第121話「対人戦闘講習会にビビるタバサ」
定時更新でーす_(:3 」∠)_
今日はオークのお話書いてたらお肉食べたくなって夕飯はピリ辛味噌の豚バラ丼DEATH・:*+.\(( °ω° ))/.:+
そしてこれが……お話に転化されるw_(:3 」∠)_ブハw
「ちょ…2連合で…魔石300個…どれだけスライム倒したんですか!それに薬草も30束…1パーティの報酬が昨日と同じじゃないですか!」
「ひとまず…奥に続く水門間際までは1匹残らず全部狩ってきました…他の人も結構倒してるので後で持ってくるはずです。」
「森周辺はレッドキャップの事もあるので狩ってないのですいません。」
「そんなレッドキャップがホイホイ出てたら…見習い冒険者は皆死んじゃいます!今魔石と特別依頼報酬を確認してきますからお待ちください。」
僕が横を見ると連合2パーティーリーダーのレガントが同じ様に呆れられている…そしてパーティーのシールドに同伴した彼女達も同様だ。
因みに端数が31個出てそれはレガント達に渡した。
彼等が女の子達に良い所を見せるためにとこっそり譲ったのだ。
受付担当は僕の知らない窓口担当の女性で、レガントはこれだけ狩った理由を僕のせいにした様なので、担当者の僕を見る冷やかな視線が痛かった。
昨日と同じ様に僕達は報酬を受け取り窓口から離れようとするとミオさんに呼び止められた。
「おめでとう御座います。ヒロ様は本日の討伐依頼完了をもってF級冒険者に階級が上がります。」
「審査内容は複数あるのですが一番ポイントの高かった3項目をお知らせします。2日続けて雑草を含まず薬草30本を採集、スライムを一定数討伐、連日パーティーのリーダーとして行動、この審査項目のクリアにより昇格です。」
「階級の書き換えを行いますので、冒険者証を此方に提出願います。」
ミオさんは、にこやかに昇格を知らせてくれた。
どうやら、何処からか審査されている様で冒険者に相応しい行動を取るとポイントを貰える様だ。
「タバサさん以外の行動を共にした皆様も昇格となっていますので、それぞれの窓口の担当者へ向かう様に申し伝えていただけますか?」
ミオさんに言われた内容をそのまま皆に伝えると、皆の階級が上がって嬉しかったのかタバサが興奮していた。
どうやら登録から2日はなかなか優秀だった様で、他の冒険者達からもお祝いの言葉をもらった。
皆が窓口に行ってる間にタバサが僕等に置いて行かれないように頑張らなくちゃ!と気合を入れ直していた…タバサは既にF級なので審査内容が異なるらしく、この2日の行動内容では銅級昇格対象では無いようだ。
暫くすると、皆が手続きを終えて長机に戻ってきた。
見習い冒険者専用の受付も賑わっている。
この時間は夕方も近い為に、ギルドに帰ってきて依頼報告や討伐部位の査定などをする冒険者が多いのだろう。
冒険者が多くなるにつれてタバサの様子がおかしくなる…多分今までの事が関係しているのだろう…メンタルがもっと強くなるまでは早めに退散した方が彼女の為と思われた。
「お?オークタバサじゃないか!また雑草納品してたのか?俺達は今日溜池でスライム25匹も倒してるのに…お前はいつまで経っても雑草集めて何がしたいんだ?」
「タバサに無理言うなよ…オークだぜ?ぶはははは…」
「あ!ベロロアさん…お元気そうですね。25匹もスライム倒せて凄いです…」
僕はベロロアと言う冒険者の討伐数を聞いて…タバサの足元にも及ばないんだけどなぁと思ったが、面倒な事になるとタバサが可哀想なので黙ってた。
他にも数名タバサを見るなり馬鹿にする輩が増えてきたので早めにこの場をさった方が賢明だと思い、更新した冒険者証は明日受け取りに来ようと皆で話し合ってその旨を話に行こうとすると…
冒険者証の更新を待っている僕達に長机までメイフィが来て、抜き打ち審査の説明を始める。
「今から『初級冒険者の抜き打ち審査』及び『査定戦闘訓練』が始まります。対象となる冒険者は審査を受ける事ができますので此方にてお待ちください。」
「対象はF級冒険者で段位に関わらず全般が可能となっています。このテストに合格すれば階級審査の一つがクリアになりますが、テストは対人戦闘模擬形式なので武器は木刀になります。武器以外の装備をしてお待ちください。」
メイフィのその説明を聞いた途端、周りの面子を見て嫌なことしか思い浮かばなかったので、即座にタバサを連れて皆でギルドから出ようとしたがメイフィからまさかの発言が出る。
「次の方々は強制参加となります。」
「まず本日ランクが上がられた、ヒロさん、ユイナさん、ソウマさん、ミクさん、カナミさん、テドンさん、ボエラさん、メグリムさん…………以上の10名の方はランクが上がった初日ですが強制参加になります。」
「F級の冒険者の基本指導となりますので必ず出席してください。出ない場合は昇格は無効となります。」
「次に対人模擬戦の指定回数をこなしていない、レモラさん、ボロダムさん、ゴッダーさん、タバサさんの4名も強制参加となります。事務員が現在所在を確認済みなので参加しなかった場合はG級に降格になります。」
「以上です。」
「マジか!タバサが相手ならランクが確定昇級じゃないか!」
「運がいいぞ今日の参加者は!」
タバサの名前が出た瞬間、小躍りする輩まで現れた…
よし!今タバサをカモと言ったコイツら俺達で完膚なきまで叩きのめそう!
ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー
「では…タバサさんそしてベロロアさんの対人模擬戦を開始します!ハジメ!!」
「ずりーぞぉべロロア!先に一人で銅級になるなんて、タバサが相手なら俺がやりたかった!」
「タバサー!ほら前と同じように逃げ回れー!審査員が近いぞー早く後ろに行けー!係員を盾にしろー!」
対人模擬戦の会場はタバサにとってかなりアウェイだった。
僕達は装備を整えて言われるがままに訓練場に向かったが、参加者が本当に多かったランクを上げる為には避けて通れないので仕方は無いが、多分タバサが強制参加だった為ここまで参加人数が増えたのだろう。
訓練場で行われる対人模擬戦は冒険者として必要な訓練だった。
襲って来るのは何も魔物だけではないのだ、対人と言えばエクシアやマッコリーニと会ったときに直面した刺客が良い例だ。
それだけでは無い、有名なところだと盗賊や山賊なども居る。
海だったら海賊もいるだろう…規模を大きくすれば国同士の戦争だってある。
それこそ状況まで考え出したら従属魔法も含まれキリがない…なのでこの訓練は『人型の敵』と戦うという意味では必須項目だった。
タバサが前回参加した時は、彼女を馬鹿にしていた対戦相手にしこたま打ちのめされて途中から訓練場を逃げ回り、最後は係員が止めに入る事で終わっていたらしい。
ある意味僕はそんな状況だったのに、よく折れずに冒険者になろうと思ったものだ…と思った。
彼女のメンタルは意外と強いようだ。
そんな彼女は本当に運が無いのかもしれない…今度の対戦相手はべロロアと言う彼女を馬鹿にした相手だった。
参加人数が多かったので、対戦相手は同じ人数で行動していたパーティー単位での模擬戦になった。
なので僕達の相手は、べロロアとその仲間達であった。
運が良ければレガント達のパーティーと当たったはずだ。
彼等も今日一緒に組んで相性が良かったようで、今後も一緒に組む事になったようだからだ。
相手が彼等なら緊張はしても、今の様なバッシングを受けながらの対戦じゃなかったはずだ。