第246話「暗闇の恐怖と水魔法の相性」
5時でーす(⁎⁍̴̆Ɛ⁍̴̆⁎)ネムネムネムーーーイ
今日も今日とて3話を書き上げましたよ!
順次公開予定ですw
読んでくださーい!
誰かには刺さってくれると嬉しいです・:*+.\(( °ω° ))/.:+
「すいませんエルフの皆さんは戦闘に参加できないのは理解していますが、他の事などはお願い出来るのでしょうか?」
僕の質問にエルオリアスとエルデリアは不思議な顔をする。
この場で出来る事など戦闘に参加する以外考えられないからだ。
エルデリアは不思議に思い口にする。
「我々が出来ることはないと思うんだが……戦闘以外で何が出来るのだ?」
僕が今できる事としては、彼等エルフをあの騎士団の後ろに回し逃げ道を封じつつ、『平原ウルフ』と言う魔物を探して貰う『鑑定レベル』の肥やしとフォレストウルフの様に食べれるか調べる為だ。
『食材探し』であれば彼等は問題がないだろう……出来る限りあの騎士団員から見えるところで、近い魔物を探して貰う感じだ。
勿論チャームはしまっておくので魔物に対しての安全区域は消失するが、このメンバーなら問題は無い筈だ。
そうすれば肉も手に入り明日以降の新鮮な食材も手に入る……一石二鳥以上だ。
「出来る限り近場の魔物で、位置的には『彼等の後側』に回って魔物を探して頂けませんか?それも出来る限り『平原ウルフ』と呼ばれる魔物を」
「理由はフォレストウルフの様に食用に出来るか調べたいのです……僕は『食材』に関して見分ける『勘』の様なモノがありまして、明日以降の新鮮な食材探しを兼ねてます」
僕がフォレストウルフを食べれると言った事で、エルフ達はざわめく……
「魔物でホーンラビットを食べているだけでも驚いたのに……フォレストウルフも食べれるのか……それの加工法を聞ければ我々も助かる。エルフの森にはアイツ達はかなり繁殖していてな……それが食材になるのであれば有用以外の何物でもない」
そう言われた僕はクロークの中から『ウルフ・ジャーキー』を2つ出してエルオリアスとエルデリアにそれぞれ渡す。
彼等はそれを部下に配るとマジマジと見てから口に放り込む……エルオリアスがその味を気に入ったのか
「コレは!フォレストウルフなのか?この旨味は最高だな……それにこんな風に干しておけるなら越冬用の食料にもってこいじゃないか!」
「我々の住む国は『大地の』に比べて食材があまり豊富でないからな……『平原ウルフ』の物はないのか?森オオカミと違って食べてる食性が違うから味も違うんじゃないか?」
エルオリアスの言葉に率直に返す事にする。
多分この食い付きから考えると騎士団員の取り押さえに成功したら、その足で近くに居るオオカミを狩って来そうだからだ。
ちゃんと『存在の利用』と言う事を素直に話しておく。
変な駆け引きするよりも素直が一番だ。
「そうですね冬用には良いみたいです。既に紹介したロックバードの村ではそれを利用して越冬用の蓄えを作ってますし」
「平原ウルフは、その食材に適しているか調べたくて探したいのです……なのでまだ無いんですよね。ですがまぁ……なんて言いますか……丁度あそこに騎士団がいるので、騎士団員の見える場所に居て貰えると向こうに対して牽制になるでしょうし、注意が引ける分こっちも取り押さえやすいので……」
「まぁ、言い方が悪いと『利用させて貰う』感じになるんですが……なんかすいません。ところで『大地の』って言うのは『大地のエルフ』の略って事で良いんですよね?
