第184話「伯爵驚愕!古のポーション」
ひゃーーーーごめんなちゃい:(;゛゜'ω゜'):お買い物に!出てましたー
今から更新しますーーー
怒られていたユイ、モアにスゥは『やった!』とばかりに飛んできた、チャックは周りの冒険者と一緒になって一生懸命に弓の弦を引こうとしたが引けなかった様でぶつぶつ言っていた……引けないのには理由があるので当然だ。
チャイは急に人気者になったせいで周りの距離感に戸惑っていた様だ……呼ばれた瞬間これまたすぐに飛んできた。
伯爵と男爵に渡す物のことは、今後の伝手になると説明したところ満場一致で『好きな物を渡そう』と決まり、それを側で聞いてた当然伯爵と男爵は喜んですぐさま執事を呼んで彼等の名前を聞いて覚えさせていた。
「王様には多分ですが、宝石の杖、深紅の宝玉、特大パールリング、宝石が散りばめられた円型の化粧箱(小型) 、カッコいいロングソード、コレは渡した方がいいかもですね。」
渡す物候補としてふさわしそうな物を見繕ってから、一応正式名称を交えつつそれらしく説明した。
その上でポーション類は彼等の取り分で渡した上で買い取って貰ったほうが多分お互いwinーwinになれると踏んで話すことにした。
「あとこっちの分配で引けないのはお金ですね!金貨袋は6袋あるので、コレは僕達が100%個人分配します……お金は冒険者には重要なので。」
「「「「「ちょっと!リーダー!!言い方!!」」」」
メンバー全員が伯爵と男爵の顔色を伺うが、2人とも『当たり前じゃないか!なんならその袋の数倍は我々で用意する!我らが王の機嫌を取れるんだ金なんて……』と口を揃えて終始笑顔だった。
「あと、ポーション類ですが、まぁ彼等の取り分として分配した上で、各要所が買い取る感じだと良いのではないですかね?彼等はそのお金で拠点を作れるし、冒険するにはそれなりにお金も必要なので……」
「因みに今ここにあるポーション類だと……高級ポーションが1ダースと、『通常の』ポーションが4個に、秘薬が一個ありますね………あとは〜〜……あ!万能薬も何気に2個入ってますね……アタリ箱って言ってましたがその通りみたいですねー」
僕がそう言うと、皆の見る目が痛く感じた………
「何でそんなに、一目でわかるんだ!?リーダーは……」
そんな言葉をチャックが言うと、皆はポーションの見分けもつかないと言葉から想像できたので言い訳を探す。
「ちょっと待て………ひ………秘薬だと!?」
伯爵の表情が一瞬で変わり、宝箱の中に顔を突っ込むような動作をする。
「す……すまん………どれが秘薬なんだ!ヒロ!教えてくれ!」
男爵も取り乱して話し始めるので手に取って2人に渡す。
「こ…これが……秘薬………」
「ザム!すぐに執事に馬車を用意する様に伝えろ!王の姫君が!長女様が助かるぞ!コレで!」
「す………すまん!ヒロ!これに見合う物を何があっても絶対に渡すと誓う!いや……『お前達』の欲しいものを揃える事をここで誓う!だからこの秘薬だけは今すぐ我々に譲ってくれ!頼む!」
今まで笑っていた伯爵が、突然真面目な顔でお願いして来て皆が戸惑っているとエクシアが……
「さっさと持ってけよ!理由は知らんが必要な奴がいるならば、そいつの為に何かするのがコイツの選んでる道なんだ。コイツの仲間は皆『嫌』なんて言わないよ!既に皆充分な『対価をもらっている』。そうだろう?お前たち!」
メンバーの5人はエクシアの言葉に笑顔で『オオヨ!(ハイ!)』と答えていた。
この話の後すぐにラルと言う執事に指示をしている伯爵、男爵の指示でギルド職員が派遣され直ぐに衛兵長がギルドまで飛んでくる。
「衛兵長に指示を出す!各5名からの2師団を用意。我々が準備出来次第に此処を立つ!それまでに王都までの旅程の準備を終わらせる様に!」
「衛兵で手の空いているものを招集!今時点から此処を発つまでは交代でこの秘薬の警護をする様に!最低5名の監視体制で誰にも触れさせるな!いいな!」
「護衛冒険者は銀級以上を派遣する様に!特別報酬を出すと触れを出せ!3グループを雇用だ!面談は明日の早朝ギルドで行う。我々の準備が出来次第に即出発と必ず伝えろ!」
複雑な表情のイーザが秘薬をじっと見つめていた………
◆◇◆◇◆◇◆◇
それからも難しい顔で伯爵と男爵が衛兵長とギルドマスター相手に話していたので、色々と芳しくないようだ……こんな時は慌てても碌なことがない。
下手すれば全てが台無しにだってなり得る。
だからこそ僕は後ろから話しかける。
