第960話「霊種を統べる者……ガイスト」
こんばんわー!\( ॑꒳ ॑ \三/ ॑꒳ ॑)/
お風呂入って湯船で……寝てました……_(:3 」∠)_溺れたw
気がついたら0時過ぎてたので、取り急ぎ更新death!
今回のお話は……
ガイスト(ドイツ語で霊とか魂という意味……らしいw)についてのお話death!
物語では霊として扱って〼
お婆さんは僕を見て、『お前さんから溢れて出て来ようとするものは、おぬしの身体を仮の宿主としているフランメの力だ。そしてその力の中心が、精霊力の根源じゃ……お前の核でありお前の魂そのものだ!』とかなり重要な話をする……
そして前置きが終わったのか、今度は実際の作業手順を説明し始めた……
「内側から噴き出して来るフランメの力をおぬしの精霊力で覆い、その出て来る入り口から魔力を注ぎ込みな。そして精霊力の根源となる内部核に魔力空間を作り核を膨らませるんだ!そこがお前が契約した精霊各種の棲家になる。魔力空間に費やす魔力の総量が多い程、お前の底力はデカくなる。いいね?躊躇したら負けだと思いな!」
「は……い……やって………みます……」
僕はそう言ったものの、援軍が欲しかった……
そこで駄目元で床に手を当てて『倉庫』を展開する。
「な!?なんだい突然現れたこの床の扉は……………」
「ア……アナベル……さん……いちどで……いいから……僕……に力を………かして………」
僕がそういうと、扉が『ガコン』といって開き、僕とお婆さんは中に落ちる形となる。
しかし倉庫内部の異空間とは不思議な物で、床をも壁とみなしたのか扉から店舗内部へ転がり込んだだけで済んだ。
「やれやれ………坊やが久々に来たと思ったら、いきなり願い事って。でも焼きが回ったもんだねぇ……アタシがアンタの手助けする気になるなんて……」
部屋にはカウンターに寄りかかり酒を嗜むアナベルが居た。
ポチはいないが、代わりにお婆さんが周りを見て挙動不審になっていた。
「何なんだい……さっきの床扉は?それに此処は何処だい?おい……アンタ何をしたんだ坊主!って……アタシの後ろに居やがるのは誰だ………」
「誰だだって?口の悪い婆さんよ……アンタこそ誰だい!?口が悪いったらありゃしない……」
「あ………アンタは!?……ま……まさか……テ……テレサかい!?何故アンタが……とうの昔に死んだ筈じゃ?」
「おやっ……坊やと一緒に転がり込んできた小汚い婆さんがいったい誰かと思ったら………よく見りゃモルガーナじゃないかい!?珍しい組み合わせだ!って言うか……かなり久しいね?此処に来てからかなり経つから……えっと……5000天は会ってない筈だ……」
「く!?はははは!!まさか精霊も碌に使えないこの鼻垂れ坊主の知り合いが、あのテレサとは……アタシも流石に想像もしなかったよ!変な巡り合わせもあったもんだ!それで?……えっと……此処は何処なんだい?」
僕は二人のやり取りに付き合う余裕などは全く無い……
そんな顔をしていると、アナベルはすぐ様その事に気がついた。
「モルガーナ……まぁ話は後にしようや!この大馬鹿が死んじまう前にね!」
アナベルはそう言うと、僕の肩に手をおく……
「いいかいヒロ?この力はアタシにはどうすることも出来ない。モルガーナと一緒に補助するくらいが関の山だ。だけどアタシとモルガーナが居れば間違いなく成功する。いいかい?アンタの全魔力操作してありったけのMPを核へ注ぎ込むんだ。要は魔力容器を自分の内部に作るイメージさ!」
「は………い」
僕は言われるままにフランメの力を精霊力で覆い、その吹き出す穴から魔力を注入しする。
そして言われるままに、中に巨大な魔力容器を生成する。
「よしよし……今の所いいよ。お前さんの準備が終わるまでは、フランメには起きてもらっても困るからね……フランメの力を魔力転換させるから、その力を全て内部領域へ転用しな!じゃないとお前は中から破裂しちまう」
アナベルは僕にそう言うと『モルガーナ、アンタはフランメの力の収縮を頼むよ……アタシが魔力転換させちまうから』という。
僕には、今何が行われているか分からない。
