第598話「波乱を呼ぶ薬と受付嬢の勘違い……何方も面倒だ」
おはよう\( ॑꒳ ॑ \三/ ॑꒳ ॑)/でおじゃる!
朝から更新行きますっぽ!
今回のお話!
量の合わない薬と、受付嬢の勘違い……そこから更に問題も!?」
この量の差異はポーションを作りながらの弊害だろう………作っても量などは毎回測らない。
効果は10ml以上ならば部位の完全再生効果が見込めるだけで、量が足らなかったら爪の先くらいが無い感じになるのか、再生そのものが失敗するのかも分からないのだ。
しかし気になったので、念の為に個別鑑定をしてみる。
前から使っている、全体をざっくりでは無く詳細をもっとよく調べる方法だ。
ちなみに詳細を調べられるが答えは得られない……経験で学ぶしか無いのだ。
『錬金術 無から何かを作り出す呪文形態の一つ。主に魔導士が使う。『魔導師が扱う品』は、『魔導士の作成レベル』に比べて品質が1つ下がる。レベル上昇時に、作成スピードが上がる・一次容量が増える・効果が増す・総期間の減少・個数増加・総合ステータスの上昇、耐性レベル増加、耐性効果延長・薬品効果の上昇・総容量の増加を永続的に得る』
要約するとこうだ……レベルが上がると作成スピードそして効果も量も上がる……使用者適性は魔導士である。
そして僕は作成中にレベルが2上がった……だとすればレベル差ごとに作成量が増える……ピッタリで無いのも当然だ。
魔法形態だけで無く、熟練度的な個別レベルだってある……そこでも量が増えるのだ。
「それは……中身には問題ないですね……」
そう言ってテカーリンにモノクルを渡しながら、彼にしか聞こえないくらいの声量で『アレのレベルが上がったんですよ』と簡潔に説明する。
「あ……ありがとう見てみよう……ゴホン……うむ!確かにそうだな!全て効果は同じだ……と言う事は『見つけた物にも微差がある』と言う事だな!すまんすまん!今まで量が同じだったからな!『考えてみれば』そうなるよな!!何から何まで全て同じ様に、量が均等なんておかしいもんな!!」
そう唐突に言い出すギルマスに、受付嬢は『何言ってんだコイツ』と言う目をする。
僕の錬金術を知っているのは管理者ではテカーリンにデーガンだけだ。
一般の受付嬢は知る由もない……
上手くテカーリンは誤魔化すしかないと思っているが、受付嬢達は既に違う答えを出していた。
その『考え』は間違ってはいたが、僕が作っていると言う『結論』は合っている。
ミオとメイフィそしてテカーリンと僕を見れば『おかしい事など一目瞭然』だ。
彼女達の考えは、僕が扱うのは『錬金術』ではなく『薬師のスキル』であり、更に薬師でも『かなり上級者』と考えていた。
薬師レベルが既に7か8もしくはカンストしている……と思って噂をしていた。
彼女達は今まで、薬師レベル5以上の冒険者証を持つ冒険者を見たことがないので、そう判断に至った。
主に薬師としてのスキルレベル5を超えると、指導者クラスに分類され表には出てこなくなり、彼女達の目に触れることは無くなるからだ。
ちなみに薬師は、自分で作った薬品を店におろす以上『薬師レベルの提示』が義務付けられている。
造れる品目やレベルがかなり違うからだが、詐欺を未然に防ぐためもある。
それを冒険者証に記載するのが彼女達、冒険者ギルドの受付嬢の役目でもある……
魔力がこもった文字で、専用の方法でしか見れない形式だ。
そして僕は、薬師の届出を出してはいない……でも僕が関わると何故か『怪しい薬』が出てくるのだから、奇怪な事この上ない。
宝箱からと言っては、『秘薬』と『万能薬』そして『変な箱詰めのポーションの山』その後は『部位特化の再生ポーション』……怪しいとしか言えない……と受付嬢達は話していた。
そう考えが至った経緯は、僕がある日突然に山の様な薬草採集依頼を出し『ポーション』をオマケで付けていたからだ。
当然、依頼を『優先的にやってもらうための餌』だったが、それにしたって『ポーション』を付けるのは異常である……それが傷薬だったなら、理解はできないが納得は出来た……素材採取は手間だからだ。
