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第116話「ミオの仕返し大作戦・後編」

ランチタイムーーー٩( 'ω' )و


小休止に読んでねー( ゜д゜)もぐもぐもぐもぐもぐもぐもぐもぐもぐもぐ


  


 …………………絶句よ…私のお弁当…


 …………………案の定、売り切れて一つも無かったわ。


 凄い行列で…手に入れた人の喜びようが…もう…


 私もああなりたかった…ハイニナリタイ…


 こうなったらイーザとコーザに頭下げて売って貰うしかない…嫌すぎるけど…でもお店予約は30件先まで埋まってた…。


 次の予約にかけるしか無いけど…熾烈な争いは間違いない…


 それにお弁当は明日も買えないわ…この様子だと…


 朝日前に、私はギルドに居ないといけないから必然的に朝は無理…


 窓口は初心者担当だから…お弁当も期待できない…


 私が担当した子は担当変更依頼で全部あのイーザとコーザのところに行ってる…


 色気使ったりデートしたりで誘惑して担当変更させてるのよねアイツ等…


 ぼーっと歩いてギルドに向かっていたらパン屋が見えたから、今日の食事にパンと干し肉を買った…多分コレを見てアイツ等に馬鹿にされるはず…戻りたくないな…ギルド。


「あれ?ミオさん?どうしたんですか?すごい元気がない様ですが…?」


「え?…ああ!新人のヒロさんじゃないですか?如何したんですか?こんな所で…。」


 例の男の子に呼び止められてしまったわ…グギギギギギギ…お前のせいだ!とは言えない…でも言いたい!八つ当たりさせて欲しい…ぐすん…。


 ああ…だめだ話に集中できない…一応会話は成り立っているけど…今は、布団にくるまって寝たいわ…もう…休むって言って寝ようかな…


 でも結局は、逃げたって…彼のせいにしたって意味はない…明日も仕事はある…。


 結局朝買えなかった人がそのまま並ぶ感じだ!…って言ってたから、私ではお弁当は買えない…


 彼に八つ当たりしそうだから、早くこの場を去ろう…。


 うん?後ろでこの子を呼ぶ人が…


 え?この人確か…


「ヒロ様〜!良かった!今ファイアフォックスのギルドに行ったら出られたと言われまして、大変申し訳ありませんが用事がお済みになったあと味見にお店に来ていただけませんか?料理長からユイナ様とヒロ様は絶対に呼んでくれと言われまして!」


 え?今なんて言ったの?ファイアフォックス⁉︎味見?料理長?店に来い?


 えー?私が食べられないものをこの子は普通に…食べれる感じなの?


 って言うか…味の最終判断をしていると言っているような…


 ヤバい!この子が一瞬ですごい人に見えてきた!


 って言うか本当にすごい人なんだろう…イーザとコーザがギルドで掻き集めているお弁当の元はこの子が発案したやつだ!絶対この話の感じ!


 私の勘がそう言ってる!


「いやー助かります!…ん?」


「あー!ギルド受付員のミオさんじゃありませんか!すいませんお話の邪魔をして!またお時間がある時にでも是非お店にお越し下さい!」


「あ!ビラッツさん、ミオさんも後で連れて行っても良いですか?実は僕の冒険者登録業務でお店のお弁当買えなかったらしくて、これからお世話になる人なのでちょっとポイント稼ぎしたくて!ははははは…」


 え!ちょっと待って!ポイント稼ぎ?お弁当の事気にかけてくれてるんだ!


 タバサちゃんが急に変わったのは彼のおかげか!


 なんか…これ聞いて反省しかない…


 今までの私は駄目だ…酷い事を考えてたのに…この子にとって、受付の繋がりだけの私なのに…なんか優しく考えてくれる!


 ヒロさんは忙しいらしく、一通り説明してくれた…


 邪魔してこの後の予定がキャンセルになったりでもしたら…もう明日は1日寝ちゃうだろう…ヒロさんには急ぎのお仕事を解決してもらわないと!


