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第756話「罠と裏切り」

こんばんわー2話目更新ですぞー_(:3 」∠)_


今回のお話は『ホリワカ』がメイン


最下層話も佳境でーす_:(´ཀ`」 ∠):


 僕は水槽と化した最下層で満足に動けないながらも、周りを見回す……


 顔周辺は水精霊が結界を張ってくれた為、空気もあり満足に見回すこともできる。


 

 全員同じ状況になっているので、尚更パニックに拍車がかかっている様だが、着ている装備の重量でそこに辿り着き既に危険な状況を脱した様だ。



 僕はこの状況で堀川がどうしているのか気になりその姿を探す……感知で探すとダンジョンコアの近くにその反応が変わらずある事がわかる。


 目を凝らして確認するが、堀川の顔の周りには水の結界がない……


 水精霊は流石に敵まで助ける様な真似はしていなかった。



 堀川にしてみればチャンスである筈だが、特別何もせず相変わらずその場に立って居るだけだった。



 周囲の水が邪魔をして周りに指示が届かない……水で満足に動けない今、トラボルタとアスマの身が危険なのだ。



 僕はそう思い水魔法を解除しようとするが、唐突に堀川の声が頭に響き始めた……



『くっくっく………面白い事をするもんだな。まさか『水槽』とは……。落ちても無事な上、水精霊で呼吸のサポートか。この世界で無駄に時間を過ごしてない証拠だな!!』



「な!?念話!?」



 堀川が急に念話を使うので僕は驚きが隠せず、そう声を発する。


 目の前のエクシアが水の中で剣を持つ仕草をするので、どうやら皆同じ様に念話が聞こえて居るのだろう。



『ちょうど良いじゃ無いか……お前達の用事はこの下の火焔窟にもあるんだろう?だったら俺が面倒を見てやろう……。此処のダンジョンコアの歪みを使ってダンジョンを繋げてやろう!!此処の土精霊のダンジョンコアは既に、そこの金級冒険者共に破壊されるのも時間の問題だしな!』



 堀川がそう言った直接、周囲の水が目の前の黒い心臓に吸収されていく。


 急に水がなくなった事で浮力がなくなり、軽装備の冒険者数人は体勢を崩しその場に倒れ込む……



「さぁ、準備は整ったぞ?おい、トラボルタにアスマと言ったな?歴代の英雄の力を手に入れたければ、奴等と同じ様にこれを喰うんだな!そうすれば今より強い力も得られるぞ?金級冒険者より遥かに上のな!」



 水が無くなった事で『声』を使ってそう話した堀川は、僕達が認識するより早くダンジョンコアの側に移動していた。


 そして手に持つナイフでダンジョンコアを切り裂き、2人に投げ渡す……



 エクシアとトラボルタそしてアスマの3人がかりで攻撃を加えていたダンジョンコアを、堀川は特殊な形状のナイフで最も簡単に切り裂いてみせる……



「くっくっく……。トラボルタ、お前は英雄と呼ばれるべく鍛錬を積んだんだろう?だが自分の限界を知ってしまった。『そこで打ち止め』だって事をな?」



「な!何だと!!このクソ野郎……俺はまだこの程度の実力で終わる冒険者じゃ無い!!化け物に成り下がったお前とは違う……今すぐ無駄口を叩くその首………叩き斬る!!」



「何とでも言うが良いさ、落ちこぼれが!……アスマ……お前は『仙術が使えない一族の出来損ない』のレッテルをどうにかしたくて、金級冒険者まで上り詰めたんだよな?『仙術』がまともに使えない『出来損ない』だから……」



「何だと!?俺は……俺は!!仙術を使い熟せるようになったんだ!苦しい特訓と、死戦を幾つも超えてな!!この化け物め……見せてやる!この俺の『仙術』で練り上げた拳の一撃を!」



「待て待て!早まるな……くっくっく……知らんのか?英雄の殆どはその力をソレから得たのだぞ?お前達の足元に転がっている『ソレ』を使えば、姿形は『人間のまま』力を得られるぞ?念願の力だ!!まぁ今決める必要などない大事にしまっておけよ?そこに居る、フレディと言う老ぼれに詳細を後で聞くがいい。ソイツはソレを使って『人』で居る術を見つけた初めての人間だ!!………くっくっく……」



