表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1030/1208

第1016話「ディーナの宿願とメルルとの未来」

こんにちわー!更新遅くなってすいません!ꉂ(≧∇≦)


友人の親がコロナになったので、検査に行ってきました!


さぁ更新ですぞ!


前回までのお話……


ディーナの家に行くまでの障害を考えると、正攻法に頼れない主人公……


そんな折、声をかける人物が……


コールドレインの街に根を張り、詳しい人物……それはハリスコだった。


彼の道案内で裏通りから隠し通路を通る……


そして無事ディーナの家に着くことができた主人公であった……




 しかしディーナは、間髪入れずに会話を続ける。


 どうやら流石にソロでは、攻略が無理だと思ったのだろう。



「それに最下層でしょう?ソロじゃ無理です!!一緒に潜ったお仲間の方だって、各自の報酬を待っているんじゃないですか?潜ったのはガルムさん達ですか?それとも騎士団でしょうか?」



 ディーナが『これ以上迷惑はかけられない』と思っているのは、口調からも伺える。


 僕が説明をしようにも、ディーナは話を聞こうとせず、『その様な価値のあるポーション頂いても、私達には支払えるお金がありませんので、頂くわけにはいきません』とまで言いはじめた。



 何とか僕が引き下がるように説得をしたいようだ。


 僕は横に座っているメルルに秘薬を握らせると、無言で蓋を開ける。



「メルルちゃんママの病気は治ってほしいよね?」



「うん……メルル治ってほしい……」



「じゃあGOだ!」



「うん!メルル……GOしますですます!!」



 僕は兼ねてから、メルルには強く言ってある。


 お客に物を売るときは『強気で!』と……その時の合図が『GO!』なのだ……



 しかし最近GOと言うと、条件反射で強気に出る事が判明した。


 メルルはみるみるうちにディーナに肉薄して、何とか防ごうとするディーナの手を掻い潜り、その口に秘薬を突っ込んだ。



「コラ!メルル!?GOって何よ!!ああ……駄目!!お母さんはこんなポーションのお金払えないの!だから……モゴモゴ……んぐっく!ゲホゲホ……っぷっは!!ああああああ!?……の!?飲んじゃったじゃないの!!」



 怒り狂うディーナだったが、僕とメルルはその効果をその目で実感する。



 ポーションの効果は即効性だったようだ。


 効果は非常に素晴らしく、ディーナが受けていた呪詛を全て祓っている。


 その肌には、どんどん血色が戻っていく。


 そして効果は呪い解呪だけではなかった……なんと欠損していた脚部分にも影響があったのだ。



 半透明色の脚のラインが切断面から伸びてきた。


 そして、その中に血管や骨そして神経などが、ゆっくりと太腿から爪先に向けて形成される。



 透けている為、理科の実験室にある人体模型を見ている様だ。



「お母さん……脚が………生えた……よ」



「メルルちゃん……お母さん……脚が……生えてきたわ……」



「よかったですね?ディーナさん。呪いも消えて、オマケに脚まで生えてきた!」



 僕がそう言うとディーナは『あ!呪い!!』と言う。


 実感していなかったのか、神経の一部が石化して動かしにくかった腕を動かして確認する。



「あ!?う……うごく?……お母さん……手が動くわ……」



「お母さんお顔の色も違うよ?灰色っぽい色が……メルルと同じ色になってる!!」



「え!?……本当に?……わ……わたし……治ったの?メルル……貴女を一人にしないで済むの?……あああああ……メルル!!メルル本当に良かった……ああああああ………メルルとずっと一緒に居られるわ!!」