素直に理由を言った後に気になった事を話す。
エルフ達は自分の種族を省略している節があるので、僕達はそれを使った方がいいのかも兼ねている。
「大丈夫だ!今の説明で何となく分かっていたし、目的が『食材探し』であの付近に迂回していれば良いだけであれば問題など無い。ただ戦闘には参加できないので向こうが襲ってきたら出来るだけ接近戦にならない距離を保ってしまうが……な」
「すまんな我々の呼び方は省略する事が多くてな!『大地の』と呼んだり『月の』と呼ばれたりで自分たちは通っているのでな。人間の魔法使い達には『影の』って呼ばれたり『森の』って呼ばれたりしているな」
「後は、冒険者からは普通に『影エルフ』と『森エルフ』が一番呼ばれやすいがな……知らない者は『エルフ』で纏めてしまっているからな……まぁなんでも好きに呼んでくれ」
そんな話をしてお互いの役割分担が決められていく。
伯爵と男爵は僕を見て呆れていた………
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チャックが僕を見てぼやく……
「本当にリーダーは誰でも利用しますよね?ダンジョンでメンバー募集から見てますけど……『人使いが荒い!』。今度はエルフの旦那達まで巻き込んで……あの月の方々は今日会ったばかりっすよ?森の旦那にしたって昨日ですからね?」
何故かエクシアが激しく同意する。
「本当に私もそう思う……チャックの意見には同意するわ……」
呆れたようにユイが言うと、モアも激しい同意を示す。
「普通エルフには距離感を持って近づかない様にするものよね?人間て……でもヒロってさ……寧ろ好き好んでその距離感ぶち壊してお願いまでするんだもの……双方のエルフに指示を出して共に狩りをさせるなんて聞いた事もないわよ?」
「それも……あの騎士団員を『警戒させる』事とご飯の『素材調達』って理由がイカれてるわ………まぁそのお願いを聞く方も聞く方だけどね……」
そんなボヤキを他所にザムド伯爵は作戦を指揮する。
「いいか……ヒロとテイラーそれとバームのパーティーが実行部隊だ。騎士団と輝きの旋風は念の為にこの野営の護衛を」
「マッコリーニ商団にテッキーラーノ商団あと氷菓屋は自分達の雇った冒険者に馬車の護衛をさせる様に!ヤクタ男爵は既に味方ではない。万が一にも同じ場所で野営中だから、敵とみなして襲ってくる可能性もあるだから注意に越したことはない」
「では、只今よりヤクタ騎士団員捕縛作戦を開始する!」
ヤクタ男爵の騎士団員が近いだけに大声で『おーー!』とは言えないので、身振りで対応して野営場所から出て行く。
既にエルフ達は出発済みで、後ろに回った時点で此方に合図をする手筈だった。
連絡方法は、此方の野営にエルフの報告役をそれぞれ1人残して合計10名で出発した……左右各5名で迂回路を使ったが後ろに回り準備が整う迄、時間は全くかからなかった。流石エルフだけあって素早い移動だった。
それを確認したエルフから報告が来て、伯爵が作戦開始指示をしたのだ。
僕は仲間と暗闇を進む当然だが松明など持てない……しかし僕には『空間感知』があるので地形も何も全てわかる。
テイラーのパーティーはカブラがメインだった。
彼女は『視覚拡張』があるので暗闇も平気だ……どうやらエルフと同じ事ができるらしい。問題は距離だが、当然エルフの視覚拡張には遠く及ばない。
バーム達も『感知持ち』がいるので当然暗闇も問題なく進める。
予め僕が『ウォーター』の魔法で騎士団員の顔に水を巻き付けて『窒息』させる間に取り押さえる段取りだ。
僕は無詠唱でウォーターをかけたせいで、魔法の水が既に顔面にへばりついている事に誰も気が付かない……
「うんむむ〜〜!!ムー!!ゴボゴボ!ムーーーー!ムーーーー!」
「ゴブバァ!ムーーー!ガボガボ!ムーーーーーー!!」
「ゴブバァ!ガボガボ!ムーーーー!!」
当然魔法が成功すれば騎士団員は慌てふためくが、慌てれば慌てるだけ空気を消費して苦しくなる……
暗闇も後押しして、大パニックだった……簡易鑑定で出る彼等のステータスには『混乱(大)』『恐怖(大)』『継続ダメージ-HP1』『窒息ダメージ-HP2』と、どんどん状態異常が付加されて行く。
そして1分も待たずに騎士団員はバタバタと倒れ伏して泣き喚いていた。
「ちょっと……リーダー!何したのよ!」
モアがそう言いつつ飛び出て1番近くにいた騎士をふん縛る
それに続く様に皆が飛び出して騎士達を取り押さえる。
「いや……空間感知で居る場所わかるから……打ち合わせ通り水魔法のウォーターで『窒息』させたんだよ?」
僕は、予定通りやったので問題はないはずだ?言う顔であったが、流石に暗闇では皆その顔色を伺えない様だ。
「無詠唱よね?魔法使ったなら言わないとわからないわよ?私達!?倒れるまで水が顔にくっ付いてるなんて気が付かないわよ!」
「騎士団員の方……なんかごめんなさいね?こんな出鱈目なリーダーで……」
僕は言われて気がついた……モアが騎士団員に謝ると騎士団員は
「うあぁぁぁぁぁ!!死ぬかと思ったーー!空気がぁぁ!空気がぁぁぁ!」
と泣き喚いていた。
結局取り押さえるのに僕のパーティーだけで行い、周りはその場に只々突っ立つしか無かった。