「ならばお前はそれを知っていながら、何故人間を捨てた?嘘でしかない事などお見通しだ!」



 その言葉に堀川は『自分が人間である必要は無い』と言い、元の世界に帰る為には体細胞が持たないからだと説明をする……


 そして彼らに勧めた理由は、必要な力と情報を与える事で自分の協力者に引き入れる為だとも説明をした。



「それ以上貴方は余計な事をするな!!アンタは僕の大切な友人に危害を加えるだけじゃ飽き足らず、この世界でも問題を増やそうとしてる!」



 流石にソウマが怒りそう言う。


 共に危険を乗り越えた事で、ソウマにとって僕達は性別や年齢を超えた大切な友人になった様だ。



「マモン……お前はどうなんだ?そっちに付く理由は、お前が住む地……境界の封印の為だろう?何だったら暫くは俺がその役割に手を貸しても良いんだぞ?コレでも俺は、ヘカテーと同等の力を持っているんだからな……此処が破壊されてもお前達の世界には影響なんぞ無いだろう?」



 堀川はマモンにも揺さぶりをかけようとするが、ヘカテイアがいる以上マモンの答えは決まっている筈だ……



 そう思ったが、マモンから思いがけ無い返答が返ってくる……


 

「……………だとよ?……確かに異常だって思ってたさ。俺達と同じ匂いがするって思ってたんだからな?………それで……オメェはどうする?……ヘカテイア……」



「何言ってんのさ?マモン」



 マモンは黙って堀川の真横に立つ……



「……チィ!!……テメェ……本気かい?……何この場を掻き回そうと企んでるんだい!……辞めないとまじで殺すよ……。アタシの邪魔をしたら遠慮なく殺すって……言ったよね?」



「ヘカテイア、お前気がつかねぇのか?………状況は変わってるんだぜ?俺が自由を得た時点で大きくな?……」



「ふっふっふ………こうやって状況は変わっていくものですよ?お互い必要なものを補い合えば、目的の達成は容易いんです……。ヘカテイアさん、貴女の捜し物もこの私が付き合いましょう。なにせ……このクソみたいな世界とは悪縁で長いですから!何かは分かりませんが、すぐに探して差し上げる事ができますよ?」



 ヘカテイアが僕の方を見る……



 当然彼女の身体は僕が作ったホムンクルスなのだ。


 僕が命令を言えば、間違いなく辞めさせられる。



 しかし堀川は、既に決定打を決めていた様だ……



「まぁ……ヘカテイアさんには有無を言わさず、こっち側に来る方法が有りますから!なにせ……彼等はこれから火焔窟に『落ちます』からね!!別々になればもはや『命令』も届きませんよ?そのホムンクルスの身体には……」



「「「「何だと!?」」」」



 想像もしてなかった言葉が出てきた……


 何故なら、僕達が『火焔窟の第一層に落ちる』などとは想像が出来るはずもない。


 ゼフィランサスの情報では火焔窟のダンジョンの位置が真下とは言え、まさかそこへ強制的に向かわせる方法があったとは気がつく筈も無い。



 しかし先程既に天井から、上層階にいたメンバーが落ちてきたのだ……留意するべき事だったのは間違いがない。



「それでは土精霊のダンジョンの床と火焔窟の天井を繋げますか………マモンさんにヘカテイアさん、お手伝いをお願いしますね?なにせ距離があるのと、全員纏めて落としたいのでね!!此処は実験にもってこいのダンジョンですから破壊するには惜しいのですよ!」



 そう言ったあと、堀川は地面に手をつき魔法を詠唱すると、地面が真っ黒く変色していき底無し沼の様に足元から沈んでいく……


 ヘカテイアは手を貸さないが、マモンは僕達を一纏めに結界に包む……どうやら完全に寝返った様だ。



「テメェ!!マモン……一度ならず二度までも!!ぜってぇ許さないからな!世界中探し回ってでも、その首叩き斬る!!覚えてやがれ!!」



「くっくっく……エクシア……悪いな。口煩い口は………火焔窟まで黙っててもらおう……」



 マモンは憎たらしくそう言うと、魔法を使いエクシアの声を一時的に使えない様にした……


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