その後ギルド売店で薬類の瓶を買い漁り、ギルド会議に参加……
ギルド売店の売り子とすれば『以前、瓶と蓋を大量に買ったあの客……また瓶と蓋を全部買って行ったよ!それも次回の分全部取り置きだって!!でも薬師レベルがさ、冒険者証の何処を見ても無いんだよね……あれって確か男爵様だよね?……』と受付嬢達に話すのは当然だ。
ギルド売店とすれば怪しい薬を作る輩を事前に調査・報告する必要がある、だから受付へ報告をするのだが……本来そんな薬を作る輩は『ギルド売店では』瓶を買わないのだ。
だからこそ何故そんなに買うのか気になり、受付嬢の記載ミスを兼ねて確認と報告をするのだ。
しかし受付嬢は届出も何も『薬師ではない』と言うしかない……
薬師レベルの書き込み依頼や担当受付のヘルプさえない。
受付担当と受付補佐である、ミオやメイフィに聞いても『薬師の訳がない』と言うからだ。
だから今までは『瓶を何に?』だったが、今は薬草の採集依頼がある……結び付けないのがおかしいのだ。
それに、ギルド売店の薬棚の特定品目のみ枯渇する現状を、ギルマスは『放置』……怪しい事この上ないと思っていた。
そして今日の戦略会議のタイミングに合わせたかの様な、再生ポーションの話。
更に大量の薬草が集まって、依頼者への受け渡しが終わった『今日』に、何故か部位再生ポーションの『計測と詰め替え作業』だ。
しかしながらコレは全部偶然だが、それを知る術は彼女達にはない。
そしてギルマスとサブマスを伴って小部屋で『会議』……サブマスが小部屋から何故か持ってくるのは『部位再生のポーションの山』とくれば、勝手な答えが一人歩きし始めるのも致し方ない。
薬草を使う職種が『薬師』ならば、集めさせた僕は『かなり高レベル、もしくはマスターレベルの薬師』そう思っても無理はない。
冒険者証に書かない理由は『日々の面倒を避ける為』……と会議室で詰め替え作業と計測をしていた彼女達は、間違った答えを出して話をしていた。
その上少し前には『鉱山の魔物退治』に一役も二役も買っている……と彼女達は、間違った答えに新たな要素を付け足した。
その結果テカーリンの言葉を『今更……何言ってんだコイツ……という感じで話を聞く』に至った……
ちなみに答えは『錬金術師』だが、作っているのは僕であっている……
そしてその薬師も『今日手に入れた』ので、あながち間違ってはいない。
実は、薬師の最大レベルで作れる品目には『部位特化ポーション(再生2腕2脚限定)』『万能薬』で、各品目のスキルレベルをカンストした後には『中級薬師』『上級薬師』と続き、最終的には『調合師』になる。
部位特化ポーション(再生2腕2脚)とは、両腕が無くても同時に両方の再生が可能と言う事で、脚も然りだ。
しかし今の僕はこのことを知らない……調べてもその結果が出ないからだ。
「申し訳ないな!引き止めて!ヒロ男爵様ちなみに今『開封部屋』に入ろうとして居なかったか?」
「はい?そうですけど?」
テカーリンとデーガンが顔を見合わせる。
「いやいやいや!………そうですけど?じゃないでしょう!!」
デーガンが慌て出す。
「鍵!罠!!何を言っているんですか?何かがあっても良い『開封部屋』ですが、鍵開け師の依頼は?」
デーガンの言葉でざわつく受付達……上級の鍵開け師は前もって依頼せねばならないのだ。
「え?開けられますよ?鍵ありますし?」
テカーリンは割と手に入りやすい鍵を思い出し、『Bランクの宝箱』かと思いこむ。
「転送系の罠の箱2箱を王都近辺のダンジョンで手に入れて眠らせてたんですよ!だからそれを開けないと!そういえば箱のランク……見てなかったかな?忘れました……ああ!思い出した!Sランク箱だ!S+だったら最高だったんですけどね……」
僕がそういうと吹き出す面々……
薬品計測と仕分けを手伝って居た受付嬢のオレンジが、流石にアカンと思って僕とギルマスの間の会話に言葉を挟んだ……




