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第996話「16層の特殊階層主」

更新が遅くなりましたー\( ॑꒳ ॑ \三/ ॑꒳ ॑)/


あちぃですね……今日エアコンのリモコンが壊れました。

放置してた電池の液漏れでした……死ねます_(:3 」∠)_ぴえん



前回のお話……


ディーナにドドムの詳細を教えた主人公。


その情報は彼女達親子を死なせない為の最終手段だった。


やがてくる災厄……その日が来る前に避難してもらう為の手段でした。


翌日ギルドへ向かってからのお話スタートdeathꉂ(≧∇≦)ぽー



 僕は9層での狩りを諦めた後、10層へ降りたが当然この階層のメインモンスターはデスカルゴだ。


 狩りをするには間違いなく向かない……



 数匹スワンプタートルを狩ったが甲羅破片だけで華は出ず、その上デスカルゴの存在が邪魔すぎて無駄にMPを消費すると言う悪循環だった。



「ああ……この階層は駄目だ……数が揃う気がしないし、MP消費が多すぎる……デスカルゴが邪魔すぎだ!!」


 そう独り言を言うと、僕は『ウォーター・スフィア』でデスカルゴを吹き飛ばす。



 急いで魔法の地図を開き、転送陣を探す……



 記憶を辿る限り、10層以降は15層まで降りたがスワンプタートルを見ていない……



 『16層へ降りないとダメか……』そう思った僕は、15層からすぐに1階層下に降りる。



「か……階層主の部屋?……階段を降りて速攻?大馬鹿か……この階層は!!」



 部屋の外から中を伺うと、スワンプタートルの群れが見えた……



「あ!!群れが……この階層主はスワンプタートルの……群れだ!!」



 僕はその主部屋に可能性を見出した……



「失敗は許されない……取り敢えず最高装備にした方が無難か。ソロだし……ディーナさんの件で万が一を考えれば……無茶は出来ないし……」



 僕は感知で周囲を探るも冒険者はいない……


 ダイバーズや騎士団が居るとすればもっと下層階か、上層階で何か他の事をしている筈だ。



 『力技のゴリ押しをしても、他の冒険者に見られる心配はない……』そう判断した僕は精霊達に念話をする……



『ねぇ皆さん……ちょっと力を貸してもらえないかな?実はスワンプ・タートルが全部で15匹も居るんだ。本来1匹ずつ誘導しつつ倒すべきなんだろうけど……時間短縮したくて……』



 そう言うと全員が『仕方ないなぁ』と声を合わせて念話を送ってくる……


 僕は総意を得たので意を決して中に入る……



『グワン……グワン……』



「え?……嘘でしょう?……空間が歪む!?……どう言う事……………」



 変な感覚がしたかと思うと僕の頭に直接声が響く………間違い無くそれは念話だ。



『特殊階層主への特定条件解放………ソロ冒険者の16層階層主への挑戦により、転移を開始します……強敵を打ち負かし、勝利を得た者に祝福と誉れあり!』



「待って!!今の僕にはスワンプタートルで充分だから!他のボスは……いりませーーーーん!!」



 僕の声は虚しく部屋の響いた……そして目に映る消えてしまう景色……狩り尽くしたかったスワンプタートルが見えなくなる。



 『僕は別の場所に転移している』……そう把握した時には既に遅かった。



 その部屋には出入り口はなく、完全に閉じ込められたのだ………



 16階層の特殊条件を僕は満たした……そのせいで僕はシークレット級の階層主と戦う羽目になったのだ。



 その部屋のについた瞬間、違和感を感じる……魔物が見当たらないからだ。


 

 そして危機感知が僕に訴えかける……『普通の魔物ではない……ヤバイ奴だ!!』そう漠然とした感覚を……



 僕は五感を研ぎ澄まし、魔物がいる場所を感知スキルを使い探し当て……相手が動く前に鑑定をする。



『16階層 ブラッディー・プリン<血液> スライム種・プリン属 穢れと魔素が含まれた血液と、スライム種の死骸が混合され生まれた魔物。本来スライム種は知性が乏しいが、血の知識を持つこの個体は狡猾且つ残忍である。毒耐性以外のあらゆる耐性を持つが固定した形状を持たない」



 僕は『だから何もない壁の隙間に反応を感じたのか!スライム種で何処へでも入れるから!』……でも……毒以外のあらゆる耐性を持つ?



