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第457話「感涙……イスクーバの報酬とイーザの謝罪の品」

おはよう御座います!


朝の回1話目です( 'ω' )و✧グッ


今回は宝箱から出た品の分配話!


イスクーバは意味深なものを貰い!


イーザは罪滅ぼしを……ꉂ(≧∇≦)これが今後の話にどう関わるか……




「ど!どう言う事だ?イーザが?」


 

「ギルマス!ヒロの言葉聞いてなかったのかい?『そんな事』やってたら終わらないから!!」



 エクシアの物欲は止まる事を知らず、僕が机の上に用意していく側からどれがいいか物色をする……当然モノクルを僕から奪ってだ。


 一応中身を見ないのはマナーだろうが、全員エクシアがそれをしても文句は言わないだろう。



「アタシこれー!!シャイン!これ祝福してー!」


「いやエクシアさん!シャインさんも一箱あるんで!エルフの皆さんと、ユイさんにモアさんにスゥさんも選んで下さいね?エクシアさんを待つ暇はないですから!」



「私は平気ですよ?テイラー兄さん、箱を代わりに選んでくれる?私は祝福組で仕事するから!」



「うむ……それが良さそうだな!というか……シャイン一人で一箱なのか?本当にヒロと冒険するのは常識が通用しないな?」



 ぶー垂れるエクシアを放って置けないので、箱の決定をテイラーに任せて自分は祝福する側に回るシャイン……



 僕はテイラーに偶然だ……と言う事は忘れない……


 周りの冒険者の『一緒に冒険を!!』と言う熱意が、半端なく伝わって来るからだ。



 結局エクシアの一番乗りの後は、イーザとテイラーとエルフ3組、ユイ・モア・スゥのグループが選択するまで進まなかったので、僕が独断と偏見で勝手に配布する事にした。



 周りは寧ろ、それが貰うには望ましいと思った様で礼を言われた。



 それからファイアフォックスのメンバーが選択して、僕が最後の残り物を貰っておしまいになった。



「ヒロは俺たち組だろ?一番最初に選んでくれよ?」



 ソウマのそのセリフにエクシアが、



「それじゃお前達7人じゃないか!配分数が減るからヒロはこっちでいいぞ?」



 しかし僕は、言うべき言葉を用意してある。



「いやいや……僕は功労賞とか意味分からないヤツで丸々一箱貰ってますよ?寧ろ僕の箱の配分で貰う人を考えないと!」



「じゃあ、アタイ達は5人でいいや……面倒臭そうだしね!」


「僕らもそうします!じゃあタバサ!君から選びな!」



 僕は結局箱一つを独占する羽目になる。


 一人寂しく箱に手をかけて開封して中身を確かめる。


◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇


金塊 20kg

金貨袋(220枚)

獅子柄のロングソード

深層心理の羅針盤

的外れのペンデュラム

初級ポーション 2

氷結のグローブ

炎の矢(矢筒入り50本)


◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇



 開けた瞬間エクシアだけすっ飛んでくる。


「なんか………どデカい金塊があるんだけど?……金って感じの箱だな?それに武器とか殆ど無いし、小物が多めじゃないか?でも獅子の彫刻された柄がかっこいいな、その剣は!騎士団ってイメージが強いじゃないか!お前には縁がないけどな?」



 僕はエクシアの言葉でイスクーバの事を思い出した……



 誘ったわけではなく勝手についてきたが、一生懸命戦ったのに先程から何も貰っていないのだ……



「イスクーバさん、この『獅子柄のロングソード』騎士団的なイメージが強いってエクシアさんも言っていたので、ぜひ貰ってください。今回色々頑張ってくれたのに収穫無いのがイスクーバさんだけなので……」



「いえいえ!私はあの屋敷に住まわせて頂いている家族の御礼もあるのです!ヒロ男爵様に付き添い、命を御守りするのは当然で御座います!義父からも厳命されてるのです!」



 イスクーバは意外と堅物の様だ……しかしそばに居るのはあのエクシアだ。


 相手の気持ちなんか正直どうでも良い……と無茶をする人なのだから……こうなるのは目に見えていた……



「いいから貰っとけ!守るのに適当な量産品の剣使ってんじゃねーよ!折れたら守れねーぞ?」



 そう言って箱から『むんず』と掴んで放り投げる。


 イスクーバは慌てて抱き込む様に受け取る……お互い無茶をする……怪我でもしたらどうするのだろうか……



 しかしイスクーバは気にも留めず話を続ける。



「!!たしかに……ダンジョン産出武器はどれも性能が良いと聞いております……ですがコレは流石に私には過ぎたものでは……」



「あのな?既にヒロはそれより良い武器を持っているから、お前さんに『どうだろう?』って言っとるんだよ!エルフ仕込みのロングソードにダンジョン産出のショートソード、ウィンディア伯爵家のエンブレム入り短剣、それだけ持っているんだ。意味が分かるかい?そいつは無用の長物であって、有効活用できる奴がそばに居るなら渡した方が得だろう?」



