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第238話「思い込みと逆恨みからの凶行」

おはようございまーす_(:3 」∠)_


続きをビシバシ書いてました!


内容は素人なのであやふやのモリモリのげちょげちょですが٩( ᐛ )و


勘弁したって下さい!そして……いっぱい評価下さい(笑)


やる気出るんでw:(;゛゜'ω゜'):ストレートォyea!


そういえば最近すごい咳をした人が最近家の前を通ります……コロナが怖いのでマスクしてほしい……


 スゥによって斬り落とされた矢は、造りが人間が扱う矢ではなかった。


 鏃の部分が幾重にも続き刺さるとなかなか抜けそうにない物で、街で出回っている矢とは全然製法が異なっていた。



 急に目前に転がってきた矢の先端部に僕はすぐに顔を上げる、と『空間感知』で回りを意識する。


 騎士団が集まっている辺りとは反対方向の岩場に、五人ほどの塊があり素早く此方に移動してきている。


 ラバルとドーイが矢が射られた射角に異変を感じ取り、向きを騎士団から反対側へ向けるとそこにはエルフ五人の姿があった。


 矢を射て来たのは、問題を起こして街から追い出された『太陽のエルフ』達だった。


 その中の1人は弓を持って大きい声で叫び始める。


「我は太陽のエルフ軍戦士の1人なり!度重なる人間の悪事を見逃す事はできん!それに与するものも同罪である!直ちに武器を置き対話の準備をせよ!」



 その様を見たラバルが大声を上げる。


「臨戦態勢!変なのが混ざってきやがった!光のエルフに見えるが……何してくれてんだ!アイツら」


 太陽のエルフは『エルフ族』ともあり『耳』が良い……ヤクタ男爵の言葉を漏らさずに聞いていたのだ。


 黒箱の中には『秘薬』があると。


 彼等にとっても『秘薬』は名誉ある宝だ。


 恨みのある人間達に復讐しつつ王に献上するには打って付けだった。


 波状攻撃で掻き乱す『彼等の作戦』だったが、僕が腕を斬り落とした事で『ヤクタ男爵』が慌てるも部下の騎士が目的を果たして撤退……あっけない幕引きに納得のいかない彼等は混乱を招こうと攻撃したのだった


 彼等の作戦が変わってしまったが、結果的にこの後『黒箱』を回収すれば恨みも果たせ、成果も出せると踏んだのだ。


 しかし彼等は気が付いていない……『姫を探す旅』なのに目的がすり替わっている事に。


 そして彼等が弓を射掛けているパーティーに、捜し続けている太陽のエルフの姫『スゥ』がいる事を……


 スゥが人化のポーションで『人の姿に誤魔化している』とは言え、判断がつかない時点で騎士団としてはお叱りものだ。


 それなのに矢まで射掛けたらどうなるか……



「リーダー大丈夫か!早く体制を整えろ!街で見かけた奴がまたくる……アイツら何でこんなに仕掛けてくるんだ!?」


 チャックが僕の後ろに来て手を伸ばしながらぼやく。



「多分ギルドで一悶着あったから、それの仕返しだと思う。いきなり斬りかかってきてスライムが対処して撃退したんだ。相当ショックだった様で……『スライムに負けただとぉ!?』ってずっと言ってたんだ」



 それを聞いたスゥは



「ス……スライムに負けたの!?それはプライドが許さないだろうなぁ……スライムに負けたら私もわからないでも無いけど、そもそも襲って来たのはアイツ達なんでしょう?」


 その話を聞いていたドーイが割り込む。


「悪いがそう悠長にしてられんぞ!さっきの騎士団とは訳が違う……五人だが統率が取れてて射撃精度が抜群だ。伯爵と男爵狙われたらたまったもんじゃない……ヒロ早く戦う準備をしろ」


 ドーイの言葉に頷きながらアルベイが武器を構えて皆に指示を出す」


「いいか!お前たち……アイツらの射撃は正確じゃがそこが穴じゃ!正確にヒロだけを今は狙っておる。接近戦になっても同じじゃろう。ヒロを軸に上手く防戦に徹するんじゃ!」


「ここは儂等の方が人数が多いからな……上手く防げば何とかなるじゃろう。それにある意味あのエルフが来てくれたおかげで無駄に追いかけずにすみそうじゃからな!」


 そう言うアルベイは笑っていない……銅級冒険者の戦意喪失を考慮してのセリフだった。


 気がつくと勝手にリュックを内側から器用に開けてスライムがまた出て来ている……ちなみにスライムの本体は『不壊』のリュックに潜みっぱなしだ。


 相手の僕に対しての戦意に反応しているのだろうか?


