第308話「ミスリルソード、ロア・ミナスフロアの斬れ味」
22時の更新でーす!
巨大な武器を振り上げて迫るミノタウロスとの戦い……
迫り来る王への謁見……
残された時間は3時間を切っている……なんとか!地上に返さねば!
わい頑張って地上へ返します!_:(´ཀ`」 ∠):
「アイスフィールド!!!」
魔法発動と共に範囲周辺の地面が凍結し始める……足元が凍結して歩行が不安定になった為に、派手にすっ転ぶミノタウロス。
それでも近寄ってくるミノタウロスに向けて、続け様に氷柱が降り注ぐ。
「ブモォォォォォ!!」
「ブルフォォ!ブモォォォォォ!!ブルルォォォ〜」
ブルルルと言うのを聞いていると、牛と言うより『馬』に思えてしまう……『モォォ』ではないのだ……
巨大な氷柱は、敵の身体当たると砕け散って消えてしまう……だが着実にダメージは与えている。
HPゲージがどんどん減っているから、個体によっては『瀕死』の異常ステータスが付く。
フィールド効果『凍結』は、重量級の武器を持つここのミノタウロスには効果的面だった様だ。
鉄製の防具も可動域が凍結して、動きが凄く鈍くなっている。
僕はクロークから『ロア・ミナスフロアのロングソード』を抜き構える。
ミノタウロスはハルバードを無様に振り抜くが、装備の関節部位が凍結しているので動かしにくい様だ。
勢いも全く出ておらず、非力な僕でもかわしたり武器で受け流したり出来る程まで、ミノタウロスのステータスも下がっている様だ。
簡易鑑定でみると『部位凍結』『凍傷HP-2/分』『恐怖』『恐慌』『ステータス40%低下』『全身氷結』と出ている……アイスフィールドの状態異常効果は優秀だ……但し範囲内に仲間がいない場合に限る。
範囲内であれば自分も含めて、全員敵も味方も巻き込んでしまう……『範囲呪文』だからだ。
この範囲系統魔法は、唱えたら避難が優先だ。
僕は動きが鈍くなっているミノタウロスの攻撃を交わしつつ『氷結』異常ステータス持ちに近づく。
そのあと、素早くロングソードで斬りつけると粉々に砕け散る。
どうやらダメージを大きく受けた個体は『部位凍結』にならずに『全身氷結』になりとても脆くなる様だ。
5匹中2匹は氷柱で『瀕死』になっていたので凍り付いてしまった様だ。
攻撃を避けながら2匹目のミノタウロスを砕くと、無理に動こうとした残りのミノタウロスが関節から血飛沫をあげる。
凍傷で無理に動かした結果だが、『憎悪』している為に理性が保てず動いてしまう……
更にスキルの狂化まで使ったらしい……傷が酷いのはその為だった。
僕はミノタウロスの攻撃を交わし、すり抜け様に足関節を狙いロングソードで斬りつける。
ロア・ミナスフロアのロングソードの切れ味は凄まじく、軽く斬りつけた筈だが切断してしまう……
武器の重量が半分となる特殊効果の感覚が慣れない事が理由で、何時もより深く踏み込んでいる所為だった。
片方の足の支えをなくしたミノタウロスは、その場に倒れ込む……
僕は無防備な首筋にミスリル製のロングソードを叩き込むと、ほかの個体が此方に武器を振り上げているのが目に入る。
相手は凍結している効果で動きが緩慢なので、僕は突き刺した剣をがら空きの胴に向けて振り上げる余裕があった。
流石ミスリル製品だけに切れ味が良いので、あっという間に胴の2/3程を切断してしまう。
ミノタウロスは両手でダブルアックスを振り上げていたので、武器の重量で傷から別れ真っ二つになる。
最後の1匹をみると、角をこっちに向けて突進して来ていた……牛だけに猛進だ……
流石に突撃では避けようが無い……動きは緩慢だが腐ってもミノタウロスだ。
『危なっかしいのぉ……妾が居ないと駄目じゃのぉ?』
魔物であるアラーネアは念話で話しかけてくる。
ミノタウロスは動き出すが、僕に近づいた途端に輪切りになる。
気がつくとミノタウロスの向こう側に小さい人影がある……当然影の正体はアラーネアだ。
「なかなか動きは良いが、魔法に頼りすぎじゃ!いいか?ダンジョンの中や外に限らず必ず留意するべきじゃ!
