第483話「薔薇村での夜」
ふぇぇぇぇ┗=͟͟͞͞( ˙∀˙)=͟͟͞͞┛┗=͟͟͞͞( ˙∀˙)=͟͟͞͞┛でけた!3話目なのか1話目なのか……
ひとまず23:59分として(ヾノ・ω・`)ムリムリ
色々やることもあり書くの大変なのですっぽ!
今回のお話は薔薇村の夜の会話からスタート!
「なんじゃと!!」
「マジか!?」
「故郷に何てことしやがる!!」
「犯人見つけてダンジョンに放り込んでやろうぜ!!」
アルベイとラバルにドーイとトンバは次々に憤慨する……
それもそうだろう……自分の育った国に『ダンジョン』を作られたら、それこそ怒って当然だ。
ダンジョンが深化すれば手に負えなくなる。
そうなれば大切な誰かが死ぬ事につながり、最終的には国が滅ぶ。
「アルベイ達の気持ちもわかるけど、ヒロさんの意見では今はジェムズマインにある鉱山を優先するべきだと……」
「うむ……そうじゃな!あそこには名前持ちが逃げ込んだと言う証言がある。早くどうにかせんと『ゴブリンキング』でもなったら大変じゃ!!じゃが……このまま黙ってられる訳もないぞ!!」
「アルベイさん怒り心頭なのは良くわかりますが、ダンジョンは何があるかわかりません。人工のダンジョンならば尚更ですよ?もし手に負えない何かが『迷宮の主』だった場合もう逃げようが無いし、仲間を失うんです。十分過ぎる用意をしてからじゃないと駄目ですから!」
「く!お主の言葉は重いな!!装備の修復とポーション、探索用の食料……確かにすぐに用意するには手間だからな!いいかヒロ!?お主が用意できても勝手に単独先行するんじゃないぞ?儂等も連れて行くんじゃ!いいな!?馬鹿野郎共に後悔を植え付けにゃやって居れんわ!!」
「大丈夫ですよ!少なくともミミさんが育った『水鏡村』の視察をして、経済的に立て直さないといけない役割もあるんです!ダンジョン踏破と破壊も大切ですが、此処に住む人達の暮らしが最優先ですから!!」
アルベイはかなり怒っていたが、何とか鉱山のホブゴブリン戦に専念して貰う事が出来た様だ。
「ちょっと夕食終わったので席外しますけど?大丈夫ですか?」
「お前!何処行く気だ?あれだけ探させといて今度は何処に行くつもりだ?」
僕は木材置き場に行くと、魔力で木材を包む。
これはギルドでウッカリ土魔法を唱えた時に覚えた手段だ。
何がどう役に立つかなど分からないもので、あの時土魔法で失敗してなければ今ごろ別の手段を考えなければならなかった。
僕は魔力容器の中の木材の表皮を剥いてから乾燥させる。
その後縦回転の鋸刃を魔力で生成してから正方形の木材を作り、それをさらに裁断して板を作る。
その後『ユニークアイテム』の転換の糸車と同じ形状を作る。
しかし通常の糸車と違う点は、人力ではなく風力で回る仕組みを組み入れている部分だ。
それを組み立ててから、風精霊に適度に風を送って貰うとクルクル回り始める。
「ナニコレ?これで私達は感謝されるの?」
「まぁ見ててよ!ひとまずこの横の綿入に摘んできたワタを詰めてから……よしあ、完成です!風っ子悪いけど皆の前にコレを持っていくから、そこでまた風を送ってくれる?」
「うーん……よく分からないけど……やってみるよ!」
僕は飯を食っている皆の前にその糸車を持っていき、風を送って貰う。
『グルグル……キリキリキリ………クルクルクル………キリキリキリ』
風を送る度に糸がどんどん紡がれる。
村での夕飯はユイナが準備をして村人全員で食事になったが、食べ終わった『村民』は自動で動く糸車に興味を持ったのか、遠巻きから見ている。
僕は見学中の村民の中から布が織れるが作れる人がいないかを探して、作ったばかりの糸を見せ布が織れるかの質問をする……
「蜘蛛の糸ともキャリオンクローラーの糸とも違う上質な糸ですね?これで布を織り服等が作れるかを知りたいのですよね?可能ですが量がないと作れませんよ?それにここまで糸が上質だと、貴族くらいしか買えないと思うのですが?」
