第317話「意外と照れ屋なアラーネアと彼女に起きた災難」
17時の更新でおじゃーる_(:3 」∠)_
昨日はお給仕のエンドレスでヘドバンしすぎて首が痛いです……
小説はと言いますと……
アラーネアが語る内容には、異世界組に関わる事がチラホラ……それに一人苦悩する……
王への謁見は間近に迫りどうする?
わい……どうする!?どう書こう:(;゛゜'ω゜'):ぶは…出来る限り面白くするために……
中に入らず恐る恐る覗き混むと、隠し部屋の中にはまたもや宝箱がある。
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迷宮宝物『呪われた強欲なる王からの褒賞』
(ランク:A) (罠:仕掛け矢、アラーム」
入手方法
・隠し部屋から取得。
※箱にはランクがある。
ランクが上がる程、良品が詰まっている。
箱には罠がかかっている場合がある。
ランクが上がると箱内部は複合罠になる。
解錠方及び罠の解除方は箱ごとに異なる。
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簡易鑑定の結果、これも前の隠し部屋の箱と同じ種類のようだ。
ダンジョンに隠し部屋がある場合、同じ様な箱名称なのであろう……
ちなみに『呪われた強欲なる王』が……もの凄く気になる。
名前からして物欲が凄そうだが、この場合絶対に『触るな危険』である物に違いない。
呪われている王様だけに何をしでかしてくれるかわからない……
「いいか!この様な閉ざされた空間にある箱は、大概は良品が詰まっている。宝箱の中身が既に誰かに持ち去られて、無い場合も有る……箱自体が持ち帰られた場合は『新しい箱』が用意されていると聞いた事があるが事実かは分からん!」
僕の横で兵士がそう言うと、アラーネアがもっと詳しい情報をくれた。
「そもそも、このダンジョンには同じ所に隠し部屋はないぞ?基本的には同じ様な作りなのはメインだけで、『隠し部屋』は常に新しい場所に『移動』するのじゃ!!妾が先程、空間感知が便利と言ったのはそういう事じゃ!」
「ダンジョンの主人が『めんどくさがり』だと大概『形成』した構造のままらしいがな……そもそもダンジョンの階層は、人がいる間は『組み替え』出来んのじゃ……」
なんでそんなダンジョンの『仕組み』まで知っているのか気になった僕は、アラーネアに質問する。
「アラーネアさんって……まさかここのダンジョンを管理する『魔物』なんですか?……やたら詳しいですよね?……人がいる間に『組み替え』できないって言葉が既にそれを物語っていると言うか…」
僕がそう聞くと、少し悲しそうな顔をして……話してくれた。
「今は妾の母が此処の管理者じゃ……まぁ既に人ではないがな。妾の時と違い、唯一自我があるのが助かっておる。我がさっき言っておった『マジックアイテム』は古代エルフ製品の『魂の器』というアイテムの事でな……」
「妾がこのダンジョンの管理者であった頃、母が妾の事を案じて『魂の器』を使いこのダンジョンから解放してくれたのじゃ……」
「魔物になってから分かったんじゃが……ダンジョンの核と一度でも一緒になるとな……身体を秘薬で再生させても魂の形を歪められ次第に魔物化するのじゃ。『ダンジョンの穢れ』を心に絶え間なく流されるのだ……魔物になって当然じゃろう……」
「まぁそもそも妾の場合は、ダンジョンの核になった時点で人ではないのだろうがな……『存在を固定』された者でもおらん限り、土台無理な話じゃ!そもそもそんな者何処におる?」
「人は死んだ後は、新たな体と役目を与えられる……それがこの世界の『決まり』じゃ!存在を固定された者なんぞ……その者はもはや人ではなく『神や悪魔』だろうて!」
「話が横道に逸れたな。まぁ……そんな理由から、妾は母の魂をダンジョンコアから切り離す為に必要なのじゃ……『魂の器と秘薬』がな……」
