第1089話「冒険者ギルドと救世主チャタラー」
予約更新件数マックスが分からんですバイꉂ(≧∇≦)ひえー
一応入れておきますw
「ヒロさん?……嘘……本当にヒロさんだ!!噂じゃ無かった……」
第一声でそう言ったのは、忘れもしない顔見知りの女性だった……
「メイフィ!?す……すごく変わったね……6年でそんなに髪伸びるの?」
「へ?元々お団子で纏めてたんです……降ろしただけですよ?まぁ伸びましたけど……」
髪を下ろしているメイフィは全く別人のイメージだ。
僕はメイフィに怪我人のことを聞く。
情報を集めれば集めるほど胸糞悪くなる内容だ。
「じゃあ……部位欠損やら……復帰できない様な?」
「…………はい………冒険者の使い道は主に盾役なんです……ゴーレムが抜けた穴を冒険者で……」
「騎士団は?って……出兵してない理由はもう聞いてたな……」
「もうお聞きに?そうなんです……もうゴーレムの補給がない以上ヒロさんは王国を諦めて捨てたんだと………そんなことないですよね?」
僕は火焔窟のことを掻い摘んで説明する………
「な!?ダンジョンの深部に単独で!?……そんな状態で何故死なないんですか?もう……魔物が化け物なのかヒロさんが化け物なのか……」
「メイフィ……相変わらず毒舌だね?」
「それより……今ギルドでは大騒ぎなんですよ?ヒロさんのお仲間さんが『秘薬』を造られたって………」
僕はその回復進捗を聞きにきたと説明する……
「あ……あそこにいたぞ!!救世主だ!我らがジェムズマインの領主様……秘薬を山の様に届けて我らを救ってくれた!!」
僕は咄嗟にチャタラーを前に摘み出す………
「君たちを助けたのは『彼』だ!礼なら彼に言え!!」
「お!?おい……テメェ………ふざけんな!!」
僕はチャタラーに『ごめん!あとで飯うま待ってるから!』と言って、ゾンビの様に押し寄せる冒険者に群れにチャタラーを押し出す。
「助けてくれのはアンタか!?俺もうダメだと思ったんだよ!!本当にありがとう……名前はなんて言うんだ?チャタラー?そうか我等が神チャタラー。薬神チャタラーに万歳!!」
「「「バンザーイ!!」」」
「誰が神だふざけんな……俺は神は嫌いなんだよ!!いいか?神になんぞ頼るな……奴等は覗き見するだけで助けてなんかくれねぇぜ!!」
「そうだな!!よく分かるぜ。現に助けてくれたのは神じゃなくお前さんだ……。実は俺……毎日神に祈ったんだ。腕と脚、失った目を元に戻してくれって……でも……いくら経っても何も無かった。でも今日お前さんが来た!」
「何度も言わせるな!俺は神の使いじゃねぇ……比べるなら悪魔側だ!!」
「分かってるって!神はクソだ。俺はアンタのためなら悪魔にだって祈るぜ!!助けてくれない神なんか糞食らえだ」
「ああ!そうだぜ!俺たちも同じだ!!お前こそ俺たちの神……いや欲望を叶えてくれる悪魔……大悪魔様だ!」
「ぐ………なんだ………」
チャタラーはそう言うと、突然バランスを崩す………
「どうした?オイアンタ………気分が悪いのか?おい受付!!椅子持ってこい!!恩人が倒れそうだ……気分が………」
「違う………そうじゃねぇ!力が……俺の渇きが……満たされる……何かが内側から………」
チャタラーはそう言うと大きく覇気を纏う………
「アンタ……アンタその気勢は……まるで金級冒険者の拳闘士アスマみたいじゃねぇか……」
彼はそう言うと、アスマのことを説明する……
すると何処から現れたのか、マモンが首を突っ込む……
「………アスマか懐かしいぜ……おいチャタラー良く聞いとけ?前に話した、お前が得るべき力を得た奴……それがソイツだ」
「って事は……まさかマモンさんがきっかけを与えたという男?」