「何ですと!貴族が欲しがる糸とはなんですか!!」
夜飯に集中していたマッコリーニだったが、その会話を聞きつけてご飯そっちのけで駆け寄り糸玉を見る。
「この糸玉のままでいいです!!私が販売先を見つけましょう!加工する者など朝飯前です!!」
マッコリーニに遅れる事僅かで、フラッペが到着するが彼女の方が僕の真意を汲み取っていた。
「分かってませんわね!マッコリーニさん?ヒロさんはこの糸玉の加工を含めてこの村でやりたいんですよ!そうすれば安定した村人の『仕事』が手に入りますからね?そうで御座いますよね?この村への機織りの移住者を探しましょう!このフラッペが!!」
「流石フラッペさんですね!説明する間もなく言い当てましたね?マッコリーニさんそう言う事なのです。このワタの種子はいずれ方々へ持っていかれるでしょう……ですが『今の時点』では、この村が『利益』に囚われず『安定した仕事』に目を向けられれば確実な雇用に繋がるんです!」
僕はそういってから村長を手招きする。
「この糸が綿花から取ったワタをこよって作った『糸』になります。素人の僕が作った糸車なのでこんな状態ですが、作り手の皆が極めればもっと良い糸が取れます。そして全面的に風精霊がお手伝いするから、この村では『自動化』させた糸製造ができます。その代わりではないですが、風の精霊と森の精霊を敬ってください」
「か!か!風精霊に森精霊さまが!?ヒロ男爵様!!この村に新しい仕事を増やして頂き本当に有難うございます!!それも……風精霊様と森精霊様まで……この村のために!!ワシはもう死んでも本望です!!」
『グルグル……キリキリキリ………クルクルクル………キリキリキリ』
『カタカタカタ……キリキリキリ………クルクルクル………キリキリキリ』
僕が話している最中も、下級風精霊の遊び道具になった風力糸車は勢い良く糸を紡ぐ。
「マッコリーニさん見ての通り『此処でしか』コレは再現できませんので、他の街では全部『手動』になりますから!」
「もう……自分の目が信じられません!!風の精霊様が!!目の前に?この村は風の精霊様が住む村なのですね!!このマッコリーニ……不覚です!!」
マッコリーニにはちゃんと真意を伝えておく。
マッコリーニに任せて稼ぎが増えるのは嬉しいが、全てを何処かの悪辣貴族に横取りされればその後はこの村は食い物にされるだけだ。
僕は全面戦争をしても、それは防ぐが村にとって良い事ではない。
すると突然『念話』で語りかけるお馬鹿がいた……対象は村にいる人間全員だ。
『ウォッホン!!良いか?人の子よ!私は風の中級精霊です!貴方達の事はずっと見ていましたよ?今回は『ヒロの願いを聞くために』貴方達に助力します!良いですか?助けるのは『風の精霊』であって『水の精霊』ではありませんからね?そこをよく覚えておく様に!』
「おおお!風の精霊様の声が!!頭に!!」
「いらっしゃるのか!コレは魔法で回っているのじゃなく『風精霊様』が回しておられるのか!!」
「この村に……精霊様が!!」
村人がビックリした事をそにまま口に出しながら、その言葉には『感謝』が込められていた。
しかし言葉がまとまっていないので村長が、それを纏める。
「皆の衆!この村に『風の精霊様』がお越しになられた!これから我々を救ってくださる精霊様じゃ!皆心を込めてお向かいする様に!そして心からの感謝の気持ちを!私の言葉を全員で復唱する様に!」
「風の精霊様!!有難う御座います!!」
「「「風の精霊様!!有難う御座います!!」」」
わざわざ風っ子は自分達を強調して説明したが、この後感謝するのは『森の精霊』も入るのだ……そもそもワタの種子は森精霊からの贈り物だ……
だが今回の件は僕がお願いしたわけではないから、しっかり伝えておいてあげよう!




