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第1000話「トポルター達の異変」

おはよう御座います_(:3 」∠)_起床death


前回のお話は……


メルルの無茶苦茶な商売方法に翻弄される冒険者達……


一切値引きしてもらえる事もなく売りつけられた前話。


街では少し様子がおかしくなった知り合いが……今回はその続きから\( ॑꒳ ॑ \三/ ॑꒳ ॑)/





「おい……テメェ等事と次第によったらその馬鹿げたセリフ……生かしておかねぇぞ?」



「なんだと?ヒヨッコが……お前なんか俺のレベルからすれば雑魚なんだよ!ざーこ!!」



「カッカッカ……やめとけ雑魚相手に。雑魚臭が移るぜ?エグバート」



「はっはっは!それもそうだなトポルター」



 良い人の風格は微塵と感じないその様は、中身がガラリと変わったかのようだ……


 エグバートもアントムもダンジョンの中の雰囲気とはまるで違う……


 トポルターに至ってはその目は、左右別々に他の場所を見てあからさまに変だ。



『アレは……なんだ?あまりにも異常だ………』



 僕は鑑定を試みる……『鑑定失敗………鑑定する要項が既にありません。中身は抜け殻です』



 『な?中身が……抜け殻ですだって!?………な……なんだコレは…………』



 そう思っていると、突然ギルドの入り口に方から声がかけられる。



「イコセーゼ!まだこんなところで油を売っているのか?既にシリカ様がおいでだぞ?不信任の書類を持ってこい!!」



「は……はひぃ!!……エルメッド伯爵様……今すぐ!……」



 脱兎の如くエルメッド伯爵の元へ向かうイコセーゼだったが、その行動はある女性の一言で静止された。



「エルメッド様にイコセーゼ坊ちゃん、暫しお待ちを……エルメッド伯爵様……。朝方冒険者三名を面通しをしましたが、お話をした相手があの坊やの様ですね……何故ならその三人が彼と睨み合ってますから!」



