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第1096話「昔は村だった場所……交易都市・ローズガーデン」

予約更新3話目でーす=͟͟͞͞( ˙ ꒳ ˙ =͟͟͞͞( ˙ ꒳ ˙ )つ◇ポチリ!


ふほほほほ………




「成程……質問の結果、謎が明らかになるとは……なかなか面白い結果だなぁ……」


 お爺さんもマーテルも不思議そうなかおをするが、『コッチの話だから』と言っておく。



「マーテルにレッドベリル、シトリンにラリマール……近いうち僕はまた旅に出る。戻ってくるまでこの街を防衛してくれるかい?」



 僕がそう言うと『御意!我らが主人のお望みのままに……』とマーテルが言う。


 眷属は一番上が認めると、下位の種族は絶対服従の様だ。


 母であるマーテルに逆らう様子は全く見られないからだった。



 ◆◇



 僕は宿屋を出て挨拶をした後、ギルドのファイアフォックスと冒険者ギルドに顔を出してから、ローズガーデン側へ行く方の門へ向かう。



「待っておったぞ。今から漸く交易都市へ行くんだな?」



「えぇ!?ソーラー侯爵にマックスヴェル侯爵……何故此処に……あれ?ザムド公爵とウィンディア侯爵は?」



「アイツ達は……今朝早く持ち場である王都へ戻ったよ。昨日までは偶然お前の代行をする息子夫婦の様子を見に来ていただけだからな。国王陛下崩御の為、この都市に移る話があると聞いただろう?」



「どおりで!『衛兵長が王都に伝令を』って言ってたので……着くのが余りにも早かったから、一体どんな手段を使って来たのかと思ったら……偶然居たんですね?納得です」



「ああそうだ……。姫達の安全を確保するのに陛下なき今……王都では不安しかないからな……」



 僕は言葉短くそう話すと、侯爵達と『王都で会おう』と約束してから交易都市に向けて移動する。



 ちなみに既にマモンとチャタラーはここにおらず、危険分子を探す旅に出ていた。



 ◆◇



「こ……此処が………薔薇村!?」



「はい!?……ああそうか……アンタが居た時はまだ小さい村だったね……」



「ヘカテイア……様変わりするって言ったって……コレは流石に………」



「貴方が居ない間に、この村を街にまでするって村人総出で建築した結果なんだってさ!王都並の環境をこの辺境に見たせいで、前とは比べられないほど爆発的に人口が増えたらしいのよ?それも……」



 ヘカテイアがそう言いかけた瞬間、僕は背後から蹴り飛ばされる……



「冒険者風情が私が行く道に立つなど邪魔である!!このローズガーデンの次期領主イガーヒ・リアーロシュ伯爵なるぞ!」



 そう言った貴族は舐める様にヘカテイアを見る……



 ヘカテイアは転んだ僕を見て『げたげた』と笑い転げているが、今のところ僕を笑うだけで貴族を相手にする様子は無さそうだ。

 


 僕を蹴り飛ばした貴族をアンバーが肉団子に変えないか心配したが、アンバーが動く事はない。



 何故なら『悪意』があっても『殺意』は無いのだ。


 幾ら僕が彼の住む場所の領主であろうと、トレント族の魔王になったアンバーにとっては向こうの世界にいた為に悪意など日常茶飯事だ。



 それ以前に、人間の持つ傲慢程度には慣れている。


 遥か以前から知り得た事であり、生活に必要程度なら森の伐採にも目を瞑って来たからだ。



 それが薪にして賃金を稼ぐ様な金目当ての伐採であってもである。



 『人間との調和と共存』それが本来のトレント族の生き方である。



「ちょっと!酷いじゃないですか……後ろから蹴り飛ばすなんて!」



「何を言っておる?今の話を聞いてなかったのか?我はこの街の次期領主イガーヒなるぞ!お前みたいな冒険者掃いて捨てるほどこの街には集まるのだ!この件でお前の冒険者としての生き方、即ち身の振り方を勉強するのだな!」



