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旅の記録を冒険の書に書きますか?  作者: 春夏秋冬 暦
3/3

最初の村

前回からあまり話を進められなかったかも……

まずは、早めの更新で長く続けていきたいと思っています。

それでは、本編をどうぞ!

 草原を歩き始めてから、どれくらい経ったのだろうか。


 太陽はまだ高い位置にあるが、さすがに三人とも少し疲れてきていた。


「……遠くない?」


 時雨が文句を言う。

 しかし、時雨が悪いわけではない。

 あんな衝撃的な展開を超えて、体も心も疲れているに決まっている。

 だから、俺も


「遠い」


 と、同意するしかほかなかった。

 草原から見えた丘は、すぐそこにあるように見え、地図のページを見てもそこまで離れているようには感じなかった。

 しかし、地図事態がどのくらいの縮図で示されているのか、そもそもの話、この世界がどれほど大きいのかさえ分からないのだ。

 だからといって、俺たちに他に選択肢は用意されていなかった。

 さっきの戦闘で服装はただの旅人か冒険者にしか見えなくなってしまっている。さっきまで着ていた制服がどこに行ってしまったのかの謎は残ってしまっているが、少なくとも身を守るための術を確立することができているのは確かなことだ。


「しかし、村か。見知らぬ俺たちを簡単に入れてくれるものなのかな」


「それは……行ってみないと分からないことだわ」


「それもそうだな」


「こうして3人で歩いていると、昔キャンプに行ったことを思い出すよね!」


「そんなこともあったなぁ」


 あれは、たしか俺たちが小学生くらいのころだったはず。今から、だいたい5,6年前か。

 うちの両親が二人も連れて、山にキャンプに行ったんだっけ。

 確か、あの時もこうやって3人で並んで山の中を歩き回ったんだっけな。


「懐かしいなぁ。そんなこともあったな」


「今も昔もやってることは変わらなかったね!」


「あの時とは状況が何もかも違うのでけれど……」


「あははは……」


 普段、能天気な時雨も春姫の指摘には、刺さってしまったようで、苦笑いで返してしまっていた。


「……ごめんなさい。士気を下げるつもりはなかったの」


「ううん!全然大丈夫だよ!むしろ、早く目的地の村にたどり着きたいなって思ったところだから!」


「そうね。安心できる場所で早くゆっくりしたいわね」


「……だな」


 くだらない会話を続けながら、口と一緒にひたすら足も動かす。

 日が落ちる前には必ず辿り着かなければ、俺たち3人で野宿なんて無謀なことをやらないといけなくなってしまう。

 3人とも会話していることとは裏腹に、早く村に辿り着くことを願っていた。


「……ん?ねえ、あれを見てよ」


 時雨が前を指でさす。


 まだ小さく見えるが、たしかに集落のようなものが遠くに見えてきた。


 俺たちは最後の力を振り絞って近づいてみると、木の柵で囲まれていた村に辿り着いた。


「……ほんとに村だ」


 俺は思わず呟く。


「助かったぁ」


 時雨が大げさに空を見上げた。


「今日野宿だったら絶対泣いてた」


「それは私もね」


「俺も嫌だったな」


 3人は安堵し、ホッと胸を撫で下ろす。


 三人とも少しだけ軽くなった足取りで、村の入り口には辿り着く。

 村の入り口には木でできた門があり、門の横には男が立っていた。

 門番の男はこちらに近づいてきた。


 背の高い男だった。腕が太く、肩幅も広い。

 皮の鎧のようなものを着て、腰には剣を下げている。

 完全に“戦士”という感じの格好だ。

 この世界に来てからの、初めての人間だ。


「止まれ」


 門番の男から低い声が響いた。

 俺たちは反射的に立ち止まる。


「……旅人か?」


 男は俺たちをじっと見ながら言った。


 流石に余所者である自分たちを見て、少し警戒しているようだ。


「えっと……」


 俺が言葉に詰まっていると、春姫が一歩前に出た。


「はい。遠い村から3人で旅をしていて、この村に来ました」


 落ち着いた声だった。


 男はしばらく三人を観察する。


「ふむ、たしかに旅人というより冒険者のような装いだな。どの方角から来たのか?」


「東の方からです」


「なるほど、アストラ王国の民か。ならば、この地に来る者も珍しくない。親の仕事を手伝いたくなくて飛び出してきた感じか?」


「……まあ、そんな感じです」


 俺は曖昧に答える。


 まさか「異世界から来ました」なんて言えない。


 男は少し考えてから言った。


「ふん、まあいい」


「ここはウグイト村、人族国家アストラ王国の最西端の村だ。ここから、ヴォルガ―ド帝国やエルシア森王国に行くことができる。まあ、何もないところだが、ゆっくりしていってくれ」


「はい!」


「わかりました!」


 元気よく返事をする。


「このまま真っすぐ行けば、ギルドがある。この村で困ったことがあればそこで聞け」


「ありがとうがざいます」


「では、通ってよし」


 彼の言葉に続いて、門をくぐり抜けて、村の中に入る。

 外からはあまり分からなかったが、自分が思っていた以上に村の中は広く感じた。


「思ったよりも広いな」


「村っていうくらいだから、そんなに大きいところだとは思っていなかったのだけれど……」


「とりあえず、ギルドの方に行ってみようよー。宿に泊まりたいし、ご飯食べたい」


「たしかにお腹空いたな」


「ぼくもうげんかーい」


「まあ、お金のこととか聞きたいこともあるし、ギルドに行くか」

 

 石畳で舗装された道を進み、看板にギルドと書かれた建物の中に入る。


「すみませーん!」


「ん!はあーい!」


 奥の部屋からメガネをかけた女性がでてきた。

 日本でいうところの受付嬢って奴だろうか。


「すみません。自分たち今日この村に来たばかりの旅人なんですけれど……」


「はいはい。なるほど、旅人さんですね。ようこそ、ウグイト村のギルドへ!本日のご用件は何でしょうか?」


「えっと、お金とこの村で泊まれる宿を探しているんですが」


「お金と宿についてですね。では、まずお金についてからですね。基本的にゴルと呼ばれる大陸共通貨が使用できますよ」


「ゴルを手に入れることができる方法ってありますか?」


「ギルド内でしたら、ギルドで出している依頼の達成報酬や魔物の素材を買い取ったりできますよ」


 受付嬢さんに言われ、自分たちがこの村に来る前に倒した狼からの素材があったことを思い出す。


「買取お願いできますか」


「こちらですね。ホワイトファングの骨と牙、それに魔石ですね。どれも状態がいいので、全部で2,000ゴルになります」


「2,000ゴルって宿屋に何泊できますか?」


「この村の宿屋ですと出て右手にある金の鶏亭しかありませんので、3人ですとだいたい3泊程度はできるかと思います」


「おお、わりといいのでは」


「これはラッキーだったわね」


 受付嬢さんからお金を受け取り、お礼を行って宿へと向かう。

読んでいただきありがとうございます。


誤字脱字の報告だけでなく、感想もくれると嬉しかったりします。

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