第954話「口は災いの元」
こんばんわーꉂ(≧∇≦)更新なのです!
Diablo中毒_(:3 」∠)_中……ふぉぉぉぉぉぉ
今回のお話……
ドドム達を探したものの……ゴニョゴニョ(´・Д・)
「裏切られたって言ってましたけど……何と言うパーティーなんです?僕も注意しないと……」
「何だ?坊主はここのパーティーメンバーじゃないのか?」
「ああ……訳ありでね。まぁその話は後にして……そのクソ野郎は何処の誰なんだい?アタイ達はコールドレインではそこそこ名前が有名だ。ギルマスにも注意喚起してやるよ!」
「パーティーリーダーは戦士系冒険者で名前はブーチ、パーティー名は『グレート・オークス』だ」
「「「「ブーチだと!?」」」」
「え?ブーチって……最下層に落っこった人も同じ名前じゃ?……ですよね?レスティさん……」
「ああ……アイツ確かに前のパーティーはグレートオークスだって言ってた……だよな?メスティ!!」
「うん!アイツ私の尻触りながら『此処のリーダーになったら、グレートオークスに名前を変えて私を囲ってやる』って言ってたから間違いないよ!」
「「「メ……メスティのケツを触っただと!!」」」
だんだん会話が違う方向に置き換わっているが、男子三名は口々に『ゾンビになってたらすり潰してやる』とか『スケルトンになるまで削ぎ落とす!』とか『幼馴染の俺だって触った事ねぇのに!』など物騒な事を言っている。
「何だ?知り合いなのか?と言うか……ブーチの奴が最下層に落ちたとは?」
「ドドム……アンタの怨みは晴らせないかもね……だってアイツ間違いなく死んでるもん……」
そう言ってレスティは、一連の事情をドドムに話す。
「く……ぶははははは!!これは傑作だ!あの馬鹿結局パーティーを失って、自分は階段を踏み外して落下だと?」
「でもドドムさんと階下に行ったことがあるんですよね?何故そこの階段でそんなミスを?」
「それは簡単な話だ!俺が9階層の階段でレスティと同じことを言った時に、奴は俺の持つ転送陣情報で移動した方が早いと言って10層へ降りずじまいだったのさ。結局あの件が尾を引いて自分の首を絞めたのか……」
そう言ったドドムの溜飲は、思いがけない情報で下げられた様だ。
「まぁ……ブーチの件は終わったとしても、裏にいるのは帝都の秘薬貴族の侯爵様だからな……。その事を探ったりしない方がいいぞ?あんな輩は刺激しない方が身のためだ」
「ドドムさんは……その侯爵家にも心当たりが?」
「それはアタイが説明するよ。帝都の秘薬貴族と言えば有名だからね……」
「もしかして……シャーマル・ウィスター侯爵ですか?」
僕は知っている侯爵家の名前を出す……
するとレスティは『惜しい!悪辣貴族違いだね……』と言う。
「プルシエフ・フーチン侯爵家さ……戦争犯罪人と名高い奴等でね。『帝国の転覆を狙ってるらしい』という黒い噂もあるんだ。その理由は秘薬の買い占めからも見てとれる……って訳さ!」
「秘薬の買い占め?そんな事を皇族が許すんですか?皇帝陛下は病なんですよね?」
「勿論駄目さ……だけどね?どれだけ偽物の秘薬が出回ってると思ってるんだい?見たことが無い奴は適当にでっちあげるんだ。中身の詰め替えとかじゃなくね!」
「でもそれは……今の話には関係がない気がしますけど?」
レスティは『まぁ焦りなさんな……』と言って説明を続けた。
秘薬貴族の命名は、帝国内の秘薬管理を一手に任されている貴族達がいるそうだ。
その貴族達を総称して『秘薬貴族』と呼んでいて、皇族に不慮の事態が起きた場合、秘薬を開封する権限を持つそうだ。
当然数多くの帝国貴族の中で、その権限を唯一持っている事になる。
管理の都合上、彼等は購買関係にも関わっていて、薬品の真偽の程はそこで確認されるという。
此処で問題が起きるのは目に見えている……
悪辣貴族である以上、横流しや中身の入れ替えそして今回の謀略用と言うことだ。
プルシエフ・フーチン侯爵は、その秘薬問題を低い爵位の悪辣貴族に擦りつけ、ロナ・ウルグスへ投獄したという噂がある人物らしい。
当然ドドムの件も『秘薬ではなく上級ポーションだ』という事で秘密裏に処理されたそうだ。
殺されかけたドドムは、ダンジョン遠征の事を表沙汰にしない約束を冒険の前にしていた。
約束のそれは魔法契約だったが、相手が殺意を見せドドムに襲いかかった事で契約無効になったので、ドドムは誰にでも語れる様になったという。
「成程……そんな風にドドムさんは巻き込まれたんですね……」
「ああ……だがそれのお陰もあり、俺はソロでの探索中にミクシーフローゲルの手記と日誌を手に入れられた。人生とはどう転ぶか分からんな……」
「実は僕もミクシーフローゲルの遺体を見つけたんです……」
「そうか………坊主お前が俺の後を継いだ形なんだな……礼を言う」
「でも新しい出会いもありましたし……多分パウロさんの件から、僕はミクシーさんにも出会う運命だったんだと思います……」
僕がそう言うとドドムは『ま……まさかパウロとは……パウロ・フローゲルjrの事か?フローゲル一番弟子の異名を持ち……ニューワールドの肉親の?』と驚いた顔をして……『あ!?ちょ……ちょっと待て!!異世界人のサイキっていうのは……坊主……お前の事か!?』と勘違いをした。
「いやいや僕はヒロです只のヒロでサイキちゃんじゃ無いです……」
「サイキちゃん『じゃない』!?」
「あ…………」
「…………」
「ド……ドドムさんはそれを解き明かしている場合じゃないでしょう!?奥さんの万能薬をどうにかしないとでしょう?」
僕は苦し紛れにそう言うと、ドドムは『確かにな!お前の言う通りだ。他の家族に興味を持っている場合じゃない……俺は何としてもこのダンジョンで万能薬を手に入れないとならんのだ!』と言う……
でも今の優先事項は間違いでは無い……ディーナの残された時間は本当に少ないのだ。
「ひとまず一度街に帰りましょう……そうしないと安心できない面々もいるんで……」
「そうしたいんだが……それもできないのだ……」
ドドムはそう言って難しそうな顔をする。
「このダンジョンは特殊ダンジョンで、一度に潜れるパーティーメンバーは6人まででな……」
「なんだって?ドドム……そんなダンジョンアタイは聞いたことが無いよ?」
「俺も此処に来て初めてさ。驚くのはそれだけじゃない。一度でもあの神殿の魔法陣で帰ると、10日間はダンジョンへ入れないんだ」
「「「「なんだって!?」」」」
そんなダンジョンが存在すると聞いたことも無い一行は、僕以外の全員が驚く。
「ですが……6人ならば潜れませんよね?今7人ですし……」
「俺は時間が許す限り、この場所でダンジョンアタックがしたいんだ……ディーナとメルルの為にも……」
「時間が許す限りだなんて……そう言ったって………え!?時間?……時間って言いました?今……」
「ああ言ったぞ?何だ?刻を表す表現方法の一つだろう?……ああ!そうか……その表現はポチ以外には使わなかったな……久しく街の商店を使わないから……ついな……説明するとだな……」
僕は説明をしようとするドドムの言葉を、手振り身振りで止めた……