 そう言って泣き出すディーナは、メルルを抱き寄せた……



 ◇◆



「お兄ちゃん、メルルお礼にお手伝いするね!」



「じゃあご飯ができる前に作業しちゃって良いかな?折角素材集めたから……」



 僕はそう言って万能薬素材を片っ端から製薬していく。



 しかし本当に奇跡のポーションだけあって製造は困難だった。



「お兄ちゃん98個目失敗?」



「うん……非常に疲れた……出来れば疲れないんだけどなぁ……」


 僕は99個目の製造に取り掛かる……



 6kgの塊肉を全部焼肉用にスライスしていたのでディーナも時間がかかったが、その準備も終えて夕飯もそろそろ出来上がる。



 いい加減、この製薬作業も終わりにしなければならない。


 しかし残り2個を残すのも些か気にかかる……



「ヒロさん、最後の2個終わらせたらお食事にしましょう!ヒロさんなら絶対出来ますよ!頑張って!」



「そうだよお兄ちゃん!もうお母さんには必要無くて、何に使うか分からないけど頑張って!」



 メルルの核心を突く言葉に凹むが、失敗しても困る事はないと思うと何やら肩の荷が降りた気分だ。



「まぁ失敗したらまた集めて作ればいいですからね!今は出来ても既に無用の長物になり下がってますから。気軽に………あ?できた……………お!?おおおおお!」



「お兄ちゃん……出来たの?万能薬?」



 僕は雑談をしながら最後の混ぜ工程をしたら、なんと最後の2本共が成功した……。



「なんかいっぺんに増えちゃいましたね?」



「ですねディーナさん。でもまぁ……あって困る物じゃないし……」



「そもそも万能薬といえば大変な値打ち物ですよ?そんな雑な言い方は、出来た万能薬に失礼です!!」



 そんな会話をしつつ、出来た万能薬を見る。


 メルルは味見をしたがったが、ディーナのお肉攻撃で撃沈してすぐに台所に走って行った。


 

 それを見た僕は、メルルと一緒に肉に齧り付く。


 ディーナは笑いながらも『ヒロさんが見本になっちゃ駄目です!』と言っていたが、止める気は無いようだ。



 ◆◇



「メルル?もう!食べながら寝ないの……」


「ふえ!?はぐはぐ……クチャ………クチャ………」



「メルルちゃんお肉は逃げないから……残しておけば明日の朝ごはんになるだけだしね!ちゃんとご馳走様して、寝る前に歯を磨きな」



「うん……メルル疲れちった……寝るます……」



 ディーナはその変な言葉を聞いて……『最近一段と言葉遣いが変になっちゃって……はぁ……冒険者ギルドのお手伝いも良し悪しね!!』と言いつつ笑っている。


 このまま平穏な同じ日々が続くことに、感謝をしているようだ。



「さて……ディーナさん、一悶着ありそうなので……僕は一度ギルドに行きますね?」



「ええ?もう日が暮れて結構経ちますよ?今からですか?」



「ええ……多分そろそろ招かれざる客が、様子を見に来る頃でしょうし……それにドドムさんに報告に行かねばだし!」



「招かれざる客?それって……誰ですか?」



 ディーナがそう言うのも無理は無い。


 今日は彼女にとってめでたい日なのだ。



 できれば邪魔など入ってほしく無い日なのだから……


 しかし僕の感知には、既に此方へ向けて歩いてきている人物を捉えている。



 ディーナの元へ来る相手……それはイコセーゼの様なやつでは無い。


 ちゃんと礼儀を踏まえた奴で間違いは無いのだ。


 

 ディーナの知人であれば誰もが彼女に会える訳では無い。


 19階層まで踏破した以上、彼らの目的まで後一歩なのだから、その重要性は痛いほどわかっているからだ。



「ディーナ殿失礼致す。ちょっと確認に……ヒロ殿は朝出られて、何時ごろ帰ると…………」



「はい?ああ!!ヴァイス騎士団長様ヒロさんであればもう帰ってきてますよ?」



「な!?なんですと?何処から家の中に?兵が外に…………な!?ディーナ殿その血色は……………と言うかその透明な脚は!?」



「え?……これは………」



「ああ!それは僕が秘薬を飲ませた結果ですよ……彼女に適した薬をね!………」



 ディーナは僕を見ながら、話して良いものかどうなのか顔色を伺っていた。


 だからこそ僕は



「く!!お……遅かったか……やはり踏破はヒロ殿か!!」



 そう言ったヴァイスは『ガルムさんはダイバーズが踏破したとわざわざ答える必要があるのか?と言っていたが……』と言いながら、ディーナの生えてきた脚をマジマジと見ている。



「まぁ……ヒロ殿が踏破すれば、こうなる事は理解できた事だ。いやぁじつにめでたいですな、ディーナ殿。騎士団からも祝いの品を届けさせよう!」



 気持ちよくそう言うヴァイスは、さすが国民の守護騎士と呼ばれるだけある人材だ。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