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第688話「ドワーフが明かす新たな世界」

更新でーす!


日が変わっちゃうwꉂ(≧∇≦)


「ハルナさんかミドリさんは、この周辺にあるゴブリン達が群れで向かっていきそうな場所って聞いた事はないですか?隠れる場所がある山とか炭鉱とかがある場所じゃないか……と思うんです。これ以上数が膨れ上がる前に如何にかしておかないと、トレンチの二の舞で危険が……」



 僕は、鉱石を掘る為に山に籠るドワーフ達が山に詳しいと思いそう聞く。


 トレンチのダンジョンならばスタンピード以外では魔物は出て来ないが、外で繁殖するなら話は別だ。



 トロルのいた場所で生態系が変わっていた……


 名前付きがいる場合、爆発的に増える可能性もあるのだ。



 真偽は定かではないが、あの名前付きが関わっている可能性は濃厚だ。



「実は今もミドリとその事を話してたんだけど、多分遠くまでは行かない筈だよ。ゴブリンには縄張り意識があるけど、そんな遠くまで支配圏を広げる魔物じゃないからね」



「ハルナが今言ったままだけど……万が一にも其奴がヒロの気にしている奴でダンジョンから『出れた』なら、そんな場所からは離れる筈なのよ。警戒心が強いゴブリンの親玉だったら尚更でしょう?」



 ミドリはユイナの用意した机の上のツマミを食べながら、ゴブリン自体は雑魚だが警戒心は強いと説明をする。


 ハルナも同じようにツマミを片手にエールを飲みんがら、同じように言うが別の事が気になる様だ。



「ゴブリンってさ部下共は親玉に比べると更にビビリだから、命令聞かずに我先にって逃げちゃう筈だよ?でも名前付きになるとダンジョンからも出られるんだなぁ……かなりな情報だよ?それって……ダンジョンで育った個体が外に出られたら特に危険でしょう?『ゴブリン』だけじゃ無く『オーク種』もって事だしさ……」



 それを聞いてエクシアはギョッとした顔をする……


 理由は簡単だ『名前持ち』の魔物を知っているのだろう。



 長く冒険をしている彼女は、色々な修羅場を潜っていて何度も死にかけたと話を聞いている。


 その辺りに生息している『見かけは同種の魔物』なのに、戦うと段違いでヤバいやつに出くわす話をしていた。

 

 鑑定のスキルでもあれば、名前持ちやユニーク個体だと分かるだろうが、そういかないのが『普通の冒険者』なのだ。



「ハルナの言う通りだよ……不味いね……アタイ名前付きオークの噂を聞いたことあるよ?確か帝国領にいる筈だ……冒険者が相当餌食になったって話だからね……」



 エクシアの言葉を呼び水に、ミドリは何かを思い出した様でエクシアの言葉を終わらせるように話し始める。



「ハルナそう言えばさ……エクシアの『オーク話』で思い出したけど、帝国領付近の山脈群に昔ゴブリンが集まっている場所があったよね?確か……この付近の地下の大空洞から、山脈鍾乳洞と洞窟を通じて向こうに行けた筈だったんじゃない?」



「ああ!確かドワーフ鉱夫達の大空洞地図にあったね……地底地図で書かれた部分の殆どには大抵ゴブリンが居るから…………」



「あ!そ……それじゃない?ヒロが気にしてた事……」



 全員が地上……特に鉱山の坑道や廃墟を想像していたが、もしかしたら名前付きのゴブリンが目指していた場所は、地下なのかも知れない。


 ドワーフの鉱山都市に行ったのは、ジェムズマインの鍾乳洞から他の場所に出る為で、その後エルレディアが見た様に鉱山内部のゴブリンを仲間にして引き連れて出て行ったのかも知れない。


 あのホブ・ゴブリン達は『ダンジョンを避ける道』を知っていた可能性が出てくる……


 そうなると、あのホブゴブリン達が『ダンジョン産まれ』だと言う状況が大きく変わる。



 しかし、これはあくまで僕の推測だ。



 それを皆に話すと、ハルナとミドリは『ドワーフ鉱夫地図』と表紙に書かれた分厚い本をマジックバッグから出す。



「これはドワーフ鉱夫達が書き記して来た『地下大空洞』の在処で、大元は『山脈の鍾乳洞』を記した物だったのさ。でもね鍾乳洞を探っている内に、大地の地下に巨大な洞窟を私達ドワーフは発見したのさ。私達が『地下世界』と呼んでいる場所だよ」




