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第488話「水鏡村で情報収集」

更新でーす\( ॑꒳ ॑ \三/ ॑꒳ ॑)/


いつも読んで頂き有難うございます!


水鏡村で情報収集を開始……村の問題点があればそれを改善するつもりですが……何やらありそうな予感が……ミミさんや……頼みますぜ?


「食堂のおっちゃーん!ちょっとばかり帰ったよー!今から知り合いが沢山来るけど村の村長は元気かな?」


「ミミ?ミミじゃないか!!おおおお!噂は聞いているぞ!前に冒険者が来たんだ!お前は凄い奴だって!!」


「何だどうした?おお?ミミだ!水鏡村のハミだし娘じゃないか!!ってお前さん……本当にミミか?……おおお!!見違えたな??今日帰ってきたのか?オイ!誰か!!おばば様呼んでこい」



 ミミが要らぬ言葉で彼女達の闘争心を煽ったのだが、当の本人はそそくさと村に向かった。



 僕は二人を宥めつつ村に向かう……しかしそこでも問題が起きていた……問題児は何処でも注目を浴びるのだろう。

 

「ミミさん、先に行くなら言ってくださいよ!」



 ミミにはあらかじめ僕が『新領主』である事を黙ってもらう事になっている。


 破った場合は『破門』にすると脅したが、実は『弟子』に取った覚えもない。


 だが、彼女を黙らせておくにはそれが丁度いい言葉だった。


「ヒロさん!すいません実は食堂のおっちゃんには村を出る時借金したんです……今利子つけて返しました!!」


「はじめまして!ヒロさんと言うのですか?ミミが世話になってます!まさか貸した金が戻って来るとは思いませんでしたよ!あの時は『頑張れよ』って言う餞別のつもりだったんですけどね?それも、冒険者に噂の『傷薬と軟膏』まで貰えるとは!!なんか感動して泣きそうですよ!」


 食堂のおっちゃんと呼ばれた人は、見た感じは頭の毛も無く筋肉質な感じなので見掛けが怖いが、話すと凄く良い人そうだった。




「それはそうと!ミミ!お前……本当に『水輝石』を光らせられるのか?冒険者が祭りの話をしてたんだ!」


「水輝石?出来るよ?おっちゃん!見て見て!!』



 ミミが近くにあった石の塊に手を当てると、下級水精霊が現れてミミの肩に乗ろうとする。


 そしてちょこちょこ踊ると水輝石が光だす……



「うぉぉぉぉ!!ウチの水輝石が祝福された!!ミミ!ミミ!!ありがとう!!おっちゃん嬉しいぞ!!今飯用意するからちょっと待ってろ!お兄さんも食ってってくれよ!!」



「いやいや!申し訳ないですから!それに人数が多いので………でも食事はしたいのでお金払うから、ご当地の大人気メニューをお願いできますか?」



「辺鄙な村までわざわざミミと来てくれたんだ!仲間達が一緒にここまで来てくれたなら、ミミが迷惑かけている詫びと、仲間に加えてくれたお礼だから!気にすんな!」



「いや……本当に!!外見た方がいいですよ?一度……この食堂椅子全部埋まりますから!!」



「は?ははははは!!ミミ譲りか?お兄さん冗談が上手い!この食堂は村一番の大食堂なんだぞ?30席が埋まるなんてそんな筈ないだろう?……後ろのお客さんはおまかせで………うげぇぇぇぇ!マジで居る!!」



「はははは!おっちゃんのう『げぇぇぇ』久々に聞いたよ!!ミミは凄く懐かしいです!!」



 ミミは久々にあった故郷の住民との会話に満足げだ。


 しかし、どんどんと客が入り注文を取っていく食堂の女将は、急な売り上げ増加に大喜びで『アンタ!口の他に手を動かしな!お客さん待たせんじゃないよ!』と言う。


 それを聞いた食堂の主人は……



「す!すまねぇ!ここまで大所帯って思わなかった!!流石に全員分はキツイな!店が潰れちまう!大きな事言っといてすまねぇ!がははははは!!ってか……ミミ何でそんなギルドに入れたんだ??水輝石だって、光らせるのに『水魔法』を最低限覚える必要があるんだぞ?」



「ミミは水魔法使える様になりましたよ?ホラ!」



『ウォーター』


『ジョバババババババ………』



 ミミはウォーターを唱えるが、それは生活魔法で水魔法と言われると微妙な位置付けじゃないか?と思ったら、店の主人も同じ意見の様で……『おおお!生活魔法より遥かに水量が多いな!だがそれは水魔法と言えるのか?』と言っていた。




