第886話「マガワーマとダンジョンの財宝」
こんにちわぁ!更新ですぞ( 'ω' )و✧グッ
地上に出た一行……ようやく『万能薬』まで辿り着きましたぞꉂ(≧∇≦)
オープニングから本編約900話……カキスギdeath( '-' )ノ)`-' )ぺし
「マガワーマ伯爵様……今帰り………」
「遅い!遅いぞお前たち……どれだけ儂を待たせるんじゃ?それにヒロ!!見た感じ約束の品がないでは無いか!『儂のために宝箱を持ち帰る』それが約束だろう!!」
伯爵は、ダンジョン第一階層入り口から内部に踏み込んで来ると、凄い剣幕で喚き散らす。
僕達に報告をさせる事もなく、伯爵は勝手な思い違いをして更に文句を言ってきた……
「騎士団装備に回復の為のポーション……どれだけ金がかかったと思ってるんだ?何も持って帰らんとは何ごとか!!」
「は……伯爵様!!お待ちください!財宝は此処にしかと御座います!騎士団装備にはマジックバッグの支給があり、それを持って探索に挑んだ次第であります!」
騎士団の団員も僕と伯爵の間に入り、特大マジックバッグを前に差し出す……
「なんだと!?だから手ぶらだったのか………早く言わんか!!今すぐ渡せ……そのマジックバッグを!!」
「実は伯爵様……申し上げ難いのですが、外箱はマジックバッグに収まらず………」
マガワーマ伯爵は、話途中の騎士団長から特大マジックバッグをむしり取ると、その場でひっくり返す……
「は……伯爵様!?こんな場所で……何を!?…………駄目です!!」
『ガシャガシャ………ガチャン』
「「「「うおぉぉ!!宝ダァァァ!!」」」」
伯爵が財宝を地面にぶち撒けると同時に、周辺にいた冒険者は声を揃えて大きな歓声を出した……
しかし伯爵は対照的に唖然としている……
袋から箱が出てくると思ったのか、予想外の出来事に顔面蒼白だ。
そして冒険者の歓喜の叫び声は、更に他の冒険者を引き寄せてしまう……
「ちょっと!どんな宝だよ?おい……見えねぇよ……前の奴しゃがめよ!」
「マジか!?誰が財宝を得たんだ?ダイバーズか?そもそもなんでこんな入口で財宝をぶち撒けたんだ?」
「大方、持って帰ってきた麻袋が破けたんじゃねぇか?それだけ大量って事だろう!」
財宝という言葉にどんどん人が集まり、その場所は危険な状況になった。
いつ冒険者が、宝欲しさに飛び付いてもおかしくはない……
その様を見た伯爵は、騎士団員を防波堤にして、なんとか自分の宝を守ろうとする……
「近寄るな。えーい……貴様手を出すな!辞めろ!おい、お前……そっちに転がっていった金貨を返せ!!……これは我がマガワーマ家が得た財宝だ!誰も触るな!!」
「伯爵様!今日は大収穫じゃないっすか!俺達に何か恵んで下さいよ!」
「えーい……近寄るな!やらんと言っておるだろう……銅貨一枚誰にもやらん!!離れろ。欲しいなら自分で取って来ればいいだろう?お前達は冒険者だろうが!」
伯爵は覆い被さるように、宝の上に身を投じる。
何故伯爵はこの様な行動を取ったのか……僕にはとても理解は出来ない。
自宅に持ち帰り、後でゆっくり確認することも出来ただろうに……
だが伯爵のその様は、オモチャを目の前に我慢が出来ない子供の様にしか見えなかった。
しかし財宝を実際に見て目の色が変わる冒険者達……
銀貨一枚でもおこぼれが貰えないかという感じに、伯爵に取り入ろうとまでしている。
「辞めんか馬鹿モン!!」
伯爵の周囲を取り囲む冒険者達に、予想外の一喝が放たれた……
その声の主は、ギルドマスターのテカロンだ。
「ギ………ギルマス?な……何で此処に!?」
「やかましい!こんな所で油を売っている暇があるなら、お前達は自分の冒険をしてこんか!!冒険者だろう!!」
「そうじゃ!さっさと散れ……このダンジョンから一歩でも出れば、お前達は貴族不敬罪で、マガワーマ伯爵に縛首にされ兼ねんぞ?」