しかし次第に暴力的に吹き出す感覚が薄れ、代わりに爆発的に膨れ上がる魔力を僕の内部に感じる。
「う……ぐぅ………」
「坊主いいかい?よく聞きな……辛いだろうけどチンタラやってるとアンタが持たないんだ。さっさと隔絶領域に転換しちまいな!そうすれば少しは楽になるはずだ。全部じゃなくていいから破裂しない量に……っておいおい……一気に転換しすぎだよ……」
モルガンは無理のない程度に……と説明していた。
だが調節をしている余裕がない僕は、魔力容器をどんどん大きくする。
するとそれを感じ取ったモルガンは、非常に焦り始めた。
「な……なんて精度の高い魔力操作なんだい。こんなデカい精霊領域……あっという間にアタシが追い抜かれちまった。参ったねぇ……テレサ……」
「モルガーナ……まだまだこんなもんじゃないよ?この坊やは全魔力を転換しちまった……内部領域完成には大方3日はかかる筈だ」
「くは……3日だって?まだデカくなるのかい?どんだけ精霊を囲う気なんだい?全く……」
モルガンはそう言うと、可哀想なものを見るような目で僕を見る。
そして『何でまたそんな巨大なものを……』そうボソッと言っていた。
しかし僕は全てを終え安心したせいか、酷い虚脱感を覚えつつ意識を失った。
◆◇
「ははははは!そうなのかい?テレサ。またとんでもない事をする坊主だねぇ…………」
「でもこの坊やのお陰で、この隔絶世界にいてもモルガーナ、アンタに会えたんだ!」
「違いないね!でもテレサ、アンタが元気そうで……おや?漸く目を覚ましたみたいだよ?」
何やら話している二人は、カウンターの上にグラスと日本酒を置いて飲み会をしていた。
「それにしても……この異世界の酒ってのは美味いねぇ……米から出来てるんだろう?私も一本貰えないもんかな?……」
「あの坊やと知り合ったんだ……手に入る可能性はあるさ!」
「あ!!アナベルさん……重要な事を言い忘れてた!!異世界の食品は……危険なんです!この世界では、とてもヤバイ変異素材だと、水龍サザンクロスに言われまして……」
「なんだい!?大変て言ったからびっくりしたが……そんな事かい?そんなことは当に周知の上だよ?」
「ああそうさ!坊主……アタシとテレサなら問題無いよ?寧ろこの素材で変異覚醒してくれるなら私等は万々歳さ!テレサだったらお礼さえ言える筈だ!」
「ああ!これを飲んで変異覚醒してくれるなら、お礼どころかアンタの頬にキスまでしてやるさ!」
僕は予想外の反応に『どうしてですか?』としか聞けなかったが、当然アナベルはその内容をはぐらかし答えは貰えない。
この世界の根幹を揺るがす内容なのだろう……
「こうしてゆっくり話していたいが……そうも行かないね。そうだろうモルガーナ?」
「相も変わらず察しがいいねテレサ。ガフの間には私の許可が無いと入れないから問題は無いが……既に3刻も音信不通だからね。皆焦ってる頃合いだ……」
「さ……3刻?僕は気を失ってから3時間も経つんですか?」
「3時間?ほう……時を表す珍しい単位だね。見た感じ帝国民ではないし……何処の国の出身なんだい?坊主は……」
僕の何食わぬ質問にモルガンが質問で返すと、アナベルが『モルガーナ。その坊やは流れさ!此処では異世界人と言う方が正しいかね……』と説明を付け足した。
アナベルとモルガンが知り合いである以上、下手に隠しだてする意味がないと思ったのだろう。
「そうなんです……僕は異世界人でして……。でも今はそれより問題が!3刻も気を失っていたと言うことは……この倉庫の残り時間も少ない筈です」
「ほう……此処は見たまんま倉庫なのかい?アンタの珍しいスキルだと聞いてたが……まさか倉庫とはね。まるで上等な店じゃ無いか!何か売り物を出しても問題無い造りだよ?」
そう言ったモルガンは『調度品といい、雰囲気といい店にはもってこいだ!』という。
しかし制限時間付きの店など、この異世界では流行るはずがない。
現代であればプレミアをうたって商品を捌けるだろうが、この世界にはその情報を伝達させるツールが無い。
ご近所さんに売るなら、普通の店舗の方が遥かに実入が多いだろう……




