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第958話「聞かれたく無い話と強気のメルル」

おはよう御座いますdeath!"((∩´︶`∩))今日は朝更新……


今回のお話は……


ドドムの件がちょっとバレそうになる話death∑(゜Д゜)っふわぁ!?


その事からメルルが父思いの強い子に育っていくお話……もうじきOPの回収終わります\( ॑꒳ ॑ \三/ ॑꒳ ॑)/


 しかしダンジョンからさほど歩かぬうちに、真後ろから声をかけられびっくりする……


 今日は迷惑をかけた人が多いので、文句の一つも覚悟しないといけない……



「ちょっとお兄ちゃん!!」



 そう言われて僕は振り返ると、そこにはメルルとディーナが居た。



「あれ?メルルちゃんにディーナさん……武器の売子は?」



「もう夕暮れも過ぎ月が出て遅いので……娘は家に帰さないといけないんです。冒険者協会規定で緊急事態以外は、子供達のギルドへの夜刻立ち入りは禁止ですから」



 僕はディーナの説明で成程……と思ってしまう。


 ダンジョン前の篝火表示は、すでに夜の21時を示している。



「もう木の21刻になるんですね……朝出たのはあんなに早かったのに……」



 僕はそうはなすと、報告兼ねてギルドに向かう話をした。


 

 ◆◇



「やっと来たか………問題児!!」



 ギルドに着くなり第一声はギルマス・テカロンのドスの効いた声だった。


 ギルマスの表情を見た限り、僕へのクレームで間違い無いだろう。



「お前………ソロで潜ってたんだって?その事のついて何件もの確認報告があったんだぞ!?」



「あ………それには理由がありまして。フルーツラビットに喧嘩売ったら……おちょくられて思考負荷を受けてしまって……。アレは対策しておかないと連続で喰らうので危険ですね……あはははは………はは……」



「そんな馬鹿な言い訳が通用するか!ギルドマスターであるこの俺が、あのフルーツラビットの生態が分からないとでも?」



 そう言ったテカロンは、『フルーツラビットの速度に追い付く相手にしか、通用しない特殊な特技だぞ?だったらお前はそれだけ素早い移動が可能という事になるよな?って言うかお前……俺が受けたクレーム以外にも何かしてるのか?』と言ってくる。



 その事がクレームになっていると思ったが、どうやら違う様だ。



「お前……10階層の狩場独占してたんじゃ無いのか?それも広範囲狩りを………反省の色が見られないがな?」



「狩場独占?そんな事……」



 していないと言いたいが、僕は挑発を受けて手当たり次第に魔物を狩り尽くしている。


 それが狩場独占と取られてもおかしくは無い。



 何故なら相手が狩場の通路を変えたにも関わらず、僕が走ってきて狩り殺す場合があったかもしれないのだ。


 ウサギのいく先僕が現れたのだ。


 そして魔物を殲滅して走り去るのだから、狩場独占と疑われてもおかしくは無い。



「お前の目的はドドム探索だったと思ったが?前に俺にそう言ったよな?」



 その言葉で僕はドドムから預かった、穴あきカイトシートの存在を思い出した。


 僕は話の方向性を変えるのは良いきっかけだと思い、徐にマジックバッグからとりだした。



「実はコレを見つけました。穴あきのラウンドシールドなんですけど、シールドの後ろにディーナさん宛のメッセージが……どうやら本格的に問題を抱えている様です」



 僕はそう言って預かったカイトシールドを机に置く。



「メッセージだと?見せろ……な?………『ワレ・バンノウヤクヲ・サガス』だと?……これを……何処で!?」



「未踏域階層……と言いますか……新階層と言いますか……。説明が難しい場所で、行くのには特殊な条件が必要です。行けたのはほんの偶然からでしたし……」



「ならば……そこに行く方法は?お前は読解して分かっているのか?」



「残念ながら……条件が分かりません。地下10層であるのは間違い無いのですが……転移が始まったのが、意識を取り戻した直後だったので……なす術もなく転移を……」



「て……転移だと?……くそ!!ドドムといいお前といい……何故か俺が知らない場所を探し出し、その上その場所ときたら前例が無く問題しかないと来やがる!」



 僕は転移の方法を濁す……


 当然あの階層の魔術文字が錬金術に関係しているからだが、それ以上に問題になりそうな謎の城がある。



 だからこその形見の盾とメッセージだが、信憑性がなければ話にもならない。


 名札を盾に付ける習慣は異世界に無いので、盾の背後にメッセージを書く事でドドムの持ち物と証明する案を思いついた。


 

 だからこそ手書きのメッセージを、ドドムに頼んで書いてもらった。


 当然インクやマジックでは書けないので、簡単な言葉をナイフで掘る感じだったわけだが……



 しかし問題が起きた。


 何かというと、僕から少し離れる形で、ディーナとメルルが付いてきているとは思いもしなかった。



 ディーナは時間的な問題から家に帰ろうとはしていたが、メルルの我儘でギルドまで引き返してきていた。


 彼女達は僕が怒られている様を見たので、バツが悪くなり話が終わる頃合いを見て話しかけるつもりだったのだ。


 

 しかし想定外にも僕の報告を聞いてしまった……


 帰りを待つ家族が、言葉尻だけ聞けば『遺品』としか受け取れないだろう。



「どいて!!………それは私のラウンドシールド!!……ドドムさんに………ドドムさんにお守りに渡した………」



「お母さん?パパがどうしたの?……パパが………帰ってきたの?」



 ディーナには本当の事を話したい……


 しかしメッセージの通り『万能薬』を探しているのは事実だ。


 そして今はソロでは無い……仲間がいる。



 伝えたいが、伝えれば新たな問題を抱えてしまう。



 それは間違いなく人間とあの場所を管理する『誰か』の抗争に発展する可能性が大きい。



 エルフと人族は僕が居なかった間に溝ができていると聞いた……ならばあの地にいるかもしれないハイエルフ達も同様だ。


 それにそもそもその地にいるのが『ハイエルフ』であるとは限らない……あくまで推測なのだ。



「ディーナさん……まだ可能性はあります。探しに行くだけで死んだわけでは無いです」



「でも……この盾は……魔力防御を上げた特別製です……その盾の耐久値を上回り穴を開けるほどの攻撃ですよ?あの人はガーディアンです……盾が無ければ………戦えない!」



「ディーナ娘の前で狼狽えるな!!その子はお前の背中を見て育ってきたんだ。シャンとしろ!!」



「そうっすよ!あのドドムですよ?盾にメッセージ書いたって事は新しい盾を手に入れたからって事でしょう!……なぁ?皆もそう思うよな?」



「間違いねぇよ!冒険者だぜ?穴が空いてても守るために使うだろう普通。メッセージ残して置いていくならそういう意味だろう?だよな!」


 

 僕は『ナイスフォロー!!』と拍手をする。



 当然その言葉が出れば、新しい盾を使っている可能性に結びつく。


 そうなれば生きている可能性にも直結するはずだ。



「み……皆さん取り乱してすいません……そうですよね!ガーディアンだもの……新しい盾手に入れたならそっちを装備するはずよね!私の使ってたシールドだからそこに伝言書いたって考えれば……」


 

 ディーナの表情からは絶望の色が抜けないが、メルルの為言葉を合わせている様だ。



「メルルのお父さんは……帰って来るって言ったもん!絶対に死んで無いから……それはメ!だよ?お母さん!」



 メルルは『ムキー!』と怒って見せる……諦めない想いと態度は母より遥かに強かった。


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