第118話「新しい調理法……ビラッツ感激!」
17時の更新のお時間でーす(๑╹ω╹๑ )
帰宅時間に読んでいければ何よりでーす(>皿<;)満員電車いやーーー
「あ!さっきのお弁当をくださったヒロさん。ありがとう御座います…何から何まで!」
「見た?イーザとコーザの顔!あれ半分凍ってたわよ!ビックリした顔が直ってなかったもの!ヒロさんがやったの?」
「まさか!そんなわけないです!あの2人が寒い事するから氷の精霊が凍らせたんじゃないですか?『やる事が寒すぎる』って…ははははは」
「そう言う事にしておくわ…あの2人がやる事は確かに寒すぎるわね!」
「本当に最低です!脅されました…逆らったらギルドに居られないって!」
「え?なら個人ギルドで事務員やれば良いじゃないですか?あそこにこだわる理由ってあるんですか?」
「「え?」」
「無いといえば無いけど…」
「で…ですね…」
「万が一別のギルドに移ったら教えてくださいね!ビラッツさんにそっちにも『お弁当依頼』を回す様にも言っておきますから。」
「「それじゃ…別の所の方がお得な気がする…」」
2人の本音が被っていた…。
どうやら核心をついてしまった様だ…イーザとコーザに多分前から嫌がらせで辞めさせる話をされていたのだろう…今のメイフィは肩の荷が降りたのかスッキリした顔で笑っていた。
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「「「「いっただきまーす!」」」」
「ウンウン!なかなか良い感じですね!見かけた時多分コレ似合うと思ったんですよ…ポン酢があれば最高なんですがね。」
「でもコレはコレでさっぱりして美味しいな!」
「やっぱりみぞれ和えは良いね〜魚醤は臭みがあるからそれを消せば完璧だけどねー消し方どうしよう…」
「ユイナさん乾燥キノコを粉末にして旨味として加えるにはどうですか?」
「ユイナさん私が働いていたアルバイト先でナンプラーとかにネギを漬けると匂いがマシになると言ってましたよ?ナンプラーの匂い私苦手なのですが食べれましたし!」
「「何ですと!」」
「皆さんが言っているナンプラーが何か解りませんが、魚醤特有な臭いのことを言っている意味はわかります!」
「ミクさん!カナミさん!その方法を!詳しく教えてください!」
「料理長!お二人はまだ試食中です!絶対に暴走しないと、この支配人の私の顔に泥を塗る様な真似はしないと約束したでしょう?」
そんな異世界組5人に料理長とビラッツを加えた7人は、当初の燻製肉を使ったスープの話はそっちのけで新しい食材で盛り上がっているが、タバサとギルド受付員のミオとメイフィはコレでもかと言う感じにがっついていた。
「「ふわー!」」
「こんなに油たっぷりのお肉なのに、さっぱりしててこの後乗せって最高すぎます!みぞれ和え?って言うんですか?」
「誘って頂き感謝感激です!こんな凄いお料理を販売前に戴けるなんて!」
「それにこの燻製肉のスープ絶品です!メイフィ美味しいですね〜ヒロさんに感謝しないと!」
「はい!何杯でも飲めちゃう!ヒロさんとミオさんが誘ってくれた事一生忘れません!」
僕は前に店に来た時に、野菜置き場で一つ珍しい物を見つけた。
白牙と言う根菜類だ。見かけは大根そのもので、異世界名称(大根)と迄出た代物だ…しかし聞いてみると全く同じ物ではなく生え方が異世界だった。
白牙と言うだけあって土の中で育つわけではない。
生え方は名前の由来の様に犬歯の様に連なって生えるのだ…それも木に。
この白牙はとても柔らかい砂地や土壌で育つ作物で、枝の節に花が咲きそれが実になり空中で根の部分が伸び肥大化する。
可食部の根となる部分が大きく太くなるとぶら下がる茎の部分が耐え切れず千切れる仕組みになっていて、地面に落下して刺さるとそこから新たな根を伸ばしやがて木になる訳らしい。
なので刺さった時に収穫して食べるんだとか。
燻製肉のスープのレシピを教えたが、野菜の話から新しいレシピという話になりみぞれ和えを考案した結果結構遅い時間までの食事会になった。
ちなみにアルコール抜きの食事会だ…誰かがやらかさない様に注意した結果だとは言うまでもない。
「ねぇビラッツさん…そう言えば新しいサービス始める気ない?」
「ん!何か案があるんですか!本当に商才豊かな方だ!」
「いや…ただ単にお弁当配送始めれば良いかと思って…買いに来て貰うと何個用意すれば良いか判らないじゃないですか?」
「ほう!逆転の発想ですな!素晴らしい!」
「例えば街営ギルドから今日2人が来ているじゃないですか?毎日のお弁当を受注して受ければこの店の稼ぎになるでしょう?」
「実は初心者窓口の人は、依頼受付の関係でお弁当が貰えない穴があるんですよ」
「それに同じ人が担当の場合弁当が偏ってしまうし、冒険者がチケットで食事に来たならば、お弁当の販路拡大が行き渡らないじゃないですか?」
「それに今日多くもらった人が高値で売り付ける事例があって、今後もこんな状況にもなりかねないので…たった1日で問題点が見つかったわけです。」
「何と!そんな事が!でも問題点を潰す手際が流石ですね…この店の困る点まで見積もっていただけるなんて…」
「確かにそれであれば食べれない人も出てくるし、冒険者の気持ちの証を売るなど以ての外です!」
せっかく気持ちを込めて作ったお弁当を売る話を聞いた料理長は、誰がそんなことをしたのかミオとメイフィに問いただしていた…2人は困った顔をしたが、言葉に詰まりながら一部始終を一応話していた。
料理長はそれを聞いて奥からデザートを持ってきて、
「コレを食べて元気出せ!今度同じ事があったら厨房まで来い!そんな奴が持っている物よりデカくて美味い弁当作ってやる!絶対買うな!」
と2人を励ましていた…
「それでですね、例えば見通しが立つまでは試験段階として受付員のお弁当のみ受注するとかで。」
「まぁ最初は例のお弁当を配送っていう感じにですかね?慣れたら種類増やして…価格別に数種類のお弁当を用意して配送する…って感じですかね?」
「この2人に受注係になってもらい欲しい人をカウントすれば数は把握できるし、軌道に乗ったら配送専用の人雇えば安定配送もできるでしょう?」
「冒険者さんに貰ったお弁当は家でも食べれるし、家族がいれば分けられるし!」
「成程!では、配送専用の者に早い時間に受付伝票回収させて、お弁当配送したら…」
「あっ!容器作るのも良いかも!んで、その配送人に容器を回収させて翌日の仮の依頼伝票をもらう感じに変える感じで…容器は使い回しが効く様に踊るホーンラビット専用の弁当容器作れば見栄えも良いと思うし。」
「て…天才!専用弁当容器があれば…容器の経費が凄く減る。食後の容器回収!ヒロさん…冒険者をやめてこの店で管理職として働いてください!どうでしょう⁉︎」
「わしからも是非にお願いします。この食材の目利き!是非…前言っておられた裏料理長の職を用意します!ビラッツ!良いよな?裏料理長の件、店の裏料理長の座お願いできるよな?」
「いや…僕は冒険者に…と、取り敢えず何かあれば店に来ますから!」
僕の発案にビックリして食べていたスープの木製スプーンを咥えたまま、ミオとメイフィの2人は目を見開いている。