何時何時どの様な攻撃がされるか判らぬであろう?そんな時に今の様に対応できる様にしておく必要がある。
その為の『防御の技』を用意せねばならん」
アラーネアのその言葉を聞いた僕は、彼女の様に糸は出せないし、某蜘蛛男の様にも変身できないのでその旨告げてみる。
「僕はアラーネアさんみたいに糸など出せませんよ!人間ですから!」
「妾は糸で切ったのではないぞ?『風魔法』じゃ!糸だったら巻き付けねば切んじゃろう?魔法なら来るものに対して射撃するだけじゃしの?先にプレーグミノタウロスに撃っていたのに何故それをせなんだ?」
あの鋭利な切り口は、糸を使って切ったわけではないらしい……まさかの魔法だった……
これで更にアラーネアの脅威度が増す……糸だけじゃなく魔法まで使いこなすとは……
でも、確かに言う通りだ……それならば僕にも出来る。
ここは……ひとまず何かを言って誤魔化そう!
「あ!!」
「あ!じゃないぞ?この間抜けめ!実践数が極めて少なすぎるのじゃ!その様なことを臨機応変に出来ぬのでは駄目じゃの?ほれ。次が来るぞ?」
アラーネアが言う方を見てみると、あの兵士が必死にミノタウロスを引きつけてこっちに走って来ていた。
「だずげでぇぇぇ……無理!無理!言うこと聞くから!!だずげでーーーーーー本当に言うこと聞きまずーーー!」
アラーネアは遠くから兵士を糸でぐるぐる巻にして天井に貼り付ける。
「ブモォォォォォ!!」
「ゴォォォォフ!!ブモォォォォォ!!!」
突然ターゲットを見失ったミノタウロスだったが、目の前にいる僕を見つけて今度は僕にターゲットを変更する。
前頭に居た2匹が僕に向けて突進してくる。
見た感じミノタウロスの様だが、毛並みや体格が違う。
突進してくる2匹を鑑定する。
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・迷宮深化条件 297/400
・固有個体発生討伐率 0%
ミノタウロス・ウォリアー(戦士)
(通常種・牛鬼系統・中型種)
(別名: 疫病牛鬼)
『使役可能個体』 第一次系統進化個体
・ステータスには個体差、系統差あり。
LV.18 HP.180/180 MP.50/50
STR.58 ATK.176 VIT.56 DEF.178
INT.37 REG.20 DEX.32 AGI.52 LUK.41
特殊能力
『憎悪』
……全ての敵を憎悪する
『狂化』
……狂化『戦闘が終わるまでSTRがup』
『猛突進』
……強攻撃、弾き飛ばし、貫通攻撃
スキル
『狂化』・『猛突進』
特殊ステータス
『憎悪』
条件により使役可能
捕縛の魔物罠、使役強制スクロール、
従魔契約スクロール、使役の絆…etc
・必要条未達成により開示不可。
気本的には巨大な拳や牙で攻撃する。
樹木をそのまま棍棒に使う個体が多い。
冒険者から奪った鉄器を扱う個体も
多い。
系統種では、ミノタウロスの呪術師
や戦士、アーチャー等武器によって系
統が変化する。
知識レベルは低いが、意思疎通は出
来る。
条件により疫病種や属性種、不死属
性種に変異する事がある。
進化種には様々有るが一番有名な
進化先は、ジェネラル、ガーディアン
バーサーカーなど
稀に進化時にアピス、牛鬼、牛魔王
件など全く異なる種に変異する事もあ
る。
より知識レベルが高い種に命令され
て共に行動することも多い。
棍棒、各種鉄器、各種鎧類、木製盾、
ゴブ茸、各貨幣
ミノタウロスの角、牙、耳、心臓、爪
小魔石、中魔石、各種牛肉…etc
上記部位は武器、防具、etcは素材に
使用可能。
・各部位可食『全部位とても美味』
頭部…可食
腹部…可食
胸部…可食
腕部…可食
脚部…可食
攻撃・防御:
斬撃、殴打、薙ぎ払い、強打、連打
蹴り飛ばし、噛み付き、引っ掻き、突進
系統変化先(進化先)
・ミノタウロス・ウォリアー
・ミノタウロス・呪術師
・プレーグ・ミノタウロス
・牛鬼
・件
・牛魔王
……etc
LV、経験値不足で鑑定不可。
稀に宝箱を落とす。(ダンジョン個体のみ)
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普通のミノタウロスと同じ位のレベルなのに、攻撃力が大きく違う。
そしてスキルが増えている。
貫通攻撃ってなんだろう……あのツノで防具を貫通するって言う意味だとすれば、防具にもとんでもないダメージだ。
牛だけに突進で弾き飛ばすのだろうが、筋肉大好きマンのハリケーンのミキサーの様だ。