 イスクーバは剣をマジマジと見る。


 エクシアはモノクルを僕から借りてそれをよく鑑定する。

 

 


◆◇ ◆◇ ◆◇ ◆◇ ◆◇ ◆◇ ◆◇ ◆◇ ◆◇


・獅子柄のロングソード


 (マジックウェポン) (レア度・⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎)


 刃厚1.8cm ブレード83cm 全長118cm


 攻撃力110 (耐久160/160)(鍛造度220)


 鍛造時に特殊な叩き方をすることで、

通常とは違う硬度を持った剣。


 柄の部分に幻影獅子の部位を使った武

器で、魔力を通す事で刀身を隠すことが出

来る。


 『特殊技』幻影刀身(MP10)

 

◆◇ ◆◇ ◆◇ ◆◇ ◆◇ ◆◇ ◆◇ ◆◇ ◆◇



「特殊技付きの武器だな。自分で見てみな!」



 イスクーバにモノクルを渡すと、彼はそれをみて震え出す。



「こ!こんな武器貰えません!マジックウェポンじゃないですか!!騎士団長でも持てるかわからない武器ですよ!?」



「僕がいない間は領内の安定を図って貰わないとならないんです!だから持ってて下さい。ちなみにその性能より上の武器が『エルフ国』の武器ですから……それにそもそも僕は剣は苦手ですし……魔法ばかり使ってるから……」



 この話は嘘ではない……僕が旅に出たら彼に活躍して貰わないとならない。



 イスクーバはその剣を大切そうに抱えていたが、エクシアに『武器なんだから武器らしく扱えよ?飾りじゃないからな?』と言われてヘコヘコしていた。


 僕達がそんな事をやっていたら、他の場所でも押し問答になっていた。



「イーザちゃん!流石にそれは貰えない!」


「そうだぜ?俺たちはイーザちゃんに言われて鉱山に行ったんじゃないって何度言えばわかるんだよ!」


「腕だって脚だって、ギルマスの計らいで1天待てば元通りになるんだよ!みてくれよ、色も変わってきてスライム感が減ってきただろ?」


 イーザも頑として譲らずに、宝箱の中にあるアイテムを渡している。


 簡易鑑定すると銘付きの武器や防具マジックバッグや短剣の様だ。


 箱はかなり当たりだった様でロングソードにショートソード、グローブ、ミスリルの短剣など、銅級冒険者には価値が高い物ばかりだ。


 周りは羨ましそうな目で見ている。



「イーザさん頑張ってスケルトンとかゾンビ斬り伏せてたんですよ!それで宝箱多く出たんです。彼女が強い武器を持っていれば、また戦って今度は『死ぬかも』しれませんよ?」



 僕はボソっとそう言うと、『それは絶対にダメだ!』と言いながら彼等は頭を下げて受け取っていた。


 宝箱の中には『金貨袋』も入っていて、彼女は当面の生活費として渡していた。



 僕は彼等が生活費と言って受け取ると『酒でも飲むか』……と言うかと思ったが、予想に反した行動を取った。


 彼等はかなり大切そうに懐にしまい……



「俺この金は御守りにするぜ!」


「だな!験担ぎにしては良い物だぜ!コレは!」


「次は怪我もしないで帰って来れそうだ!!」


「俺はコレを貯めてイーザちゃんとの結婚資金にするぜ!」


「「「「させるか!阿呆が!!」」」」



 若干喧嘩っぽくなったが、なかなか気持ちのいい冒険者達だった。



 それに僕は、なかなか根性が座った冒険者だと思った……


 怪我で碌な依頼がこなせないのに、腐ることもなく彼等は雑務をこなして、少ない給金で毎日を凌いでいるのだから……


 金貨数十枚も貰えば『今日くらい多少は……』となると思うが、彼等はそうしない時点でまともな冒険者だ。

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