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第1011話「最下層・階層主の部屋」

ふお!?_(:3 」∠)_寝てたっすw


更新をばー!!


 僕の事を色々と知っているダイバーズのメンバーには、もはや隠し事をする必要はほぼない。


 精霊魔法をガンガン使い、転送陣がある部屋を目指す……



「なぁ……ガルム……敵が輪切りで燃えてる様に見えるんだけど……」



「そうじゃなぁ……輪切りは輪切りでも、横ではなく縦切りで燃えてるのぉ……」



「だよなぁ……でもささっきは風で壁に吹き飛ばされてたよな?ペム……魔法ってこうなのか?」



「ワシの基礎属性魔法は一種類じゃぞ?あれだけの出力は出せんよ。儂を化け物と一緒の括りにするのはやめてくれるか?レック……」



 漸く見えてきた部屋を僕は指差す。



「見えてきましたよ!あそこの部屋が転送陣がある場所ですね……。まぁ危険を考えると、この周辺で戦うのが良いでしょうね……休憩ができる安全部屋は、此処から正反対の場所ですし」



「すまんのぉ……儂等はいつの間にか立場が逆転しとるなぁ……」



「あのねぇガルム……出会った時から今の今まで、ダイバーズの立場がヒロより優位になったことなんか一度もないってアタイは認識してるんだけどね?」


「そうじゃな……。ガルムよ、レイラの言う通りだ。同じ魔法を使うものとして、この力量の差は認めたく無いが……もはや埋められる差では無い……。儂等は助けられてから一度も戦ってないのじゃぞ?」



「でもよう……回収した宝だけ増えていくんだけど……。マジで良いのか?欲しいの一つ抜いたらディーナへ持っていって……最下層の装備だぜ?」



 僕はモルダーとその契約をしている説明をしたが、レックは『普通に売っても、深層階の武器はそれなりに買い手がつくもんだぞ』と言う。


 しかし手に入れたのは箱から出た物ではなく、魔物の討伐報酬で得られた単品の武器だ。


 ステータス補正も特殊能力も備わってない……



 階層を降りるに従って、敵個体から所持していた武器のドロップも着実に増えた。


 一応回収はするが、ソロだったら正直邪魔なのでしなかったはずだ。



「じゃあ僕はスワンプ・タートルを乱獲に行きます。皆さんは一度地上で休んだほうがいいですよ?血色が非常に悪いですから」



「そうするよ!アタイはヘトヘトさ……もう丸1日は逃げ回って寝てないんだ……流石に酒と布団が恋しいよ……」



「儂もじゃ!エールを飲んだらそのまま寝れそうじゃからな……ヒロ助かった!アホやって死ぬなよ?」



 僕はガルムに『スワンプ・タートルを倒して素材集めするだけですから!攻撃パターン単調だからこの敵では死にませんよ?』と言うと呆れて帰っていった。


 ◆◇


『一匹殺っては父恋しー……二匹殺っては母恋しー……三つ殺ってはって………出ねぇ!!最後の一個が出ねぇし!!1個のために既に40匹亀さん大虐殺だよ!!』



 僕は亀さんごめんね……と言いなら、更に雪ん子に頼んで凍らせる。


 亀なので冷却すると冬眠する……


 そこでさらに凍らせ続けるとドロップアイテムに変わるのだ。



 この法則は雪ん子が発見した、冬眠大虐殺だ……


 痛い思いはさせて無いので少しは心が楽だ。



 冬眠して役に立たなくなった魔物を、ダンジョン側が意図的に廃棄している可能性がある。


 何故ならHPは満タンで『死亡』ステータスが浮かぶのだ。



『聞いてもいいべか?ヒロさ……』



「どうしたぁ?雪ん子さ……何ききてぇんだぁ?」



『なんかおちょくられてるみたいでぇ……それ嫌だぁ。聞きたい事はぁ、あんの扉さはーなんなんだべ?』



「ごめんごめん。なんか可愛くてつい……あの扉?そう言えばずっとあるね……かなり大きくて紋様がギッチリ彫り込まれてる……今までに見ない感じの物だね……階層主の部屋かな?近くに行って見てみようか?」



『いいだか?実は凍らせてるとたまに亀さ中に入ってしまうんだ……でも出て来ないから気にさなってたんだぁ……』



 扉のそばまで行くと中を覗き込む………



「うわ……なんか居るね……毒々しいというか禍々しい?」


『その両方って感じだべ?凄い穢れだべ……中は精霊さ入ったら、こっただ困っちまうやつだぁ……』



 僕と雪ん子が扉から中を覗き込んでいると、倒した敵が再度間近で湧き出した……



『ガチン!!』



「うぉぉ?いつに間に亀さん…………」



『そんれは駄目だぁ亀さん……アンタは凍ってんしゃい!『アイルバトゥ・ム・ジョール』……』



 雪ん子がそういうと氷で出来た棺に亀が閉じ込められる。


 氷の監獄と言う魔法で、唱えたら最後絶対に開かない……ある意味拷問的な魔法だ。



「あ!!華素材……出た!ラスト一個……」



『終わりだか?良かったぁ。わ(私)は役さたったべか?』



「雪ん子ちゃん役に立ったよ!大助かりさ。亀さんは防御力がさガッチガチだから、倒し方が酷くなるんだ。それに比べて雪ん子ちゃんの方法はもう完璧!」



 僕は雪ん子に最大の褒め言葉を返す……



 すると雪ん子は『よかっただぁ……じゃ後はメルルっ子の為に薬さ作れば終わりだなぁ?10層へ戻るだか?』と転移先の話をする。


 前々から製薬は、転移先でやることが多かったためだ。



「そうだね。人目につかない場所で作ったほうがいいしね!そもそもダンジョンで作ると穢れが心配だし!」



『ならこの場所さ氷を解除した方がいいだべ?人間さ此処に入ってきたら死んじまう』



 その言葉に僕は驚いてしまう……


 ちなみに今は雪ん子に言われて、サイキが作ってくれたクロークを着てしっかり防寒対策中だ。



 僕は周囲を見回してから『ちなみに……此処って何度?』と聞く。



『今かぁ?この空間はマイナス81.0度だべ……亀っ子さ早く凍らせるために寒くしてるんだぁ……』



「マイナス81.0度?南極基地並みに寒いんですけど……そこに僕はクローク一枚で?サイキから貰ったこれはどんな装備なんだか……本当に……」



 そう言いつつ華素材を見ると、ダンジョンの不思議でアイテムも凍っていない……



「本当にダンジョンって謎が多いよね……何でも凍る世界で、寒いのに華が凍らないんだよ?もう不思議を通り越してるよ……」


 雪ん子にそう言いつつ、帰り支度をする……


 しかし僕の視線は、重厚な作りの門から離せない。



「ちょっと対戦しようかな……確かここのダンジョンの階層主って、部屋に入っても出られるって聞いたし……。敵はもう待ち構えてる上に、どう見ても雑魚じゃ無い佇まいだから、あのヤバい転移はなさそうだしさ……」



『でもあの部屋は精霊さ入ったら困っちまうだよ?暫く寝こんじまうだ……』



「大丈夫!精霊攻撃無しでいくよ。あくまでも様子見だし、中に入ってやばかったら門からすぐに出るから!!」



 僕はそういうと、マジッククロークに着替えてから装備を整える。


 雪ん子の魔法効果は終わってるが、空気がキンキンに冷えているのか、何処と無く寒く感じる。



「よし、素材集め完了記念だ!ボス退治に行きますか……」



 僕は扉の前で雪ん子にお礼を言って、腕試しの準備をした。


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