 でも…別れ際に凄いことが起きた!


 踊るホーンラビット亭の『大盛り弁当』を貰っちゃった…特別製よ!


 それに…新商品の味見の付き添い!


 新商品の味見の事をギルドで言いたいけど…それは絶対ダメね!ヒロさんは多分、仕方ないって言ってくれるだろうけど…踊るホーンラビット亭の支配人からは出禁にされちゃう!


 出禁…ダメ!ゼッタイ!!


 このお弁当は言っても良いみたいだったから、イーザとコーザにだけは絶対仕返ししないと!


「只今戻りました!食事したらすぐに業務に戻りますね。メフィさん。」


「おかえりなさい。ゆっくりで良いですよ!買えました?」


「実は〜それがね〜」


「あら!帰ったの?買えたかしら?あの時間では無理でしょう?良ければ銀貨1枚で売ってあげますが?ミオさん?」


「私も今1箱お弁当ありますから銀貨1枚で売っても良いですわよ?ミオさん?それにメフィ?」


「「私たちは明日も食べれますから?うふふふふふ」」


「ちょっと、イーザさんにコーザさん…皆に聞こえるように言うのはどうかと…」


「メフィさん?ミオさんしかご友人が居ない新人の貴女は黙っていただけますか?ミオさんと話してるんです!」


「そうです!」


「………つ」


「メイフィ大丈夫よ!…ありがとうございます、けれど割高なお弁当はご遠慮ですわ…ちゃんと食べるものは買ってきましたので。」


「そのちっさいパンと干し肉ですね?お食事は?」


「やっぱり買えなかったのね?ざーんねーーーん」


「いえいえ!貴女達では『絶対に手に入らない大盛り弁当』を特別に関係者様から頂きましたの!見てください!厚切りパンにはみ出るほどの肉厚お肉…あら?あら?貴女のより分厚くありませんか?お肉が?」


「料理長がある方に直接用意された物らしいのですが、『知り合いの私に!』だけくれたんです。だから『私の友人と』食べようと!思いまして!」


「一緒に食べましょう!メフィさん!」


「本当ですか??ミオさん!嬉しいです!」


「な!何が大盛りよ!どうせ途中でどっかの冒険者に2個貰って一緒に纏めただけでしょう!解ってますのよ!」


「貴女に渡す冒険者がまだ居たんですね!何処の何奴かしら…ちゃんとお勉強させないと!」


「ですね!イーザさん!お弁当を選りに選ってミオさんに渡すなんて…銅級窓口総担当のイーザさんに先ずは渡すべきですよ!」



「誰か調べましょう!コーザさん…そして勉強させましょう!」



「またそんな事するんですか?いずれ身を滅ぼしますよ!」



「貴女はその嘘に塗れた偽物弁当でも食べてて下さい。私たちは『やる事』が出来たんです!」



「そーです!!」



「だから!…コレは!……(ミオさーん〜居ますか?)……え?…え?」



「あ!ミオさーん!家かと思ったんですが…家知らないんで、念のためこっちに来てよかった!いやぁ〜よかった…ふぅ…間に合った!」



「え?ヒロさん?如何したんですか?早く無いですか?何が間に合ったんで?」


「さっきビラッツさんが、僕が泊まっている宿に出来立てのお弁当を届けてくれましたので、折角なので温かいのを食べてください。」


「なんか貴族様用弁当で味見兼ねてらしくて、通常の3倍の厚さのお肉だって料理長が言っていたそうです。あとこれ…料理長が差し入れてくれた新作スープです。冷めないうちにどうぞ!」