「なんだと?イコセーゼ……それは誠か?」



「エルメッド様。誠でございます………。実はその件で財宝を私が先回りで回収しておこうかと思い、先にこうしてギルドへ来た次第であります……」



「ほうほう!!なかなか殊勝であるぞ!お前はやはり見所がある……私が公爵になった後お前の伯爵の地位はわしが補償しよう!」



「ま……誠でございますか!?エルメッド伯爵様!!」



「当たり前だろう?国宝級の宝を持つ男を逃さず引き留めたのだ……あとは回収するだけであろう?」



「その通りです!エルメッド侯爵様……あ!伯爵様……」



「はっはっは!お前は口も上手いな?……帝都に居を構える準備をしとけよ?私の腹心としてな……はっはっは……」



 目の前で見せられている茶番など、今の僕には興味はない……


 ルンハルトにラウレーネそしてアルレーヌの存在が気にかかる……ダンジョンに置き去りなのはほぼ間違いはないだろう。



 階層次第ではその命さえ危ういだろう……


 15層で出会った以上、その階層付近であるのは間違いない。



「さぁ……シリカ様にエルメッド伯爵様の前なるぞ?さっさと財宝を供出せよ!」



「馬鹿なことを言うな……イコセーゼ!!どんな貴族であろうと冒険者が得た財宝は奪うことは出来ん!それが冒険者の持つ権利だ!」


 そう言ったのは他でもない『冒険者ギルドのテカロン』だ。


 ギルマスらしく仕事をする様は素晴らしいが、波乱を生む宝より仲間の命の方が僕は大切だった……


 だからこそこの状況をうまく利用する。



「良いでしょう!供出は構いませんよ……」



「な!?何を言うかヒロ。どんな宝か知らんがそんな権利はアイツらにはない!!」



「そうだぜ!ヒロさん?そんなのは駄目だ!」



「俺達が奪わせねぇから、アンタは安心しろ……」



 僕は引き止める彼等の前にでてマジックバックから刀と浴衣、着物や忍者刀などを出す。



「が!?ヒ……ヒロ……こ……コレは本当に国宝級の?刀と浴衣ではないか!!それに着物まで?」



「エルメッド伯爵様、コレを渡すには条件があります!まず其奴等アントムにエグバートそしてトポルターの仲間の三人が救出できたら渡します。居場所を教えてください」



「ゲヒャヒャヒャヒャ!マジかよ?馬鹿かテメェ?アイツ等の命で国宝渡すとか……大馬鹿だろう!!」



「いいから場所を言いなさい……アンタ達の利用価値がなければ、伯爵様に言って廃棄するわよ?」



「あ?場所だ?ダンジョンの16階層だぜ?なんだまさか……俺達は一緒に案内役か?シリカのオネェさん」



 トポルターがそう言ったあと、シリカと呼ばれた女性は僕を見る。



 『どうするの?』と言う意味だろう……



「16階層のどこですか?そこへは僕一人で行きます」



「それは……ダメよ?だって……『助けてハイさようなら』もあり得るでしょう?こっちからも誰かを連れて行くわ」



「シリカさんと言いましたかね?……僕は裏切り者を連れて行く趣味はないですよ!」



 そういうと、イコセーゼは憤慨して『お前は黙って言うことを聞け』と言う……


 しかし後ろに控えているダイアモンド・クラウンのリーダーは申し訳なさそうに『自分が行きます』と手をあげる。



 根っこが悪人になれないラッドは、長いものに巻かれないと生きていけない境遇になっているのだろう……



「ラッドさん……貴方では役不足よ?そうね……中立とすれば……ギルマスのテカロンさん、階層的にも貴方が適任だと思うわ。どうかしら?坊や」



「ええ、それであれば問題ないです。ですが言われた場所に三人がいなければ取引は無効ですよ?」



「ああ?俺たちが嘘言うわけねぇだろう?遊ぶ金がかかってるんだ……」



「そうだぜ!それにもし奴等が移動してたら俺等のせいじゃねぇだろう?」



 そう纏まりかけた時に僕は条件をさらに付加した。


 助けられないのでは意味がない……殺してないという言葉に信用性はない。


 するとシリカがまたもや妙案を差し込んでくる……



「なら……こうしませんか?上と下1階層ずつ含める。その中で彼等がいなければ無効。生死は問わず。しかし一人死んでいたら一人分の国宝を此方は諦める……当然三名死んでたらこちらは全て諦める。如何でしょう?」



「ちょ!待ってくれ……シリカそれは何でも……儂は回収して侯爵様に献上したいのだよ!イコセーゼの苦労も水の泡では無いか!!」



「エルメッド伯爵様……ならば、身銭を切って購入する他ありますまい?……そもそもですが、彼は供出するメリットはないでしょう?貴方とイコセーゼ坊ちゃん以外そのリストには名前は入ってませんもの……」



 どういうわけか、シリカはお互いのメリットとデメリットの話までする。


 そして話をしている内に、僕はその名前を思い出した……



 以前聞いた、『帝国魔導師協会』のヤバイ相手……その名は『シリカ』………だった。



『成程……どう転んでも自分は得をする動きをするのが目的か……エルメッド側なら侯爵へ貸しを……僕側であれば相手を見つけて売り込みができる……あの女性は非常に厄介な相手だ……』



「まぁ……分かりました!仕方なく条件をつけるなら、それがいいですね。メリットは僕に全く無いので……そもそも僕の知る帝都の公爵様に渡すつもりでしたので……皇帝派の」



 シリカは『成程』と言うと、僕にも何かの可能性を見出した様だ。


 しかし僕は目の前の三人の冒険者の事の方が重要だ。



 何がどうして彼等はこうなったのか……


 イコセーゼ絡みか……エルメッド伯爵絡みか……はたまたシリカが関係しているのか……情報が無く分からないのだ。



「おい!だがやはり二人で16階層は無理だろう?本来は6人で潜るのが鉄則なのだろう?トポルターお前は儂へそう言っておったよな?」


「ゲヒャヒャヒャヒャ。そりゃそうだ!ブルミノタウラーなんぞ相手にするのに2人じゃ無理に決まってらぁ……」



 その言葉を聞いて僕は、彼の発言に違和感を覚えた……


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