「なんか芳しくないみたいですね!?少し冷静になって考えれば良いんじゃないですか?それに良い事ばかり今は起きてるんですよね?ならば良い事を全部詰めて持っていけばいいんじゃないですか?早馬でも出して時間を稼いで、現状を聴けば王様も喜ぶだろうし。」
「あと、そんなに今から気が張ってても途中でバテちゃいますよ?遠いんですよね王都……?それに『忘れ物』して後悔しても困るじゃないですか!」
緊張した雰囲気をぶっ壊す僕………
薬一個だけ持って行き他は後でなんて……何度も往復とかオマエラバカカ!って誰かが言いそう……『特にオーク肉』調理している人がさ………
「ははははは!アンタ……馬鹿だねぇ………伯爵も男爵も『考え過ぎ』だって事だよ!ヒロの言う通りだ。もう『手に入れたんだ』あとは渡すだけだろう?甘い計画で行けば『失敗』するぞ!?腐敗貴族の馬鹿共が何するか目に見えてんじゃないか!」
「「っつ!!」」
「そうか……そうだな………『良い事全部詰めて』か……馬鹿だったな『この街の領主』で魔獣討伐も終えたのに……それの報告さえ頭から抜けていた………礼を言う!秘薬の件で褒めて貰えるが鉱山の件でお叱りを受ければ、頑張ってくれた冒険者の全てが無意味になってしまう。」
「ははははは!ザマァないな!ザム!俺も『噂の秘薬』を手に取って焦ってた………鉱山から戻ってきたって言うのに………大切な娘にも最愛の妻にも一目もあってない……それどころか、コレを『破らずに保存して持っていく準備』もできてない!コレじゃあ確実に失敗するな。妻に『ビンタ』されかねない……お互い冷静になろう!ザム!出るのは『用意』ができてからだ!」
「だな!このギルドに置いてある部位は悪いが王都へ持っていくぞ!ギルドマスター!討伐の証として持ち込めるサイズのコレをひとまず献上する!」
「それに昨日の宝があるんだザム!それを持って来させよう。あと今日ヒロ殿が譲ってくれた物も一緒の方がいい……宝箱に詰めて持ち込もう!トレンチのダンジョンから出た今季最高の宝だろ!?王様の為に用意した宝をわざわざ小出しにする意味がないからな!」
「何があったの?伯爵様も男爵様もなんかご機嫌ね!?ほら、こっちもオーク肉のコボルドジンシャー焼き出来たよ!」
「まだ火入れしてない肉が5kgあるから、でも味染み込ませてるからそっちは後でね……クックさんが早く焼きたい、エクシアさんが早くツマミをってうるさいからひとまず焼いたよ!」
暴力的な匂いを漂わせて山盛りの肉が登場する。
そこへ……タイミングよく現れるメンツ。
「「「お父様ー!!」」」
「貴方!無事に帰ってましたのね?」
「「「「クンクン………お父様!(貴方!)独り占めはずるい!!」」」」
男爵の失敗が始まった様だ……右往左往しながら謝っている。
「いやはや……そろそろかと思ってきたのですが……ヒロ様に限っては何かがある方がおかしいですよ………寧ろ相手に『同情』をした方が………うん!?コ……コレは?………くんくんくん………レイカ、妻が来る前に是非食べさせて貰いましょう!」
「ヒロしゃまは………ご無事なのですか………レイカはレイカは『ご飯が貰えなく』なるのですか!?ーーーークンクン………うん!?イイニホイ……」
……オマエラナニシニキタ……メシナラ……ヨソデクエ!!
「みなさん!ヒロ様は無事ですよ!我が店の『裏料理長』ですよ!?そんな簡単に魔物にやられたりなど………スンスンスンスン………なっ!なんですか!我が店のライバルになるだろうこの暴力的な香りは!!」
めんどくさいのが集まり始めた……特に最後の一名………
それからが大変だった……オーク肉の経緯を話したところ皆理解はしたが、危うく仲間外れになりそうだったので、機嫌を取るのに忙しい男爵に、奥さんが後から来て『すぐになんで呼ばないんだ』とマッコリーニは喧嘩になり、ビラッツに関しては『オーク肉』になど負けてられない!と言い、すぐにホーンラビット亭に戻っていく……
ビラッツが万が一にも大量の肉を持ち込めば大宴会は間違いなしだ。
しかしこのまま酔っ払っては事故が起きかねないので、ビラッツの宴会準備が終わるまでに僕達はひとまず宝の配分だけでも処理をしようと言うことになった。
周りは食欲に負けそうな奴等ばかりだ……チンタラやってても進まないと困るので、『お肉は全部終わるまでお預け!』と一方的に話を進めると、食べれない周りの皆が白い目で見始める。
伯爵と男爵とギルドマスターは大笑いだった。