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第1171話「秘密の通路」

こんばんわーꉂ(≧∇≦)


見直ししてない小説で申し訳ない_(:3 」∠)_


ひとまず更新という事です!


最近書こうにも言葉が出てこないのです……困りました_(:3 」∠)_


 エルフスティード(エルフ馬)に跨り、荒野を越え森を走り抜けて15日が経った。


 エルフレアの説明では目的地の黄昏の森迄はあと3日はかかると言う。



 ライカンスロープ族の元皇帝ボーと元九尾を宿す巫女のユキ、そして元月エルフの姫モアを同行させているが三人は全ての種族が畏怖するヴァンパイアの始祖だ。


 彼らの場合、正直なところ自力で走ったほうが早い。



 何故ならヴァンパイアだからだ。


 ヴァンパイアの特徴は不死なる肉体を持つ事だ。


 なので『肉体的な疲れ』など存在しない。


 そもそも生命活動を停止させているのだから疲れるはずもない。



 肉体の維持は膨大な魔力で行い、その魔力を補うものが穢れである。



 ちなみに現時点での大きな問題は、生身であるエルフレアの存在である。


 彼女は罷り間違っても始祖ではない……至って普通のエルフなのだ。



 エルフの中では秀でる際にはがあったにせよ、現状の人選ではそういうわけにはいかない……


 

 努力の末、彼女は力を手に入れ、男性エルフより優れた戦闘能力や戦闘感を手に入れた。


 そんな彼女だが、親衛隊長の座につく彼女であってもヴァンパイアの始祖と比べれば、天と地程の差がある。



 彼女が共に行動するとなれば、馬での移動は仕方がない。


 エルフ馬の脚力は、人族が扱う馬より遥かに力強く体力があり、過酷な環境でも粘り強く走り続けることができる。


 

 だからこそ馬を使い潰さず、エルフ達は長い距離の移動を走り続けることができているのだ。


 

「皆さん感知での索敵結果………前からギロチン・スタッグビートル5匹!」



「エルフレア!!んな事は俺達はわかってんだよ!!オメェはそのまま駆け抜けろ。俺様が一足先に害虫駆除してやる」



 エルフレアの感知より早くそれを終えていたボーは、その身体を無数の蝙蝠に変えて2メートル程もある巨大な大クワガタに襲い掛かる。



「害虫風情が一丁前に敵意見せてんじゃねぇよ!溶けて森の養分になりやがれ!!『アシッド・フォッグ』………」



『グギィィィ!?』



『ギギギギギギ………ギュグュ………グクィ……』

 


 無数の蝙蝠の群れはギロチン・スタッグビートルにぶつかる直前『強酸の霧』に姿を変える。


 ボーの得意技である『死の霧』と呼ばれる大技である。



 本来『アシッド・フォッグ』の呪文は酸の霧であるが、そこにボーの血液を混ぜてある。


 ボーの血液は沸騰する酸の特性を持ち、触れた相手を『火傷』・『酸』の状態異常を付加できる。



 そこに同じ効果の魔法を織り交ぜた事で『強酸』に至った訳だ。


 ボー自身も怪我をするが、ヴァンパイアの始祖としての再生力が物を言い、傷を負ったところで怪我の内にも入らないのだ。



「申し訳ない……ボー様……」



「気にするなエルフレア。きついこと言うようだがちゃんと聞け!」


 

 ボーはそう言うと、『進むべき場所を知っているのはお前だけだ。敵に気を配ってる余裕があるなら、おめぇはその分の余力を死なない様に工夫をしろ!』と言う。


 今の敵など僕達の前では文字通り『虫』でしかない。


 いかに強力な魔獣でも、相手の力を感じれずにボーとユキを餌知感じる視点でもう負けが目に見えているのだから。



 ボーはそう言いたいのだ。



「うふふふ。ボーったら久々の地上だから張り切っちゃって……」



 ユキはそう言うが僕は別の点に興味が出ていた……



「ユキさん……今の肉体は『本体』なのですか?幻影体の場合攻撃できなかったはずですよね?」



 その言葉にユキは『見た目以上に抜け目ないわね!?今は元の肉体で活動中と言えば意味はわかるわよね?……貴方達とは違う方法があってね……』と言う。



 しかしその方法は何となくだが理解できる。



 今ボーが無数の蝙蝠になったのが良い例である。



「ボーさんは蝙蝠になれるんですよね?それを利用した移動方法では?」



「くはははは!もう見破りやがったか……とんでもねぇ観察眼だな。手の内見せすぎると後々俺たちが困りそうだぜ!」



「本当にそうね!因みにボーは吸血蝙蝠か体躯が大きめの狼よ。私は人が軸になっているから鴉か蝙蝠……モアはエルフだから吸血黒アゲハか沼蛭に自分自身を細分化できるの」



 ユキの言葉は明確で、ヴァンパイアの持つ特性を教えてくれた。


 悪魔種や魔王種そして魔人種は穢れの世界に入ると封印によって元の地上には戻れない。



 しかしその封印を掻い潜る手段がある。


 僕やマモン達と同じように力を捨てれば良いのだ。


 だがヴァンパイアの始祖たる二人は力を失う事なく化現できてしまう。



 それは一個体の力を極限まで無くした状態で、封印を通過する方法だったのだ。


 確かにその手段は確実に通過できる上、ヴァンパイア達のような特殊な技能を持つ者にしかできない芸当だ。


 

