を女王として接する者、前世の八千代を憎む者。

　そんな転生者たちから妹を守るため、兄は今回の騒動の原因を探ることするのだが――望自身も、生徒会長に受けた攻撃をきっかけに体に異変が起き始めていた。

　これは、兄妹が異世界より転生を果たした異能者たちの前世の因縁に巻き込まれ、時に巻き込みながら平穏な日常を取り戻すため奮闘する物語。


※2022/7/17　タイトルを『三縁望は取り戻したい』から『三縁望の奪還』に変更、およびあらすじを少し書き変えました。