第820話「3階層・試練の間の主」
こんばんわーꉂ(≧∇≦)
3話目ですぞー!生きてたマナカ……ヾ(≧▽≦*)o
そしてこの後もオープニングのお話に大きく関わるお話が続きますよー!
僕は目の前に居る魔物を鑑定する……
『全てを喰らうイーブルブラウニー…………存在が不安定により現状での鑑定不可……詳細不明』
『ふ……不明!?……存在が不安定!?……今まで鑑定ではそんな事…出なかった………なんだこの魔物は!?』
僕はそう思い、目の前の魔物をよく観察をする。
『傷が……無い!?風っ子が飛ばしたのとは別固体か?……それとも………あっ!!……再生持ちか!?……3階層で!?なんて厄介な敵だ………』
先程風っ子の放った風魔法で負った怪我は、嘘の様に無くなっている。
予測でしか無いが、腕に負った傷はこの短時間で再生した様だ。
そしてどうやらこの空間の魔物は全般的に知識レベルが高く、人の言葉を普通に使いこなすだけの知恵を持っている様だ。
よく考えれば、ブラウニーと言う妖精は魔物は人の家に棲み手伝いをする……
だからこそ人族の言葉には馴染みもあるだろう。
どうしてこの様な環境になるまで増え続けたのか、僕にはその理由など分からない。
だが今は既にブラウニーではなくなってしまった……
人間と共生する間柄で無いのは確かだ。
風っ子は先程イーブルブラウニーは『人間から迫害』を受けたと言っていた。
だとしたら、この街が関係している恐れがある。
しかしそれとは別に、腑に落ちない事もある……
ここの主は、仲間を含めてなんでも喰らうから『全てを喰らう』イーブルブラウニーなのだろう……
だが主以外のイーブルブラウニーは仲間想いなのか、死んだ仲間は喰おうともしていない。
その違いに、かなり違和感がある……
食物連鎖で言えば捕食者が此処のヌシで、同族であるイーブルブラウニーでは無い方が望ましい。
イーブルブラウニーは延々と死んでは湧く餌の様な存在であると感じられるのだ。
その理由としては、先程此処の空間のヌシは同族であるイーブルブラウニー達を『我が飯』と言ったのだ……
そして現状でも感知を続けているが、先程減った敵が今では急激に増えているのがわかる。
その割にはこの部屋のヌシであるこの魔物を避けている節さえあり、一向に寄ってくる気配が無い。
主はイーブルブラウニーの特徴と一致して毛むくじゃらではある。
だが他の個体と比べて非常に頭が大きく、不釣り合い且つ不恰好なのも異様だ。
僕は存在が不安定と言う情報を基に、モノクルを取り出しその姿を確認した。
モノクルは幻影系の壁を看破出来る……ならば何か分かるかもしれないと思ったからだ。
すると目に見えたのは、イーブルブラウニーとは全く別の魔物だった……
「おい!そこの魔物……お前……イーブルブラウニーじゃ無いな!?」
「………クックック………我の幻影を見破るか?……面白い奴が来たな。少しは楽しめそうだ……グゲゲゲゲ……」
目の前の魔物は、黒い瘴気を身体から溢れさせ、本来のその姿を現した………
しかし全貌が黒い瘴気に覆われ、僕の位置からではその体躯を確認する事が出来なかった。
目を凝らした瞬間、その瘴気の一部が揺らぐのが見えた。
僕は第六感的なものなのか、心の底から『この位置はヤバイ!!』と思い、すぐに回避行動に移す……
『瞬歩!!』
『ガチン!!』
巨大なナニカが瘴気から飛び出てきて、僕が居た場所に噛み付く。
僕は間一髪回避行動が間に合い、事なきを得た……
僕が立っていた場所には、非常に醜い顔だけの化け物が浮いていた。
「グゲゲゲゲ……よく攻撃を躱せたな?人間の癖になかなか素早いじゃ無いか……」
僕は目の前の魔物の問いかけには答えず、すぐに鑑定をした。