「今ミドリが説明したけど、地下世界は文字通り地上ではないの。だから当然光は届かないし、見通しが非常に悪く逃げ場もない。そして要注意なのが、光が嫌いな魔物やゴブリンの巣窟なんだよね……だから居るのはゴブリンだけでは無いの!」



「じゃあ多くのゴブリンは、そこに居るって事になるんですか?」



「まぁ大凡それで間違いはない。ハルナが言ったことに付け足すとすると、その大空洞は地上の各領地に通じて居るんだよ。問題はそこに入ったらドワーフ以外はまず間違いなく迷って出られない。そもそも地図がないからね……だからゴブリンがそこに逃げ込んでも人族は皆追いかけないって事さ!」



 エクシアがハルナの『ドワーフ鉱夫地図』と呼ばれる地下鍾乳洞地図を見ながら答える。



「ハルナにミドリ。って事は、アタイ達現地人が知らない『入り口』があるって事だよね?」



「正確に言うと『ある』では無くて『出来た』だと思うのよ……トンネルアントの通路が元で『その空洞は繋がる』事が最近わかったの。だとすれば地上への出入り口も当然増えるのよ……」



 ここにきてまたもや『トンネルアント』問題だった……


 蟻の巣は巨大になるだけじゃない様だ……


 周辺の状況次第で引っ越しもするそうで、その穴が元で繋がるそうだ。



 餌が無いのに、そこに居続ける訳もいかないのは当然だ……トンネルアントマイタケだけでは、間違いなく餌が足らないだろう。


 そんな事を考えていると、ハルナは本を閉じて僕へ渡してきた……


「ヒロ、折角だからこれを貴方にあげるわ。私達は貴方に何もお礼を出来てないし。私にはハルナの分があるし、私達より貴方の方が遥かに役に立てられるはずよ。新しい鉱夫達の新しい地図が手に入ったらまたあげるから」



 そう言って、ハルナとミドリはもう一冊同じ本を出す。


 僕は本を開き中を見ると、各領地の鉱石採集場所が細かく書かれていた。



「有難う御座います。これがあれば色々鍾乳洞の場所や洞窟や鉱山も分かるので助かります。これにダンジョンの在処を書き込んで自分用にします」



「それにしてもヒロって男爵の爵位持ってんだよね?なのに自分で討伐に出向くんだね……フィアフォックスのメンバーは、皆の癖が強いから不思議では無いけど……でも現男爵がメンバーなのは珍しいと思う。それだけでも加入したい人は多いんじゃ無い?」



「ハルナ……それもそうだけど……プラチナギルドなんて、入りたくてもそうそう入れないわよ?」



「ハルナにミドリ、アタイの自慢のギルドだけど『金級冒険者』がいるわけでも無いんだ。そこらに居る『銀級』より癖が強いやつの集まりなだけだよ……」



 エクシアがそう笑い飛ばすと、ミドリは……



「あのねエクシア……言い難いんだけど、料理人で何処でも成功できる様なこんな冒険者は普通パーティーには居ないし、ゴーレムを、ドワーフ戦士団にけしかける男爵冒険者も普通いないわよ?」



「ミドリが言わないから言うけど、あのアシュラムって何者よ?出会った瞬間『死んだ!』って私は思ったのよ?そしたらミミって娘の『お友達』とか言うし……ミミはファイアフォックスメンバーだって村長さんに言われて、どれだけ私達がホッとした事か……」



 そう言って3人で酒を煽っている……



「そういやぁヒロ……テントをトロルに貸してたよね。今日は持って無いんじゃないかい?街に帰るには遅いけど、建てたばかりのあの建物は、鑑定士達の臨時宿泊所でもう寝られないよ?」


 エクシアの一言でテントの事を思い出した……一応鑑定結果にはスキルとスクロールには鑑定結果に差がある、一時的だが問題は片付いたに等しい。


 悠長に話している時間が無くなってしまったので、僕は村長の家に向かう……


 今日宿泊のためのテント製作に追われる事になった……


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