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第123話「タバサもエクシアも大喜びの日」

今日は土曜日!お仕事の方はお疲れ様です!


定例の5時更新ですー土曜日めげずに頑張って!


 暫くして僕達の新しい冒険者証が発行された。


◆◇ ◆◇ ◆◇ ◆◇ ◆◇ ◆◇ ◆◇ ◆◇ ◆◇

       

冒険者証


階級 F級見習い2位 ギルド 街営冒険者


名前 ヒロ クラス 見習い


種族 人間 所 属


発行 ジェムズマイン 担当員 ミオ

◆◇ ◆◇ ◆◇ ◆◇ ◆◇ ◆◇ ◆◇ ◆◇ ◆◇



 見習いの冒険者証は受けた説明では3位から始まるはずだが、今の対人模擬戦の審査が有効だった様で僕はF級2位になり、今日の対人模擬戦で初めて勝ったタバサは、F級見習いの1位に昇格していた。



 後もう一息で銅級の様だ…あの薬草を薬類にしているのがポイントになっていれば間違いなく銅級なのでは?と思うのだがタバサが薬類を作れる事を言わない様に…とサブマスターのザッハが皆に説明していた。



 タバサには決して同情でこの薬を渡さない様に!と真剣に説明していた。



 彼女の現状では、体良く利用されて薬品作りの強制労働しか待っていないだろうと言う。



 タバサを守れる仲間が駆け出し冒険者では少なく、其ればかりか今までの彼女を知る輩としては利用する事しかしないだろうと言う事だった。


 

 初心者同士でそんな事になるだろうか?とザッハの説明に疑問を感じたが、よくよく考えると今日の対人模擬戦で何となく理解ができてしまった…



 自分より劣ると把握した場合人間は何処までも残酷になれる生き物だと思い知らされた。



 自分が銅級になる為に、手段を選ばないのだ…



 タバサは攻撃をしなかったので審査員から注意を受けたが、相手のベロロアが注意して警戒して戦い続ければ、あの様な背面から押さえつけられて木刀の剣先を向けられる決定的な負け方はしなかった。



 そうすれば、違う意味でお互い認め合えたのではないだろうか…ベロロアに限ってはそうならない可能性も有るにはあるが…



 結果が出る前は皆あれほど馬鹿にしていたが、タバサの力量がベロロアを上回った途端仕返しされないか心配で堪らないのだろう…言い訳がましく擦り寄って来る冒険者が後を立たない。



 ベロロアは見習い冒険者の中でも割と上位の方の冒険者だと、レガントとリーバスが教えてくれた。


 

 これで薬効成分の高い中級や高級の傷薬や軟膏が作れるなんて分かったら、彼女の争奪戦が始まるのは明白だ。



 それに加えて回復師しか作れない回復薬が作れて、その薬が高級回復薬だと知れ渡ればザッハの言う通り、より強く我の強い冒険者が実力行使をするかも知れないのは明白だ。



 僕達は皆冒険者証を受け取ったので、F級昇格の報告にファイアフォックスに帰る事にした。



 ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー



「「「「「戻りましたー!」」」」」



「エクシアさん!ロズさんベンさん!戻りましたー!」



「おー!おかえり。アンタ達!特にタバサ…その顔はなんか良いことあったね?」



「はい!今日は対人模擬戦で初勝利できました!皆さんの指導のおかげです!段位も上がりました〜!」



 僕らが報告する前に、興奮がおさまらないタバサが現状報告する…僕らの昇級も伝えるが昇級がついでの様な話し方になってしまった。



「実はアタイ達も報告があるんだよ!この裏の建物がとうとう私達の物になる事が決定したんだ!」



「マッコリーニ達にちょっかい出してた黒落花生の持ち物だったらしいんだよね!持ち主から違法に脅迫し取ったらしくてね。」



「一応違法だったから持ち主に返す事が決まったらしいけど…持ち主の商団は他の街に本店舗があるらしくて、今更この街の支店には戻らないらしいんだとさ。曰くが付くと商売には縁起が悪いって言うことだったね…。」



