第181話「食材管理法を見たユイナの激怒」
おはようございますー_(:3 」∠)_
加工やっと終わりましたw
早朝分でーす(๑╹ω╹๑ )
良ければ読んでくださーい
「ところでミオさん!僕の昇格試験の報告って今のでもう済んでいるんですか?タバサの時はギルド職員が来て何やら始まったじゃないですか…」
「僕たちの時も同じですよね?時間的には既に結構遅いと思うので、もうすぐかなー?とか思った次第なんですよ……周りにも冒険者戻ってきてますし……」
周りには多くの冒険者が薬草採集や用水路のスライム駆除、そして僕達と同じ様にダンジョンで昇格試験を受けた者達が集まって来ていた。
今日は何やら銅級窓口が騒がしく、職員もバタついている為に駆け出し冒険者でもその異常さに気がついたようだ。
「それに、僕がさっき報告してから職員の全員が此処にいるので……ちゃんと試験結果が結果が反映しているのか心配でして……」
「鉱山の問題も確かにあると思うんですが、今はこうやって無事にトレンチのダンジョンから『仲間達』と帰ってきたので、試験を共にこなした彼らの事を優先して貰えると助かります。彼らには鉱山の一連は関係ないので……」
ミオは僕のそばに居たメンバーを見て
「そうですね!ヒロさんの言う通りでした……此処は初心者受付で、鉱山で行われた『連合討伐戦』の受付ではないですからね。優先順位を考えるべきでした。」
「皆さんの昇格試験の判定は、現地調査員が戻ってからになります。時間的にはもうダンジョンを出発している頃ですので、道中での魔物駆除などのイレギュラーがなければもう戻ってきます。」
ミオがそう言うと、伯爵は我慢出来なくなり僕達が持ち帰った宝箱を指差して言う。
「彼らは、あのトレンチのダンジョンの5階層の階層ボスより宝を持ち帰ったそうだ!どうだろう?待っている間に開封してみては?」
「周りの冒険者もそこに置かれた宝がとても気になっている様だしな!ダンジョンの醍醐味でもあるだろう!?宝箱は?」
その伯爵の一言で駆け出し冒険者たちに火がついたようだ。
より近くで中身を見たい駆け出し冒険者達が卓に集まり始める……無理も無い、駆け出しには縁遠い宝箱が二日間連続で持ち帰えられたのである。
「駆け出し冒険者でも頑張れば5階までいけるんだな!俺も頑張って立ち回り覚えて宝箱持ち帰り組に入るぜ!」
「そうだよな!5階攻略が無理だなんて決め付けてた奴らには良い刺激だよな!実際持ち帰ったんだから!」
「ちょっと待ってよ!誰が5階を目標に攻略って言ったの!?私達『地下6階層』を攻略してきたんだから!5階層はその『ついで』よ!」
そう言ったモアが机の上の宝箱の横に大きな一個2KGあるオーク肉を3個放り込む。
チャックとチャイそれと何故かロズが大きい麻袋を持っていたのだが、その中に実はダンジョンで手に入れた剥き身のオーク肉が入っていた。
周りの話を聞いていたモアが、駆け出し冒険者でも偉業を熟る証明をしたかった様で、ここぞとばかりに放り込んだのだ。
持ち帰る時に生肉など一体どう管理して持ち帰ったりするのか!?と思っていたが………僕はチャックとチャイが麻袋に放り込む様を見ていて唖然だったが、バームたちも当然の様で何も言わなかった。
寧ろこの様は異世界の食糧事情では当然の様だった。
異世界の衛生観念は壊滅状態だ……コレを見たユイナが顔を青ざめさせて『ワナワナ』している………ブツブツと『サルモネラ菌知らんのか!コレだから異世界は!』『食中毒の拡散前に直ちに処分が必要だ!』と言っているが聞こえないことにしたのは言うまでも無い。
ちなみにユイナの手を必死に抑えていたのはミクとカナミだったのだが……僕は『触らぬユイナに祟りなし』………と、思ってしまった。
それなのに呑気に冒険者は口々に……
「マジか!6階!?これオーク肉じゃないか!こんな大きいオーク肉を……ゴクッ……」
「な!なぁ!?今日はコレでお祭りか?」
