1話 私の人生の終わり
今日は父の誕生日であり、広いダンスホールに招かれた客人と兄弟たちが一堂に会していた。
父の名をアルバート・トワイライト・ガーデンフィールド。
このガーデンフィールド王国を治める国王だ。
私には1人の血の繋がった兄と、36人の血の繋がっていない兄弟がいる。
私の父、この国は、才能に秀でた子どもを王族の養子として迎い入れていた。
王が認めた、選りすぐった特別な私の兄弟。
私はその中で誰よりも父と血が濃く、誰よりも劣っていた。
父は才能があるもの、自分に利があるものを大切にして、そうでないものを切り捨てた。
私は後者の切り捨てられる者だった。
「お父様、違います、わたしは何も」
玉座に座る父の前で床にひざまずいた。
私が犯人だと密告があったのだ。
何年もこの王が住む城に来ることを許されず、10年間敷地の端で隔離されていた。
とても特別な日だと父に来ることを許可され生まれて初めてこのダンスホールにも入った。
そんな私が何を企てられるというのだろうか。
どんな騒動かも分からず、私は今無罪の罪で裁かれていた。
私を物珍しそうに取り囲む36人の兄弟たちにほとんど知った顔はいない。
「おとう、、国王さま、私は何もしていません」
玉座を見上げると父は私を感情の無くただ見下ろしていた。
実際にもう何年も会っていなかった。
久しぶりに見た表情は私を娘だとは見ていなかった。
「ケヴィン前へ出ろ」
父が一言いうと、兄弟の中から1人の男が出てきて跪く私の前へ出た。
私は無意識に声の方向を見る。
「はい」
ずっと会いたかった、会ってみたかった、名前だけは聞いていた、実の兄。
まさかこんな形で出会うことになるなんで思わなかった。
王族の直系の証である、私と同じゴールドの瞳。
私と同じ輝くブロンドの髪。
「お兄さま、」
兄は何も言わなかった。
私に対して興味も無いようだった。
「なぜ、俺がお前を今まで生かしていたかわかるか?」
静まり返ったダンスホールに父の声が良く響いた。
「知ってると思うが、そのお前の金色の目は王族の遺伝」
「変に追放などして、誘拐されるのも厄介」
「せめて大人しく学もなく、どこかの国へ嫁がせて外交にでも使おうかと思っていたが、」
「こんな騒動後には価値は下がる」
「見せしめにはなるだろう」
「殺せ」
兄は実の妹であっても、かばったりなどはしなかった。
兄は腰に着けている装飾を施した鞘から剣を引き出した。
手入れをされている用で、美しく光をよく反射していた。
ここには私の見方は無く、もうどうにもならないと悟った。
”せっかく綺麗してきたのに無駄になっちゃった”
そんなことを考えながらドレスの裾を握りしめた。
剣を振り下ろす風を切る音がした、そして私の人生は終わった。