「それにしても自分から仕掛けて来て酷い……………」


 そう言いかけた瞬間、モアが僕を突き飛ばす……僕がいた場所に矢が飛んで来て真後ろの地面に突き刺さる。


 エルフの戦士たちは移動しながら巧みに弓を操り、ドーイとラバルの盾の隙間を縫って矢を通して来たのだ。



「リーダー気をつけて。アイツら本気よ!特に今矢を射て来たやつは『威嚇』射撃じゃなかった!飛んでた矢の位置からして心臓めがけて撃っていたからタンクの後ろにちゃんと隠れて!」



 モアにめっちゃ怒られたが矢の正確さが半端ない。


 あの突き飛ばしが無ければ致命傷だ。


 しかしよく見ると、モアの伸ばした腕には一本の矢が刺さっていた……一度に2本も続け様に射撃していた様だ。


 モアは矢を引き抜くと自家製『傷薬』を矢が刺さったところにぶっかける。

 

 僕は持っていた傷薬を渡そうとしたが、タバサ特製と同じ色をしたポーションを使っていたのでモアもタバサと同じポーションを作ることができる様だ。

 

 傷口からすぐに出血は止まるが、傷口はポーションを使った時の様にすぐ回復とはいかない。


 アルベイがモアの怪我を見て顔を真っ赤にして怒り始める。



「あんのクソどもが!女子の肌に矢傷付けるとは!粉々にぶっ殺しちゃる!」


 そう言ってタンクの前に躍り出ると、腰にぶら下げていたスローイングアックスを豪快にぶん投げ、エルフへ向かって突進する。


 粉々にぶっ殺しちゃる……とは実際どうするのか気になったが……それだけ怒っているのだろう。



 ただ僕達の予想とは反して状況が動いた。


 エルフの戦士に向かって次々と矢が射られる、その一本一本には的確な殺意が込められているのだろう。


 こっちに歩みを向けていた太陽のエルフ達は静止する



 先程大声で話をしていた戦士は味方に取り残されていたが、矢が飛んできた方向に身を翻して声を荒げる。



「何者だ!邪魔をするなら…………」



 そう言った戦士の足に、何本も矢が突き刺さりすぐさま動けなくなる。


 僕は少し後ろで行動を共にしていた森エルフの手助けかと思ったが、戦士の足に矢が射られた方向は彼等の方向とは真逆だった。



 当然の如く森エルフも参戦していた。


 相手がエルフであれば問題なく戦えるのだろうか?


 牽制のために矢を遠くから射てくれたらしく、アルベイの猛進を損なわない様にして尚且つ注意を引くように上手く計算して撃っていた。


 戦士に向けて矢が射られたのは2方向からで、彼等太陽のエルフが潜んでいた場所の遥か後方と森エルフ達が射た矢だった。



 謎の射手の謎はすぐに解決した。



「我々、月のエルフは帝国の皇帝『人族との盟約』により人間たちを守るものなり!幾ら遠き眷属と言えども彼等への暴挙は許さん!」



 森エルフのほかにも月のエルフと呼ばれるエルフ族が偶然近くに居たらしい。



 エクシアさんから最近王都で見かける話を聞いていたので、心底ホッとした。


 流石にアルベイさんがブチギレたので、戦闘も仕方ないと覚悟したが……そのアルベイさんさえも今は歩みを止めている。



 そのセリフを聞いた太陽のエルフ達が言葉を返す。



「お前たち月のエルフもそういえば人間に与していたな!コレだからこの地は穢れるんだ!我々が幾ら世界との関わりを絶っても世界が改善しないのは、お前たちの様なエルフの面汚しがいるからだ!」



「いいか!人間などに与するのは止めるんだ。人族の穢れは収まることはない……嘗てはドワーフ一族と共に協力する時期もあった!だが既に我々の言葉に耳を傾ける人間はいない!」



「この世界は変えられない所まできているんだ!いい加減目を覚ませ!月のエルフに大地のエルフの同胞達よ!」



 戦士達のリーダー格の様な者が『同胞』と呼んだエルフに呼びかけるが………次の瞬間彼さえも予想しなかった事が起きる。


 僕を目の敵にしている例の『スライムに負けた』エルフだ。



「いいか!よく聞け!人間は魔物を使役して穢れを更に増やす魔物達の眷属だ!あそこの男が使役しているのは『動物』ではなく『魔物のスライム』だ!人間は既に禁忌に手を染めている!」



「穢れを供物にする魔物を使役するなど言語道断だ!そんな輩はスライム諸共今すぐにでも『駆除』するべきなのだ!」


 話終わりとほぼ同時に、そのエルフは僕めがけて矢を射ていた。


 的は僕の心臓だったらしく、狙いは的確だった。


 話を聞いてしまた僕は一歩出遅れた……『やばい』と思った時には遅く、既に胸に矢が刺さっていた……

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