「んな訳ないだろう!こんなオーク肉なんて滅多に俺らは食えねぇよ!」
と言っている………放り投げたオーク肉を見つめる冒険者の羨望にモアは『してやったり』の顔だった。
しかしユイナの『何馬鹿言ってんだ!こんな状態の肉食ったら下手すれば食中毒で死ぬぞ!?オマエラ!?』の表情が見えない様だ………僕はユイナが怖いので皆が集まる場所から3歩ほど後ろに下がる。
絶対に僕にとばっちりが来ると思う……『なんで現代人として持ち帰り手段を発案しなかった!そのクローク使えよ!?美味い肉状態悪くするとかあの頭は飾りか!?あん!?』と言われるのは分かりきっている。
実は、このクロークに入れると劣化しない事が先日タバサが倒したホーンラビットで判明したのだ。
駆け出し冒険者の為に柵を乗り越えてホーンラビットを仕留めたタバサだったが、その肉を僕はクロークに放り込んでからその日はしばらく冒険をして、その日の夕方にビラッツに持って行ったのだが、ユイナは肉の安全性を仕切りに気にしていた。
マッコリーニの馬車で街に帰ってくる時も、度々肉の保存を気にしていたのだ……ユイナは。
実際取り出してから料理長とユイナが見たところ、肉の劣化が一切見られなかった。
血抜きはしたが、それにしたって一切の傷みがないとは考えずらかったので、仕切りにユイナは肉を切り分けて細部をチェックしていた。
肉が傷んだ形跡はなく、常温で経過した際の臭みもない。
それどころか、滴る血液は未だに黒く変色せず赤さを保っている。
放り込んでいた時に傷口から血が出ていた形跡さえなかった。
そこで、中はどうなっているのか気になったので、氷を用意して貰い解けるか試そうとしたが、この世界は『氷』がそもそも貴重だった。
僕はモンブランに教えてもらった『氷結』の魔法を使って木製コップに注いだ水を完全に凍らせた後、クロークにしまったら1時進後も溶けていなかったのだ。
「氷魔法は使える人は貴重なんじゃ!………その良ければ氷を作ってくれんかの?今日はやけに暑くてな氷室が気になって仕方ないんじゃ……何時も来てもらっている魔導士も連絡がつかんでな……」
と言われて作った氷に実は問題があったのだが……それは別の話だ。
放り出されたオーク肉を見たバラスは、受付嬢の1人に指示を出してクックと言うギルド内調理担当を連れてくる。
クックと言う彼女は、このギルドで提供される料理の全てを担当していた。
「またこんな良い肉を……そのまま袋に突っ込んできたのかい!馬鹿どもがまったく……勿体ない……『浄化』」
彼女が『浄化』と言うと、6キロあった肉から臭みがなくなった様に感じるが、一回り小さくなった気がする。
「コレで、腹をくだすことはないだろうよ!調理するならすぐに言ってくれよ、この時間はギルドの部屋で出す飯も用意しなけりゃならないんだ。他にもホール用の食い物だってあるからね!暇じゃないんだ。」
「いいかい!ヒヨッコの馬鹿共!こう言う肉は得た時の状態から時間毎にどんどん劣化するんだ。マジックバッグが無ければその場で調理して食っちまうか、殺菌作用のある『カーキの葉かナンテーンの葉』を使わないと駄目なんだよ!よく覚えときな!」
そういうと、彼女は自分の持ち場の調理場に戻ってしまった。
「今『浄化』って言う生活魔法を使ったから『状態悪化』にある部分を『処分』したんじゃ。本来はこんな使い方をするものじゃ無いが、食材の表面が既に『滑り』が出てたからな、ダンジョンの瘴気に晒されてたからまぁ仕方ない……」
「食べるなら早くした方がいいぞ?劣化が始まった肉は旨味がどんどん損なわれるからな。まぁダンジョンは倒した魔物から『肉が出た時』から劣化するからな。」
「ヒロ!コレは私が調理する。誰にも文句は言わせない………『意味が分かる』よね!?」
…………怖い………文句は言わせない……では無い………言ったら僕の人生はここで終わる……最後だ。
そして何故かモアもユイナの目を見ないように『どうぞ、どうぞ!』の手振りをしている………