「皆さん申し訳ない……まさか自分が一番弱い立場になろうとは……」


「エルフレアそれは仕方ないわ。本来想定してない人員よ。本来ならば全員が1箇所に集まる事自体があり得ない事だもの」



 モアはそうエルフレアに伝えると周囲を見回す……



「それにしてもエルフレア……。やけに地面に亀裂が入っていて……ところ構わず蒸気が吹き上がってるわね。見る限りかなり危険な場所のようだけど……」



「それは僕も思った。さっきはかなりに高さまで間欠泉が吹き上がってたし」



 僕とモアのその問いに、エルフレアからは簡単な返答が返ってきた。



 地表から近い位置に『マグマ』があると言うのだ。



 出ているガスは、吸い込めば身体に悪い事は間違いない。



 問題はエルフレアを除きさえすれば、そのガスさえ僕達は問題がないと言う事だ。


 地上の危険なガスと穢れでは圧倒的に危険なのは穢れの方である。


 何故ならその存在ごと変異させてしまう力を有するからである。



 死んだ者さえもその穢れの中からは抜け出せない……



「もうすぐ王家の鍵穴に着きます。溶岩湖に囲まれた場所ですが、その環境のおかげで外敵が入ってこれません」



 そう言われた僕らは、エルフレアを先頭に先へ馬を走らせる………



<………4時間後…………>



 僕達は既に馬から降りて間欠泉の隙間を縫うように歩いている。


 突然吹き出す熱気を前に、騎乗で進むにはかなり危険なのだろう。



 足元もかなり不安定で、時折巨大な魔獣の死骸に出くわすこともあった。



「ひでぇ匂いだ………此処はライカン族は近寄れねぇな………」



「硫黄とガスで死んだ魔物の腐臭ですね……」



「魔獣の死骸がゴロゴロ転がってやがるな……ところでよぅ……この場所は相当ヤベェのに……お前はなんで無事なんだ?」



 ボーにそう言われたエルフレアは一つの脈打つ赤い石を見せる。



『トクン……トクン………』



 『なんだこりゃ……脈を打つ石?見覚えがあるな確か文献で………』とボーは何かを思い出そうと記憶を探る。



「これは生命の石です………先程皆さんが要らないと申されたましたが……」



 そう言ってエルフレアは見せる素振りはするが、その石を渡そうとはしない。


 エルフレアは『これは国王陛下から渡された物で、此処を通過する為にスゥ様と自分の分そして護衛人数を預かっていると伝えた。



「これを全て渡してしまうと私は恐らく即死します………申し訳ないのですが………」



「いらねぇよ。恐らくヒロだってこの程度何も感じてねぇはずだ……」



「な……何もですか?この息苦しさ……石があっても強く意志を持たないと倒れそうなのに?」



 そう言うエルフレアに僕は『目が渋々する』とだけ伝えるが、それ以外に感じない以上仕方が無い。


 ちなみにこの領域に先に飛び込んで行ったのはボーとユキそしてモアだった。



 エルフレアが準備をしている時に『何もたついてる!』と言ってボーは勝手に進み始めたのだ。


 僕はその事を踏まえて何故平気なのかをエルフレアに話す。



「僕の肉体は既にホムンクルスだからね……生命活動のようなものはあくまでも疑似生命体として備わっているだけの物だから……感覚こそあるけど普通にそれとは異なるよ」



「そんな事より先を急ぎましょう?モアもボーもいい加減先に進みたいと思ってるはずよ?」



 エルフレアはそう言われて、紋章に何かの言葉を囁く……



『ゴゴゴゴゴゴ…………』



 紋章が輝くと、溶岩湖の中から溶岩が噴き上がりすぐに固まって橋を形成する。



「凄いわね……エルフの技術でも月と太陽だとこうも違うのね……」



「モア……月エルフはこんな事はできないの?」



「月エルフの場合は溶岩ではなく『水を氷に変える』事が多いわ……」



 そう言われて僕は『どっちもどっちだろう……』と思ってしまう。



 溶岩が噴き上がり即座に固まったり、水が噴き上がって氷になったりするのであれば、素材の違いこそあれその過程はほぼ変わりはない。



「それにしても凄いね……溶岩石の柱と橋………随分前にエルフスティードを降りたのにはそんな理由があったんだね……」



「ええ……エルフスティード分の命の石はありませんからね……」



 そう言ったエルフレアは『そろそろ話をやめて先を急ぎましょう』と言い先頭を歩いた。


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