「ああソイツだ。アスマはお前と違ってな、まるで逆だったんだよ。お前に足りないものそれは所謂『知名度』だ。……神で言えば神格化に必要なものが信仰だ。奴はそれに代わる、英雄のとして信仰に似たものを持っていた……」
「じゃあアスマって奴は何が無かったんですか?マモン様……」
「力だよ……圧倒的な力……お前の様に、人間を超えるきっかけが奴には無かった……」
マモンがそう言った瞬間、周りの冒険者は首を縦に振り、激しく認める。
「そうなんですよ!チャタラーさん。火焔窟から帰ってきたアスマさんは、もはや人間では無いんです!戦う時は悪鬼の如く……仲間を排除し、一人で荒ぶる戦い方から悪魔拳闘士と呼ばれてますからね」
そう言うと冒険者の男はチャタラーに冒険者としての階級を聞く……
「俺の階級か?魔人級だ……」
「魔人級?聞きなれない呼び方ですね?今で言うと……」
「プラチナ冒険者だ……チャタラーと言ったな……それは記録上にしか残ってない階級名称だ………」
「プ………プラチナ?……テカーリンギルドマスター………マジですか?マジでプラチナ冒険者?」
「そうなのか?俺の時はまだ上があったぞ?ジュエルイーターやアークドラゴンをソロで狩るには最低覇王級じゃ無いと戦えなかったからな……」
その言葉でざわめきが起きる……ジュエルイーターといえば領主のヒロが退治して大騒ぎになったからだ。
それを目の前の男がソロで殺せると言ったのだから、それは騒ぎにもなるだろう……
「なんてこった……墓場から英雄のお帰りか?」
「いいかお前たち……この件については緘口令をしく……外での触れまわりは一切禁止だ。お前たちも世話になったチャタラーの不況など買いたくないだろう?」
「いわねぇよ……ただ秘薬を提供してくれたお礼を言いたかっただけさ!!」
「構わん。大したものではない。それより今俺はこのギルドで串肉を買う金が必要だ。薬を分けてやるから感謝してるなら買え……」
チャタラーはそう言うと、折りたたみ式のマジックバックを出し、山程のマジックポーションを出す。
「俺はもう使わない物だがお前たちには有用だろう?リカバリーポーションやフルポーション、蘇生薬に分身薬だ」
「か……買いたくても買うだけの金がねぇよ…………」
「なんだお前たち?串肉代の金も無いのか?……仕方ないな………」
その言葉に全員が有金が入った麻袋を出す………
「俺こんだけだけど助けてくれた礼だ。取っておいてくれ串肉なら、店売り分は全部買えるはずだ……」
「なんだ……あるなら早くいえ……好きなのを好きなだけ持っていけばいい……俺は肉を買ってくる……」
冒険者の男はその言葉に戸惑うが、マモンが『あいつのお手製だまた作るから持っていけばいい……』と言う。
その言葉に全員が狂喜乱舞して金を置いてはポーションを持って行った。
「おお!俺はまた戦えるぜ!!このポーションさえあれば……うう……チャタラーは我々の救い主だ!!」
「また王都で戦うぞ!!俺たちでこの国を守るんだ!!チャタラーさんの言葉通り、クソ貴族に頼るな!俺達こそがこの国の要なんだ!!騎士なんか糞食らえ!!」
「「「「うおぉぉぉぉぉ!チャタラー様バンザーイ!!」」」」
この日このギルドから、悪魔薬師チャタラーの名前が語られる事になる……
どの薬も非常に強い効果があり、麻薬の様に身体を蝕みより深く戦闘にのめり込む効果がある……
不思議な事に、そのポーションは一度使っても翌日には満タンになっている。
それを得た冒険者は、巨万の富を得て文字通り死ぬまでダンジョンに潜り続けたのだ……
死んだ理由……それは当然仲間の裏切りによる物だった。




