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第1030話「北部戦線・氷雪種の魔物」

こんにちわぁ!今日はものすごい風_(:3 」∠)_転びましたw


膝擦りむいたw\( ॑꒳ ॑ \三/ ॑꒳ ॑)/


前回までのお話は……


ロナ・ウルグスの監獄でサイキと再開した主人公……


彼女は帝都に帰る際に攫われていた……


主人公はその事を聞く間も無く、帝都を逃げ出していた……


結果的に出会えた二人だったが、サイキは力を得るべく旅立ちを覚悟したのだった。


「第一波に続き、第二波も沈黙。正午までの敵は今ので最後と思われます!」



「うむ!!塔兵を回収後、交代で罪兵を休ませろ!」



「「「はい!!」」」



 偉そうに監獄長はそう言うと、塔内部へ帰っていく。


 多分先程仕留めたクロコダイルでも食べにいくのだろう……


 塔の外郭には死んだクロコダイルが吊るされ、片っ端から血抜きがされている。



 周囲は氷と雪なので塔の外郭は真っ赤に染まっている……


 いっその事クリムゾン・ウルグスとか、ロナ・クリムゾンと名前を変えた方が良さそうだ。



「おい!!アンタ……どんだけ出鱈目なんだ……魔法使いか戦士かハッキリおしよ!!」



「ちょっと!!アリッサ………」



「ブランシュ!!アンタだってそう思っただろう?」



「いや気持ちはわかるさ!でも助かったじゃ無いか!!」



「いーやハッキリしないのは嫌いな性分なんだ。槍を投げた時は、コイツはなかなかの戦士だと思ったさ!!だけど蓋を開けてみたらどうだい?」



「まぁ分かるぜ?アリッサ。遠距離で軒並みぶっ殺す……と思ったら接近戦始めたかと思ったら、高速移動だろう?」



「グラズ!!アタイが言いたいことわかってるじゃ無いか!!アンタ今日何してた?」



「あ?俺か?クロコダイルを塔内に運ばされたな……惨めだったぜ?タンクが攻撃受けずにクロコダイル運びとはな!」



 そう言ったグラズは『でもアゴニスよりマシだな……移動スピードで負けてる奴は移動して攻撃すると終わってんだからな!』という。


 結局途中からは、アゴニスもグラズと共にクロコダイル運搬任務をしていた様だ。



「だが俺は死にたく無いから良かったぞ?どうせパーティーだ。討伐経験値は俺が倒さずとも貰える」



「相変わらずアゴニスはクールだな?効率良くが最良なんだっけか?」



 アゴニスは僕へ『おつかれ!』と言ってクロコダイル肉を渡して来た。



 彼なりの労いなのだろう……僕は生活魔法で軽く炙ると、肉に噛み付く。



「うん……味はチキンだ!でも確かに軟骨が邪魔かも……一度ミンチにした方が美味しいかもですね?アゴニスさん」


 僕はそう言ってから、魔力ミキサーで粉微塵にして、団子状に捏ねてまた炙る。



「おいヒロ俺のも頼む……ついでに焼いてくれ。アツアツがいい」



 アゴニスは鳥軟骨つくね棒擬きをみて、食べたそうにしたので同じ様に作るって渡す。



「うん……美味いな喰いやすい」



「お……お前ら食い物の話してんじゃねぇよぉ!!」



 アリッサはどうやらもっと戦いたかった様だ。


 次からは彼女の取り分はしっかり譲った方が、後々面倒じゃなくて良さそうだ。



 ◆◇



「三波が来たよ!ヒロはサポートだぞ!今回はアタイが戦う!!」



「はぁ……もう好きにしてよ!ねぇ?ブランシュ?貴女もそう思うでしょう?」



「サイキ……アリッサは面倒な性格だから。短い付き合いだけど、脳筋なのは理解してる」



 それを聞いたアリッサは『誰が脳筋だぁ!!』とデスボイスをあげて、敵のど真ん中に飛び込んだかと思うと回転技を繰り出す。



『グギィィィ!!』


『ギャガァァァァ!!』




 周りが斬り殺され、それをみたアイス・リザードは威嚇をするが、アリッサは全く動じず次から次へと、ナマクラの武器を叩き込む。


「すげぇな……タンク関係ねぇし………」



「グラズさん……今回はいいとこ無しですね?」



 そうブランシュに言われたグラズは『はぁ仕方ねぇな、背後を守るとしますかねぇ……』という。