「えっ?ヒロさん!うぇ?お…お弁当?え?あ…えっと…この大盛りお弁当は…ど…どうしましょう?」


「夜食?」


「や…夜食?…夜食!!良いですね夜食用にしますね!メ…メフィ…夜食も後で一緒に食べましょう?」



「お友達さんですか?」


「ハイ!ミオさんの後輩の新人窓口担当のメフィです…よろしくお願いします!…あ…ミオ先輩が戴いたのに…これって私も頂いてしまっても?」



「はい!もう一つあるんで平気ですよ!残せばスライムの餌にしかならないのでどうぞ!」


「「え?」」



「いえ…いや…その…一個欲しいと強請ったわけじゃなくて…先程の夜食を一緒に食べても…って意味です。」


「えっ?ちょっ…ヒロさんこれって…大盛り弁当よりはるかに大きくないですか?」


「あ!…いや…私は貰うのは夜食…え?夜食を一緒に…え?貰って良いんですか?って…おっきい!!えっ?これ…本〜当に1人用ですか?」


「なんか料理長とビラッツさんが、僕にはこのサイズでこれから渡すらしいです…肉デカいので〜結構お腹にきますよ…お店のお皿で提供分の200gを2種類で厚切り特注だそうです」



「あっと…すいません…宿に入ったんですがビラッツさんに呼ばれてしまい、ちょっとまだ用事終わらせてないんで…」



「ミオさん!後で迎えにきますね。じゃあ!後で!」



「え?あ!…ハイ!後で!」



「えっ?ミオさん…これ…貰っていいんですか?本当に?」



「メフィ!『私の友達にホーンラビット亭のお弁当をあげる』って言ってたでしょう?私が言うのも何ですが!どうぞ食べてください」



「有難う御座います!私は初心者受付なので諦めてました。ああ〜出来立てでまだ湯気が出ていて、まるで冷めた感じがないですよ!時間が止まってたかの様です!」



「凄い良い匂い〜!んーーー!!!肉汁が凄いですね…この厚さじゃ片方だけでも相当お腹いっぱいになっちゃう〜」


「更に新作スープも〜凄いゴロゴロお野菜の濃厚スープ!これ販売前なんですよね?貴族様用って言ってましたね…それ食べれちゃうなんて!ミオさん本当に凄いです!」



「でも流石に、びっくりしたわ…私も…まさか出来立てを頂けるなんて…それにしても本当にお肉が分厚いわね…」



「ですね!めちゃくちゃ厚いです。3倍の厚みと言っていましたね!そうそう食べれませんよ〜こんな特別サイズ!厚切り特注って言ってましたね〜そう言えば!」



「「んーーーーー!!!新商品美味しい〜厚みが!!ジューシーな肉汁が。んー!!!」」



 ヒロさん…最高!!やった…してやったりよ!



 イーザとコーザの悔しがる顔…今日はずーーーっと嫌がらせ受けてたから…流石に今回は私の完全勝利よね!


 何せ彼女達が食べれない特注サイズで更に新作スープ付きだもの!


 アタシのとばっちりで嫌味言われて、毎回泣かされちゃうメフィがこんなに喜んで食べてるわ…ヒロさんに後でお礼言わないと!


 

 出来る人は行動から違うってギルマスがいつも言ってるけど…もしかしたらレッドキャップ倒したのって…ヒロさん?


 …そんな訳ないわよね、今日登録したばかりなのに。


 うーん!美味しい!


 今は余計な事考えないで、貰ったお肉を堪能しないと。メフィみたいに!


「それは貴族様用に考えたお弁当なので、数人で食べる様になっていますよ!ミオさん…『お友達』と分けて食べるといいみたいです。『友達の皆さんと仲良く』食べてくださいね!」



 あ!!ひょっこり顔出して最後に言っていくところが…計画的犯行よね!



 ああ…今の一言で私に関与せず中立を保ってた子達が押し寄せてきた…でもヒロさんのしたい事は言わなくてもわかるわ!



 仲良くすれば『友達の仲間が増える』ものね!



「さぁ皆さん!『独り占め』より分け合って皆で一緒に食べましょう!分厚いお肉美味しいですよ。」



 こうして今日、規格外の人のおかげで私はギルドの皆の慕われる側になったのです!

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