『イーブル・フェイス……顔の半分が裂けた大口になっている、巨大な顔だけの化け物。飛頭蛮やチョンチョン、ペナンガランと言う亜種が存在するが、それらは人の頭くらいの大きさである。大喰らいで目につくものは何でも食らいつく。外見は非常に醜く、口からは悪臭を放ち吸い込むと毒状態になる。そして視線には強力な呪いを持つ《スキル名……疑心の視線》。呪い効果に晒された場合、直ちに同士討ちを始める。(ソロ冒険者には効果なし)』
先程は出来なかったが、運が良ければ鑑定が出来るかも……と思ったのだ。
結果的には鑑定は成功して、魔物の情報が手に入った。
だが困った事に、この魔物は冒険者殺しに特化した能力の魔物だ。
万が一にも初級冒険者達の所にこの魔物が到達していたら、それこそ大変な状態だった……
敵がフロアいっぱいにいる上に、呪い効果でお互い殺し合う地獄しか待っていなかったのだ。
しかし厄介なのは、呪い効果だけでは無い。
口から吐く悪臭のステータス異常の効果だ。
毒系は継続ダメージで、ジリジリと体力を削る。
流石の僕でも、長い間継続ダメージが続く毒塗れでは戦えない。
だが僕は特殊効果のある、巨大な目玉を得に警戒した。
飛んでいる魔物なだけに、僕を無視して避難中の仲間の元に行く可能性は捨て切れない。
そして同士討ちの特殊スキルなど使われたら、折角助けた命が失われる事になる。
特殊能力である視線の距離が一体どの位まで届くかは分からない。
その上、タリスマンでは呪い効果迄は絶対に防げない。
あくまでも、周囲に魔物を寄せいないだけなのだ。
相手がそれに気づく前に、このヌシを仕留める必要がある
だからこそ僕は、直ちに攻撃に移る……
ダメージはあくまでも全身に与える予定だが、気持ち眼玉への攻撃を多めの目標と定めて水魔法を射撃する。
『ウォーターバレット!!』
『穢れの障壁!!』
『ドス………ブシュゥゥ……ドスドス……ブシュゥゥ…………』
イーブルフェイスは水魔法の攻撃に対応するように、黒い靄を障壁として繰り出した。
その障壁で攻撃を防ぎ切ると、魔物は大きく裂けた口で『ニヤリ』と笑いながら、僕に言葉を発した。
「ゲッゲッゲ……まさか攻撃が防げないとでも思ったか?何度も見れば対処方法など、すぐに見るかるぞ?グゲゲゲゲ!!」
そう言ったイーブル・フェイスは既に攻撃を放っていた。
『シャドウ・バインド』
僕の影から無数の影の手が伸びてきて、僕を雁字搦めにする。
「く………くそ……ま……魔法!?………」
「馬鹿の一つ覚えの『噛み付き』だけとでも思ったか?残念だったな?その油断はお前が未熟だからだよ!毒に塗れて苦しませてやる……。そのあと俺の腹に収まって後悔しながら消化されろ!」
イーブルフェイスはそう言うと、大口を開けて状態異常の毒の息を僕へ吐きかける。
「くそ!!毒の……ゴホゴホ………」
僕に吐きかけられた毒は、何度も効果が重ねられる事で『猛毒』まで異常状態が移行する……
僕の簡易ステータスには『猛毒状態……-4HP』と表示されていて、凄い勢いでHPが減っていく。
「ゴホゴホ……何とか脱出して解毒しないと………ゴホゴホ………このままでは不味い……」
猛毒効果の継続ダメージは、想像より酷く苦しみは尋常ではなかった。
みるみるうちに僕は衰弱し、意識が朦朧とし始める……
そして、それを見たイーブルフェイスは、僕が弱る頃合いになって漸く噛みついて来た……
「やっぱり馬鹿の一つ覚えじゃ無いか!」
『ライト!!』
僕はつい相手を馬鹿にしつつ、影魔法を完全に消す唯一の方法である『光』を周囲に放つ。
生活魔法ではあるが、影魔法の根源は文字通り『影』だ。
これは特殊系魔法の対策法として、エルオリアスが仕込んでくれた知識だったが、今になって凄く役に立った。
エルオリアスは、僕との戦闘訓練時によく影魔法を使ったのだ。
そして彼は、その対処法をしっかりと訓練の終わりに教えてくれた。
それが今になって非常に役に立った。
僕はこの機を見逃さずに、最大ダメージ狙いで魔法を放った………