 サイキはと言えば、両手に持ったシャムシールを巧みに操り、アイス・リザードの弱点へ武器を突き刺していく。



 その様はまるで踊る様にステップを踏むが、目標を見誤る事はない様だ。



「グラズさん何もすることありませんね?」



「おいヒロ……お前がそれを言っちゃダメな気がするぞ?さっきまで5人がその状態だったんだ。暇がどういう事かを知るべきだぞ?」


 グラスはそう言うが、アゴニスは氷塊に座り未だに余分に作ったツクネもどきを食べている。



「グラズさん……アゴニスさんとうとう座って休んでますよ?」



「うげぇ……マジかよ。でも……あれが今日の正解かもな……」



 僕がいない間に相当戦闘訓練を積んだであろう、サイキの戦闘センスは素晴らしかった。


 前に貰ったマジックアイテムを見た限り、物作りのセンスがずば抜けて居ると思ったが、どうやらそれだけではない様だ。



『ゴワワァァァン!!』



 新しい仲間と色々話していると、急に銅鑼の音が響く。


 そをを聞いた周りの者は、一目散に塔内へ帰ろうと押し問答を始めた……



「銅鑼の音?アレは……終了の合図ですか?」



「ちげぇよ……今すぐ退却の命令だ。スノーストームが発生した『銅鑼の音』だよ!!」



 そう言ってグラズは、僕を置いて塔の中へ逃げ込んでいく。



「アリッサ!サイキもう潮時だよ。スノーストームがくる……その位置から先は塔内部へ間に合わなくなる!!」



「サイキ……アンタはブランシュと逃げな。殿はアタイがする!!」



「アリッサ……私マズったかも……」



 そう言ったサイキは脚を見せる……



「あ………それって……アイス・リザードの尻尾氷針かい!?なんで………」



「塔兵が仕留めるのをやめて逃げたのよ。とどめは刺したけど……この脚じゃ走れないわ」


 

 サイキは観念した表情で『アリッサ貴女は塔へ!』という。



 しかしアリッサは『死ぬと分かるその最後まで諦めるな!』という。



「ブランシュさん貴女は塔へ……僕は二人を救出に行きます」



「馬鹿言ってるんんじゃないよ!!此処のスノーストームは特別制だ。巻き込むもの全てを氷塊に変える特殊な嵐なんだ!」



「だからこそ僕しか出来ない救出法を使います。今からやるのは最後の手段なので、人手が少ない方が助かる確率は増えるんです!」



 そう……僕には彼女達を救う方法が一つだけある。


 依然一か八かでやった手段……地面への扉の設置だ。



 『壁』と言う概念はあくまで人間が作った物……だから僕のスキルには穴がある。


 それが分かったのは、命の危険に晒された時だった。



 人間は、概念そのものがあやふやだ。


 足の下の氷が元々氷壁だったなら、それは『元壁だ』と言える。


 頓知合戦では無いが、それだけこの異世界のスキルは『あやふや』と言えるのだ。


 一度出来たならば二度目も可能だ……やってやれない事はない。




「くそ……アイツ等を助けるには手段なんか選んでられない!!アンタにあの二人を任せた。絶対死なすんじゃ無いよ!」



「分かってます!ブランシュさん。貴女こそ死ななでくださいよ?逆に貴女が死んでたら寝覚が悪い!!」



「くは!言うね……坊やの癖に!!」


 ブランシュにそう言うと、彼女は塔の入り口へなだれ込んだ。



 今度は僕のターンだ……


 ◆◇


『ゴォォォォォォォォ!!!』



「何をしてるの?アリッサ……今此処で一緒に死んでも意味が無いわ!!貴女はあの悪辣貴族にギャフンと言わせるんでしょう?」



「サイキはギャーギャーうるさいね!!アンタを担ぐ為に、お気に入りの武器を棄てたんだ。だから黙ってな舌噛むよ!」



『ゴォォォォォォォォ!!!ビシビシ……キシン……ピシン』



「アリッサ!!私は諦めて!!もう充分だから………私の代わりにやり遂げて!!ねぇアリッサ!!」



「だからうるさいね!!自分の事は自分でどうにかしな。此処から助かったらね!」



『ゴォォォォォォォォ!!ゴワワワワワ……ビシビシ………ゴゴゴゴゴゴ………』



 僕は二人に迫り来る、特殊なスノーストームにタッチの差で勝った。



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