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第165話「悪質冒険者と下層階」

✌︎('ω'✌︎ )時の定期掲載でーす


良ければ読んでくださーい!


 もう一つのチェックポイントには既に先客がいた。


「お?一足遅かったようだな?『ここのチェックポイント』は俺たちが頂いたぜ?早くもう一つのチェックポイントに向かったほうがいいんじゃないか?」



 そう言って来たのは以前に対人実技でやり合ったババロアとか言うリーダーが従えてたパーティーメンバーだった。


 もしかしたら名前が違かったかもしれない……彼を記憶に留める気がないのでいまいち思い出せないが、そんな美味しそうな名前じゃなかったはずだ。


 彼らも協力しないとリーダーのようになりかねないのに何故こんな台詞を言うのだろうか。



 それにしても予定を合わせたのだろうか?3人共あの時見た同じパーティーのメンバーだった。



 あの時の惨敗と冒険者としての失敗をバネに頑張ったようには決して見えなかったが、気になったのは他所のポイントを探せとの発言だ。



 彼等は僕達を笑いながら暗がりに消えていく。



「すいませんちょっと聞きたいんですが…」


「はい。では入場許可証の提示をお願いします。」


 僕はメンバー全員に入場許可証を出すように指示する。



「あれ?全部埋まっているのでもう必要ありませんよ?」


「はい?ああ!チェックじゃないんです……地下三階って魔物が何出るか聞きたいんです。」



「!!成程!地下三階はゴブリンが群れで現れます。この階と同じ数程度ですが、レベルが若干高いです。後は1階に出たスライムも出ます。なので1Fと2Fの合わせた感じですね。」



「この階層を自由に動ける位ならば、この下は問題ない筈ですね。逆にこの階で苦戦するならば降りることは進めません。」



「じゃあリーダーなら平気だね……防御気にせず歩きながらゴブリン切り裂くもんね!」



「!?はい?もう初心者じゃないですよね?それ……っていうか貴方達、連合組んで6人パーティーなんですね!この下は余裕でしょう。地下4Fも問題ない筈です。地下4階は3階と変わりません。ゴブリンの持つ装備が若干種類が増えるぐらいです。」



「遠距離の武器は持っていないので、今の貴方達ならば問題ないでしょう。」



 僕達はその言葉を聞いて若干安心した。



 最悪彼等の目の前で魔法を使うしかないと思っていただけに、ゆとりがある戦いができそうだ。



 ダンジョン駐在員は残念ながら下に降りる階段までは教えてくれなかった。『それを探すのも冒険者の楽しみ』ではないですか?と言われてチャックが『確かにー!』って言って笑いを誘っていた。


 下に降りるために階段を探していると先程の嫌味を言っていたパーティーと鉢合わせをする。


 その先には降りる階段があった。


 ◆◇◆◇◆◇◆◇


「なんだ?お前達まさか下に降りる気か?生意気な……俺たちが先に行くんだよ……」



 そう言って先に降りて行く名前も知らない3人組……まぁ戦闘に自信があるから降りるのだろうが話すくらいなら名前くらい教えてほしい。


「随分嫌われてるな………リーダー……」


「実はタバサが嫌味を受けてね……皆で対人模擬戦でお灸を据えてやったんだけど……それを根に持ってるみたいなんだ……」


「ちょっと待てよ!って事は……リーダーがあのエゲツない一閃をやる冒険者って事じゃねぇか!そりゃ恨まれるわ!はははははは!顔面から墜落したって噂がすごかったんだぜ!」


「ちょっと待って……それよりもタバサって昨日の宝箱持って来た総合リーダーよね?そのタバサがいたパーティーのリーダーってヒロって名前だった……って!貴方じゃない!タバサって子より強いのよね……リーダーって事は」


「って事は!6F行けるんじゃない!?私たちだって!」



 チャックとスゥはガッツポーズで、モアはユイと手を取ってその場をくるくる回って物凄く騒いでいる。



 僕達は彼等の後を追うわけではないが下の回、即ち地下三階に降りる。



 作りは石造ではあるが、大きな部屋になっていて既に3人がゴブリン相手に闘っている。



 上に登る階段は後ろの壁沿いにあるが前と左右には直ぐ部屋があるのがわかる。



 多分此処からは幾つかの部屋が連なっているのだろう。



 僕達は彼等3人の戦闘を邪魔をしないように左の部屋に向けて離れる。



「良いんですか?助けないで?」



「横打ちって言って、戦闘の最中に攻撃するのはマナー違反なんだ。彼等にも連携があるからね……それを乱されると怪我するだろう?後で揉め事になる可能性があるから基本的には離れた方がいいんだ。」



 僕は質問して来たユイに教える……しかしこの話は僕のいた世界のMMORでの話だ……僕は恨みを買っているので手伝えば何を言われるかは分からないし、万が一武力解決なんてなったら此処はダンジョンだ最悪なことが起こりかねない。


 僕が説明している間に、チャックは戦闘時の立ち回りをチャイに教えていた。



「良いかい?この先の部屋にはもう目視できるくらい魔物が見える…ゴブリンが5匹だ。見えているのに来ないって事は入り口まで行っても多分あの『部屋に入る』までは襲ってこないと思う。」


「僕とスゥが各1匹相手をするから、チャックは中に入ったら即後ろから来る奴で撃てるのを狙って。僕とスゥが攻撃を引きつけて転がすから、そしたら3人は転がしたどちらでも良いからダガーで突き刺してトドメを!」