 その様を見て僕は『ちょっかいを出す王都の悪辣貴族』の件を思い出した。


 僕の顔を見て尚、『名前が出てこない』となればここ数年で出世した新顔貴族なのだろう。



 と言う僕も貴族とは名ばかりのデマカセ貴族ではあるが……



 言い返そうか悩んでいたが、僕の考えを他所に彼は『悪態を吐きながら村の住民に喧嘩を売っては問題を起こす……』を繰り返し進んでいく……



「冒険者さん!大丈夫?……アイツ最近ローズガーデンに来た新参者なんだよ!王都貴族らしいんだけどね……毎日ああして迷惑をばら撒いて回るのさ!」



「そうなんだよ!でもまぁ……アンタみたいな冒険者なら、あんな奴でも顔見知りになっておかないとならないもんな?心中を察するぜ!」



 蹴り飛ばされた僕を見て、近寄ってくる住民はどれも新顔だ。


 僕を見て名前も出てこないことを考えると、それだけ住民が増えたのは間違いない。



 数十分もあれば見て回れる薔薇村だったが、今はそんな状況は何処えやらである。


 しかし逆に考えれば僕にとって最高の条件である。



 僕の顔を知らない以上、僕がこの街の癌を切除して回ればいい……


 しかしその時間はすぐには取れないので、おいおいともなるが。



 そこで僕はヘカテイアが使った変身魔法を使う事を思いつく……今は『別人』として街に入り様子を伺うのだ。



「いやぁ酷い目に遭いました。貴族の横暴は慣れたものですが……あれは異常ですね」


 僕がそう言うと、相当溜まってたのか民衆の恨みつらみが爆発した。


 あれよあれよと言う間に、街の問題を把握できてしまう。



 その内容からして、1日そこいらでは到底解決出来ない問題だ。



 僕は念話を使い、アンバーとヘカテイアに指示を出す……



『ヘカテイアにアンバー。後で理由は話すけど此処での僕の名前は伏せてくれ。あとヘカテイア……民衆と別れたら僕とアンバー、あと自分に擬態の魔法を頼む。性別を反転させてくれると助かる』



『性別を!?まぁいいけど……私は男になんかなりたく無いわ。だから姿形を60代の老婆にでもするわ!要は私達って薔薇村の住人にはバレたく無いって事よね?』



『察しが良くて助かるよ。ユイとモア、そしてスゥの一件が片付いたらこの街を治療する必要がありそうなんだ』



 僕がそう言うと、ヘカテイアは『何よ治療って!?面白そうじゃない……じゃあ早く移動しましょう?』と言う。



 僕は薔薇村の村長が今も尚街に健在か……を確認しに向かう。


 交易都市になって尚、薔薇村から引き続き治めるのは無理があると感じたからだった。



「そう言えば皆さん……村長が今どこに居るか分かりますか?」



「村長?町長の間違いだろう?居るなら間違いなく冒険者ギルドだよ!あの人は毎日欠かさずあそこに向かう。日暮れまでそこで執務をして自宅に帰るのが習慣さ!」



「そうだねぇ……何故かギルドの応接間の一角を執務室として使ってるんだよねぇ……『儂は執務室代行じゃ!町議以外ではあそこを使う権限は儂には無い!』って言ってるらしいよ?」



「町長が……庁舎を使わないんですか?……か……変わってるなぁ………」



 僕はそう言うと街中心部にある冒険者ギルドの方角を見る……


 ギルドに寄り添う様に立つ木造社屋は表門が閉ざされ開いている形跡はない。



 僕は村長と村長補佐がいると言う噂を聞きつけ、新造された冒険者ギルドへ向かう。



 ◆◇



「村長殿!!無理をなさいますな。お風邪が治っておらぬでしょう?無理をして死んでは元もこも無いのですぞ?ヒロ様が帰って来たら、村を街にした功績を褒めて貰うのでしょう?」



「イスクーバ様……ですが……儂が頑張らねば!あの王国の腐れ貴族共が好き勝手に街を食い物に………ヒロ様との約束の地なのですぞ!」



「分かっております。ですが……陛下崩御の知らせがあっては………。陛下の後ろ盾を失ったこの地とて、もはや無事ではありませぬ」



「そうですぞ?我々アンミン家で悪辣貴族共を何とか押し返してみますので……今はしばし休まれよ!せめて熱が下がるまでは!!」



「そうだぞ!このギルドの管理を与えてもらった俺からも敢えて言わせてもう。今すぐ帰って寝ろ!」



「ですがバーム殿……」



 僕は応接間の一角からそのやり取りを静かに見守っていた……



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