「アタイ達がそれをマッコリーニから教えてもらったもんでさ、折角だからこの際こっちに権利を売ってもらえないもんかって相談したら、マッコリーニが快く仲介になってくれて説得してくれたらしくてね。」



「同じ商人仲間同士あの黒落花生にはムカついていたらしくてね、私たちが彼等を捕まえるのを手伝った話をしたら譲渡の判断は早かったそうだよ。」



 譲渡された店舗は商店だった事もあり、かなり大きい店舗だった。



 その商団はこのジェムズマインの街では上から数えた方が早いらしく、黒落花生商団の悪巧みにハマって違約金として店を取られたようだ…因みにこの街の店は支店らしい。



 今回は前の悪事にも遡って調べられたので、黒落花生の悪事が暴かれた際にこの店舗の持ち主に返却がされたらしい。



 店舗を失った際の売り上げ等の補填はされず残念だが泣き寝入りになる様だ。



 そんな話をしていたら、ビラッツが今日の夕飯を届けてくれた。



 ちなみに昼間もギルドに行った時に、ご飯の差し入れがあったので1日2食の食事が貰えている。



 届けられた弁当は貴族用に開発中の3倍厚切り弁当で、汁物は燻製肉を使った日替わりスープだ。



 一人で食べるには量が多すぎるので、レガント達のパーティーを誘って皆で食べた…宿の夕食は部屋に持ち帰りスライムと夜食で食べよう…ちなみに朝飯は宿屋の飯を食べているので、異世界だが豪華に朝昼晩の3食は変わらず食べれている。



 流石に連日連夜貰っては悪いので、男爵にビラッツさんの作った弁当を推薦しに行かねば何か悪い気がしていた。



 明日は男爵別邸に届けると言う打ち合わせをして、ビラッツさんには男爵別邸に持ち込む用のテスト版のお弁当を用意してもらう事にした。



 まず執事のマッジスさんに味を見てもらい、それとなく理由を話して男爵が駄目でも他の友達貴族の紹介が出来ないか聞いてみるだけ聞いてみよう。



 明日はギルドに行く前にファイアフォックスで落ち合って一緒に行く事として…僕としては突然いけば迷惑になると思い、今日のうちに翌日の昼ごろ試食をお願いする旨を執事さんに伝えに行く事にした。



 エクシア達に挨拶をしてから、僕以外は宿に帰って休んでもらう事にした。何故かと言うと彼女達が早くお風呂に入りたそうにしていたからだ。



 僕は一応ビラッツさんの人となりを見てもらう為について来てもらった。



 マッジスさんには今までの経緯を話し伝えたところ快く試食すると言ってくれた。


 

 ビラッツさんに一緒に来て貰ったのは弁当の準備があるからで、より好印象を得るには温かいうちにあの弁当をマッジスさんに食べて貰わなければいけないからだ。



 翌日は早めに起きてファイアフォックスに向かい、ビラッツさんを待って執事のマッジスさんお弁当を届けることから始まった。



 男爵別邸に行くと、何故か男爵夫妻に令嬢3人が待ち構えていた…マッジスの謀だった様だ。



 数量は男爵別邸のお手伝いを含めて、2食は食べれる数を持ってきていたので問題はないがかなり驚いた。


 弁当の為に男爵一家が皆が来るとは僕も思っていなかった。



 持ち込んだ弁当が多い理由は、出来立てを食べた時の感想の他に夕食時に冷えたお弁当も食べて貰い、それが貴族に対して出しても問題ない弁当か採点をするべきだと思ったので、ビラッツに説明して多く作って貰っていたのだ。



 実際食べる時は下手すると少し冷めることも考えないとならないのだ…冷めたものを出した事で恥をかいたと貴族から怒られるのはビラッツだから。



 男爵一家は、執事のマッジスから特注弁当の試食と判断の話があり、それを聞いた3人娘に泣きつかれて早速一家総出で味見に来たらしい。



 僕は早々にギルドでのノルマがある説明をして男爵別邸を後にしたが、去る前にちゃんとビラッツのコックを食事会の料理人にも推薦しておいた。



 男爵はそれを聞いて喜び、食事会の料理人契約をビラッツと交わした様だ。


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