「秘薬なんぞは既に山程持っているが……魂の器が一向に手に入らんのじゃ……。だが既にエルフの王国は分裂してしもうてな………それの作り手がいないのじゃ……じゃから妾は可能性を求めてダンジョンに籠り、下層階の魔物を倒しては宝を漁っておるのじゃ」
僕は他にも質問したい事があったのだが、こんな重い話になるとは思っても居なかったので、これ以上聞く事ができなかった。
その上今の話から、僕達『流れ』にも関わる事と思われる単語が出てきた……聴きたい事は自分自身の事であるのだが、心に受けたダメージが酷すぎる……そして僕は茫然自失な表情をしていた様だ。
そんな顔を見てだろうか……アラーネアは……
「まぁ其方は急いでおるからな!階層主を倒したらゆっくり話もできんだろうから、ある意味話すには良い頃合いだったじゃろうて!まぁ……この話の続きは、今度ゆっくり茶でも飲みながら話そうでは無いか!たまには遊びに来るがいい!歓迎するからな!」
アラーネアは自分の身の上で僕が辛い表情をしていると勘違いした様だ。
確かに初めはそうであった……自分がアラーネアと同じその状態だったら、悲観なんて事じゃ済まないだろう。
だが、ある単語を聞いてからそのせいで、憐れみの他に恐怖が押し寄せてきた。
『存在を固定』された者がダンジョンの核になっていれば……穢れに侵蝕されない。
その言葉を聞いた時……僕は嫌な事しか思い浮かばなくなっていた……『僕たち5人』は魂が固定されて『前の世界の姿形』のままだ。
それは確かに『真紅の魔女』に言われた言葉だった。
カナミちゃんが既にこの異世界で10年彷徨ったのに、歳を取らない理由……
何かの目的で『僕達』をこの世界に呼んだとすれば……『生きたダンジョンのコア』にする為だ……そう思えて仕方がない。
アラーネアの話の全てに、決定的な発言があったわけではない。
だが今の僕は『ダンジョンコア』になったとしたら如何なるか……質問したいが……アラーネアに聞けば間違いなく実力差で『コアにされかねない』
僕は恐怖と保身から呆然とするしかなかったが、アラーネアはその間も僕を元気付けようと話し続けていた……
そんな僕の代わりに兵士が空気を読んで、質問をアラーネアにする。
「ダンジョンの形って変わるものなのか……アラーネアさんは『形が変わる』ダンジョンを知っているんですかね?そもそも、このダンジョンは王家の派遣した部隊以外は『入れません』ぜ?変え放題なのにそうしないのは?」
兵士も当然、僕が言葉に詰まっているのはアラーネアの生い立ちに憐んで言葉にならないと思っての事だった。
「いやいや見つかったダンジョンに人がいないことはないじゃろ?大概は衛兵が駐屯しておるからな!この地表の入り口周辺から既にダンジョンじゃ……入り口は『石造』に『洞窟』や『門』なんて物もあるんじゃぞ?」
「門なんぞは自然に出来たら可笑しいじゃろう?人は『古代に作られた』としているが、ならば何故『朽ちない』のじゃ?いくら石造と言っても全く壊れないのはおかしいじゃろ?『完全には朽ちない』作りなんじゃよ!」
アラーネアがダンジョン講義をしているが、王との謁見が迫っている今それどころでは無いと思ったのか……
「今はダンジョンの仕組みの勉強時間ではないじゃろう!?お主も万が一にも生きて戻れたら15階層にくるが良い!妾が話し相手くらいにはなってやろう!妾も話し相手が居なくて『暇』じゃしな!!」
「長い間………人と話さなくなると『話し方を忘れるのじゃ!』妾も良い勉強になったわ……まぁ普段は大概『会話』など成り立たんがな……妾を見て皆攻撃してくるからな……」
「良いか人間よ……『会話ができても良い魔物』とは限らんのだ!そこを注意するんじゃぞ!?『竜種』など、たとえ話せても傲慢で話になどならんからな!相手次第にうまく立ち回るのじゃ!」
そう言うと、照れ隠しに僕を急かす身振りをするアラーネアだった………