「良いかい?相手にトドメを刺すのを躊躇うと誰かが死ぬから、思い切って戦うんだ!じゃあ行くぞ!」



「「「「「おう!(はい!)」」」」」



 僕が先頭で入り口付近の向こうからも見えるところまで行くが、魔物はこっちを襲ってくる気配はない。



 やはり部屋に入ると襲ってくると踏んで、僕が手でスゥに制しておく僕が先に入ると言う合図だ。



 僕は中に入ると思った通りに僕に向けて一直線に向かってくるので、鑑定をかけると外のゴブリンとステータスは個人差こそあるがほぼ同じだった。


 

◆◇ ◆◇ ◆◇ ◆◇ ◆◇ ◆◇ ◆◇ ◆◇ ◆◇


・迷宮深化条件 85/200


・固有個体発生討伐率 13%


ゴブリン (戦士)

(通常種・小鬼妖精系統・小型種)

(別名: 悪戯小鬼)

  

『使役可能個体』 第一次系統進化個体 

・ステータスには個体差、系統差あり。


LV.10 HP.50/50 MP.10/10

STR.11 ATK.36 VIT.12 DEF.34

INT.11 REG.24 DEX.13 AGI.24 LUK.20


    条件により使役可能

 捕縛の魔物罠、使役強制スクロール、

 従魔契約スクロール、使役の絆…etc

 ・必要条未達成により開示不可。


  無骨な武器で攻撃する。

 森で拾った錆びた武具や、木材を加

 工した棍棒が基本の武器。

  稀に人を襲った際に手に入れた装

 備を使っている。

  系統種では、ゴブリンの呪術師や

 戦士、シーフ、アーチャー等武器に

 よって系統が変化する。

  知識レベルはかなり低いが、意思

 疎通は出来る。


  進化種には様々有るが一番有名な

 進化先はホブ・ゴブリンであり、寿

 命や知識レベルが大きく変化する。

  オークの知識レベルが高い種に命

 令されて共に行動することも多い。

 

 ゴブリン棍棒、錆びた武器、錆びた鎧、

 錆びた盾、木製盾、スリング、ゴブ茸

 各貨幣、ゴブリンの指、ゴブリンの耳、

 ゴブリンの心臓、小魔石、中魔石…etc


  上記部位は武器、防具、etcは素材に

 使用可能。


 攻撃・防御:


  斬撃、殴打、薙ぎ払い、強打、連打

 蹴り飛ばし、噛み付き、引っ掻き

 

 系統変化先(進化先)

 ・ホブ・ゴブリン

 ・小鬼

 LV、経験値不足で鑑定不可。


 稀に宝箱を落とす。(ダンジョン個体のみ)


◆◇ ◆◇ ◆◇ ◆◇ ◆◇ ◆◇ ◆◇ ◆◇ ◆◇


 問題は迷宮深化条件85/200と固有個体発生討伐率13%だ数字が違うし分母数が違う。


 しかし今はそれが問題ではない仲間がいるのだ早く倒さねば。


 僕は目の前のゴブリンの攻撃を盾で受けて、斜め前に進み出て来たゴブリンの首を刎ね飛ばすと持っていた剣で受け止めたゴブリンの足に突き刺す。


 剣が突き刺さった傷で当然立ってなど居られなくなり、転がるゴブリンは倒れた時に武器を手放す……コレでこの個体は素手だ。攻撃は噛みつきや引っ掻きだけになる。


 スゥも見事にカイトシールドで受け止めるが盾が大きくなったせいで、感覚が狂ったのだろう……まともに受け止めてしまったので後ろに流せないでいる。



 数が受け止めたゴブリンの後ろを見るとスゥ目掛けて襲いかかるゴブリンがいたが、部屋の中に入ったチャックがすかさず額を射抜く。



 僕はそれを確認して、スゥが受け止めているゴブリンの横っ腹に剣を差し込む……突然の状況にビックリして逃げようとするが既に致命傷だ。



 下に転がっているゴブリンはモアとユイ2人でとどめを刺していた。



 最後の1匹は僕に向けて突っ込んできていたので、攻撃を受け止めずにゴブリンの横っ腹から強引に斜めに切り裂く様に引き抜いた剣を素早く斜め上に力一杯切り上げると、ゴブリンの顔が斜めに切れてずり落ちる。



 その直後スゥの盾に遮られていたゴブリンは、糸が切れた様に倒れ込む。


 部屋にいたゴブリンは上の階と違い、あっという間に溶けるように消えて宝箱が一個部屋の中央に現れる。


 僕はチャックに解錠と罠探知をお願いしたいので振り返るが、皆の見る目が冷ややかだった。



「リーダーが皆を地上に送ってから一人で降りるって言った意味が分かるぜ……敵じゃないよなこれ…5匹でも一人で倒せんだろ今の……」


「僕は何も出来なかったよ!部屋に入ったらほぼ終わってた……」


「すまないリーダー!私がもたついたから……カイトシールドの横幅が大きいの勘定に入れてなかった……」


「でも良い勉強になったじゃないですか!敵が弱い今ならまだ修正が効くでしょ?此処以上に敵が強いとそうもいかない筈だから。チャックごめんこの箱見てくれるかな?」



 白々しくチャックには言ったけど既に鑑定済みだ。困ったことに『祝福された宝箱』って表記だった。


僕の言葉を聞いたスゥは盾を構えては、半歩引く動作を繰り返して受けの練習を始める。

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