 『ブラッディ・プリン……血液だから……そんな名前か?』そう思いながら……


 元となったのが血だから……毒には耐性がなく弱点って事で……アイツ的にヤバイって事なのか?



 訳が分からず困り果てた僕は、シャンヴールの薬師としての毒技術を切望してしまう。



 しかし無い物ねだりだ……


 だが、もし彼が今ここに居たとしても、僕ほどレベルがない彼は無事に帰れるはずがない。


 

 しかし僕の考えを待たずに、階層主は僕を敵として認識していた……



 ◆◇



「くそ!!今度は溶解液………」



『ぶるん!!ジュワァァァァァ……』



『ウォータースフィア!!』



『ブシャ!!』



「やっぱりダメか……破裂させてもダメ、斬撃も効果がほぼ無い!打撃は意味もない……炎系で焼けば多少蒸発はするけど……再生が鬱陶しい!!」



 誰も居ない部屋で攻撃を繰り返し、瞬歩で回避をする。


 攻撃も移動もスピードで優っているので、攻撃を受ける事は少ない。


 しかし打つ手がなく万事休すだ。



 ちなみに召喚系の呪文でプリン種やらアクアパイソンやら総動員で呼んだが、ダメージを与えられないどころかプリン以外は血液を抜かれそうになったので、急いで僕は強制帰還をさせた。


 役にも立たず還されるのは嫌がっていたが、僕のせいで死なす訳にはいかない……心を鬼にして戻した。


 代わりに後でスワンプタートル戦で呼ぶからと言っておいた。



 そして最終手段の製薬で毒を生成する手段だが、相手は特殊な階層主だ……流石にその暇は与えてくれない。



「ああ!シャンヴールさん……ヤバイ薬を作って黒い猫の宅急便で僕へ届けて!!……血液に効きそうなやつ!!血液に混ざったら即死んじゃうくらいヤバイやつ!!」



 僕は悲痛な叫びをあげる………


 しかし返答があるはずも無いし、助けに来るはずも無い。



 何故ならこの階層主は、ソロ専用の特殊階層主だからだ。



 『せめてあの個体に有利な毒があれば……』そう考えていると僕の脳裏にある光景が浮かんだ……



「あ!!居たじゃん……居ましたよ!!力強い味方が」



 つい大きな声で独り言を言ってしまう……



「おいでませ!マッドネス・プディングさーん!!」



 そう……召喚魔法で呼ぶ系のプリン種ではなく、テイム契約を結んだ個体だ……



 それも相手と同じくらいヤバイ個体だ……


 各種無効のステータスを持つので、押し負けることは多分無いだろう。



 『内部に匿ってもらい毒を製薬して反撃に出れば……勝てる!』



 そう思うもマッドネス・プディングは一向に来ない……



『なんで来ないの!?一方的に契約したやんけー!!」



 僕は悲しくもまた独り言を大きな声で言う。


 最悪の場合ダメージ覚悟で製薬をする他なさそうだ……



 そう思っていると、僕の中からモンブランの声がする……



『ちょっとヒロ……あのプリン種が来ないのは名前を間違えてるからじゃ無い?マッドネス・プディングは特殊な進化してたでしょう?』



『え?まだ変化は終わってないんじゃない?マッドネス・プディングのままだと思ったんだけど……』



『進化先の名前で呼ぶだけ呼んでも問題ないでしょう?私達では魔物の事は割と分からないことが多いんだから!!』



 僕はモンブランにそう言われ『確かに!やってみても僕に損はない!』と考え、思い出しつつ名前を片っ端から呼ぶ……。



「ベノム・プディングさーん!マッドネス・キューブさーん!ヒューマノイド・ミミックジェリーさーん!居ましたら至急僕を助けておくんなましー!」



 若干ヤケでそう言い放つと、手のひらの契約印に痛みが走る。


 そして目の前の空間が裂けて、人型の何かが飛び出してきた……



「う……うそ?もしかして……プディング?」



 そう言った僕の言葉より早く、呼ばれた個体は動き始めた……


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