「そう言えばミミは何が唱えられる様になったの?」



「ウォーター・スフィアと、ウォーター・アーマーにウォーター・シールドに………えっと……あ!!ヒロ師匠の使うウォーター・バレットも出せるようになりました!見て学べ!って事だと思い頑張って瞬きせずに見ました!!」



 どうやら僕とは違う感じに『支援系』を覚えている様だ……ちょっと羨ましい。


 僕も勉強しないと!と思うくらいだ。



「師匠……ミミの師匠様だったんですか?その若さで?まさか向こうの『エルフ様』と同じ一族ですか?」



「違いますよ?これでも人間です……たまたま同じ水系で『バタン!!ミミが帰ったとは本当か?何故すぐにワタシに会いに来ないんじゃ!?マッタク!!』………」



 店主は調理しながら僕達と話しているが、急に入ってきた『お婆さん』は、『何処じゃ?ミミは何処じゃ?』と店内を探し歩いていた。


 ミミはと言えば、前掛をつけて女将さんと主人が作ったご飯をどんどん配膳していた。


 どう見てもミミはお婆さんが苦手なのだろう……お婆さんが右に行くと左に行き、左に行くと右に行く………


 笑ってはいけないが、ついつい笑いが込み上げる。



「ミミさん!コントじゃないんですから!探してますよ?お婆さんが!聞こえているでしょう?」


 僕は意地悪くお婆さんに聞こえる様に言うと……


 お婆さんは配膳している娘を見て……


「ミミ!!お前は相変わらずだねぇ!マッタクすぐに呼ばれて返事しないから怒られるんじゃないか!マッタク!!怒るために来たんじゃないってのに……何で怒らせるんだい?マッタク!!ムムーラ(ミミの父親)とメーメー(ミミの母親)には帰宅報告は済んだのかい?済んでないなら早く行っておやり!マッタク!!」


 お婆さんは僕を見て『フン……坊や迷惑かけたねぇ!!』と言うと食堂を出て行く……


 これではミミが苦手なのもよくわかる気がする。


「リーダー!ヒロ様!!ちょっと実家に行ってきます!!」


「ハイヨ!ゆっくりしてきな!」


「いってらっしゃい!なんかミミの気持ちが今よく分かったよ!」



 ミミは『へへへへー』と笑って家に向かっていった。



「ご主人聞いてもいいですか?村長は今日村に居ますか?」


「村長?村長は今来たオババ様の旦那が村長だぞ?」



「ああ……マジっすか!……じゃあ話に行かないと……そう言えばこの村の問題って今何かあります?薔薇村にはそれなりに問題があったんですけど?ホラヤクタ男爵絡みの領地にある村じゃないですか?」



「問題?あるもあるさ!今村は二分されてるんだ!ミミを応援するグループと、代々『神託の巫女と神舞の巫女』を独占してた一族が居るんだがな!それの絡みのグループでな!俺たちは当然ミミ一択だぜ?あの子は、本当に出来が悪いのに頑張ってたんだ!出来が悪い子ほど可愛いだろう?」



「いや……僕の歳はミミさんとほぼ変わらないですから!子供いませんし!」



「そうなのか!なんか両隣とも奥さんかと思ったよ!って事は……実は今モテモテだな!?じゃあ3人で仲良く食べれる様に量を多めにしとくぜ!うちも嫁さん二人いるけどな、嫁の言う事にはコツはお互いを大切にする事らしいぞ?そうすると俺みたいに笑って毎日過ごせるからな!じゃないと家に帰りたくなくなっちまう!!」


 何を見たのか、それとも感じたのか……店主は『ハイヨ、飯お待ち!』と言って、僕達3人の前に種類の違う食事を出す。


 野菜炒めの様な物に川魚を使った料理に、肉料理だった。



「「!!」」


「ミオさん!此方美味しいから食べて、ヒロさんのもお皿に置いとくわね?あ!ミオさん講習会よろしくね?ちゃんとダンジョンでは守って命に変えても街まで返すから!安心して!これでも回復師だからね!」



「シャインさん!こっちも美味しいからぜひ食べてみて、私もヒロさんの分も置いとくわ!シャインさん講習会は任せておいて!でも、ちゃんと生きて帰ってきてね!ヒロさんを悲しませるのは絶対にダメよ!!」



 後ろで亭主のサポートをしている女将さん二人は意味深に笑っている。


 片方は女将さんで片方は店の手伝いかと思ったが、どうやら二人とも本当に奥さんの様だ。


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