ギルマスの一言に加えて、ガルムの脅しとも取れる怒声を聴いた冒険者達は、仕方なくダンジョン探索へ向かっていく……
それを確認した伯爵は、『くそ!金貨を持っていきおった……奴等の顔は覚えたぞ!』と言いながら、手に持ったマジックバッグにぶち撒けた財宝を詰め込んでいる。
僕は伯爵へ『約束は果たしましたので……』と言うが、その言葉は全く聞こえてない様だ。
「おい!ギルドマスター!儂の宝を……マジックバッグに詰めるのを手伝ってくれ!」
「マガワーマ伯爵殿……我々は今はそれどころではない!そもそも自分の失態でしょう?騎士団を使い回収してください」
「テカロン!そんな言い方はないだろう?……お前の指示で、全員がちょっと手伝ってくれれば、回収作業なんぞはすぐに終わるではないか!」
ギルマスは呆れ果てて、自分の顔の横で両手をヒラヒラさせて『やる気は無い』と言う様を見せる……
するとマガワーマ伯爵は回収の手を止めて、テカロンに文句を言おうとした。
しかしマガワーマ騎士団の団員達は、手を動かしながらある危険性を訴える……
「マガワーマ伯爵様!早く財宝を元の袋へ納めてください!早くしないと得た財宝がダンジョンに吸収されてしまいます!!」
「そうです!ダンジョン内部において、通路の残留物回収は『部屋より早い』と言うのが、冒険者の常識です……」
「魔物討伐で遺骸が消えてアイテムだけ残りますよね?このままではこの財宝も何かしらが消えてしまいます!伯爵様急ぎましょう!」
マガワーマは『なんだって!?』と言うと、すぐに財宝回収に集中する。
流石に手伝った方が良いかな……と思ったが、ガルムはヤレヤレという顔をして手伝う事なくダンジョンから出て行く……
「ヒロにアサヒ行くぞ!全くお前等は人が良すぎるんじゃ……。ダンジョン内部で財宝をぶち撒けて、その内容を確認する様な馬鹿は放っておけ!」
「ガルムの言う通りだぜ?そもそもヒロ……お前にはやる事があるだろう?伯爵のぶち撒けた宝の回収がお前の仕事なのか?」
皮肉とも言える言葉だったが、テカロンでさえもその場を後にする。
アンガの言う通り僕の優先事項は、ディーナの亭主の情報だ。
「皆さん、僕は先にディーナさんへ知り得たことを報告してきます。後で合流するのでよろしくお願いします」
「おいヒロ待て!……既に闇の3刻だぞ?そんな夜更けにディーナ達を叩き起こす気か?」
「「「「え!?」」」」
クレムはそう言いながらダンジョン前を指さす……
「儂等はどれだけ連戦したと思っとるんじゃ?4階層と言ってもハイドホラーにホブゴブリンの群れ、そしてグレート・デイノスクスを山程葬って、階層主モドキと激戦じゃぞ?」
「ヒロさん……私達……明日には王都騎士団に連れられ帝都へ行くんですよ?どうしましょう?……もう寝ている暇もないかもです………」
「「「「「なんだって!?(じゃと!?)」」」」」
「お前たち帝都に行く前日に……階層主と戦うじゃと?馬鹿なのか?」
「あっはっはっは……呆れた……ヒロが異常なのは分かってたけど、一緒に行動しているアユニ達も相当だよ?」
「ガルムにレイラ笑い事じゃねぇよ!なぁ……それより報酬どうなるんだよ?分配だけはして欲しいぜ?お前等いつ帰って来るんだよ?帝都から………」
レックの一言で全員が『ハッ!!』とする……
ギルマスも討伐戦に混ざってしまった為、問題ごとを放置できない様で、諦め口調で話し出す……
「レックの言う通りだな……急いで分配から始めよう。ギルドの会議室なら俺の権限で、今すぐに用意できるからな!」
「すまんなテカロン……問題児がいなければ、分配もすぐに終わるじゃろう……」
「構わんよガルム……複数名が関わっている以上、ギルド関係者として見ないふりもできん。ひとまずは、ギルド会議室へ行くぞ」
ガルムとテカロンはそう言うと、皆の同意を集めた……




