第994話「怒り浸透!?悪辣貴族とモルガン」
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前回までのお話……
街に広がるゾンビの群れその中に混ざっていたのはプレーグコープス・スウォームと言う脅威な魔物だった。
しかし街には守護神的存在が……
モルガンの魔術の一刀で切り裂かれ焼き尽くされた魔物。
しかし本当の脅威は魔物などではなく、帝国貴族なのは間違いが無かった。
モルガンにとって人族が何をしようと問題などない……この街を追い出されれば、この街から即座に出ていくだろう。
彼女にとって気掛かりなのは、ドドムとディーナの問題だ。
それも今となっては僕がいる。
数日後にはもう製薬実験ができるのだ……
「ああそうかい?ならそうしておくれよ!この街を救ったのは私の火魔法だ。同じ事ができるギルマスがいるんだろう?是非とも私の後釜になって貰おうじゃないか!」
「おい……モルガン短気を起こすな……相手をよく考えろ!!」
「そうかそうか……だったらこっちもそうする準備がある。古き帝国に骨を埋めたい老害など、儂は要らんのだよ!!儂の手足になる様なギルマスじゃ無いと今後の帝国は支えられんからな!!」
「はん……軍事路線をこのまま続ける気かい?いずれ思い知るよ……この地がどれだけヤバいか。アンタが後悔しても、その時に助けは居ない!よく覚えておくんだね!!」
「減らず口が此処まで過ぎると笑う気も失せるわ!!この土地はプルシエフ・フーチン侯爵様さえいれば、安泰に決まっているだろう?現状を管理しているのは侯爵様なんだからな!!」
そう文句を言うエルメッド伯爵の肩を持つ様に、コセ家の若造が肯定を示す。
「そうだぞ!!ギルマス風情が威張り散らすな。いいか?侯爵様だけじゃ無い……エルメッド伯爵様もいるんだ!そして伯爵様にはこの街を任されているコセ家もついている!!」
「おお!コセ家の次期当主、イコセーゼ・コセでは無いか!なるほどなるほど……なかなか殊勝では無いか……確か男爵の爵位を欲していたな?儂に任せておけ!!上の者に掛け合ってやろうぞ!!」
「あ……有難う御座います!!エルメッド伯爵様……何なりとお申し付けください!このイコセーゼ身命を賭して、貴方様に使えます!!」
「はっはっは!そうかそうか……ならお主を信頼して頼もうじゃ無いか!儂に仕えるに当たって一番最初の仕事だ。魔導師ギルドのギルマスの不信任を協会事務局へ提出せよ!」
「はい!喜んで!!」
「あの耄碌ババアがギルドから辞めさせられたら、晴れてお前は『男爵』だ!!儂が推薦してやろう!!」
そう言い付けられたイコセーゼは、すぐさま自宅へ戻っていく……
その様子からして間違いなくモルガンを追い出す気なのだろう。
そしてイコセーゼという、この街を預かる貴族の長男を得たエルメッド伯爵は、モルガンの言葉を完全に無視してギルドを出て行く。
「モルガンさん……このままではギルマスを辞めることに……」
「そうだぞ?モルガン……流石にお前以外にこの地のギルマスは任せられん……ダンジョンに問題がある度に解決してくれたのはアンタだ……」
「そんな事言ったって仕方ないだろう?あのバカは腐った貴族の手先だ。もう分かってるはずだよ?アンタだって……」
「だが……皇帝陛下がご回復されるまでは致し方あるまい……」
「陛下が回復する前に、街の住民全員が死んじまったら身も蓋もないだろう?この地は街の中にダンジョンがあるんだ。あのバカ共はその脅威を分かってない。コセ家の長男も同じさ!」
そう言ったモルガンはギルドに戻ろうとする……
「どうするんだ?モルガン……このままではお前さんは……」
「出て行けと言われるなら、出て行くまでさ!領主からの不信任決定を待つまでも無い……そもそも私はこの街の生まれの住民じゃ無い……そうだろう?」
僕は『街の住民を守ろうとしてそれはダメなんじゃ無いのか?』と言おうとしたが、びっくりしたことに帰り支度をするモルガンからの念話が届いた。
『アンタは今反対するんじゃ無いよ……私は此処の住民を連れてフレディが居る王国を目指す。残念だが今の帝国は守る価値がない。昔のハイエルフの都市と同じ道を歩んでるからね……』
『な……なら同じ轍は……踏ませるべきではないのでは?』
『そう思いたいけどね……残念ながら助けられる命を助ける事しかあたしゃ出来ないんだ。此処のダンジョンはあと5年も持たない……この距離でスタンピードを起こせば住民は全員ゾンビさ……』
『なら……尚更……』
『私はもう10年も前からそう言って魔物を減らし続けている。だけどね……帝国は重い腰を上げない……スタンピードが起きればサザンクロスもウィンターコスモスもこの土地を見放す……そうなったらもう助けられる命はゼロなんだ』
『今しかないと?………此処から安全に出るには?だったら尚更皆に言うべきでは?』
『言っても信じない奴はいる……事情はテカロンの方が詳しいさ……冒険者ギルドのギルマスだよ?その異常な有様を肌身を通じて感じてるはずさ!』
『ならなんで……テカロンさんは……一緒に街を出ないんですか?』
『出る気でいるさ……皇帝陛下と共にね!!街の他の奴と共に、あの大馬鹿が起きるのを待ってる……それだけさ』
『な!?……じゃあ……この街は………』
『文字通りおしまいさ………アンタにもどうにも出来ない事がある。スタンピードの問題だけじゃ無く貴族の問題の方でね!アイツらはこのダンジョンを踏破しようとはしない。宝の為にね!いいかい馬鹿弟子1号……アンタはディーナを救い、ドドムと一緒に此処から脱出する事を考えな……王国のヒロ男爵様』
『!!』
そう会話すると『プツリ』と念話が途切れる……
どうやら普通の念話ではない様で僕がどう頑張っても念話を送れそうになかった。
考えてみれば当然だ……僕が念話を送れるのはテイム中の魔物か使役中の精霊だ。
モルガンとのラインは僕から繋げる方法など分かるはずもない。
しかしモルガンには僕が帝国の男爵であると言うのはバレていた……
知った上で黙っていてくれたのだ……
諦めの悪い僕は出来る事をやっていこう……とそう考え師匠の言葉を胸にしまった。
◆◇
僕はメルルとディーナを連れて下宿先の家に帰る……
メルルもディーナも疲れ顔だ。
「お母さん……メルル……お眠なの……」
「じゃあ……お兄ちゃんがおぶってあげるよ!おいで?メルルちゃん……」
「お兄ちゃんのお背中……お父さんみたい……」
そう言うとメルルはすぐに眠ってしまう。
相当怖い思いをして消耗したのだろう……
この幼い子のことを考えると、ディーナとメルルだけは何が何でも助けてあげたいと思えてしまう……
僕はモルガンさんに最後のプッシュをしようという気になった……
それは冒険者ギルドのテカロンさんを含めてこの街から脱出する計画を立てるのだ。
しかし一冒険者の僕から言ったところで、テカロンと言う山を動かせる気はしない。
知り合った各ギルドの長から言ってもらう必要がある……
僕は帝都で知り合った彼等も生きていてほしいので、脱出計画をサイキを通じて話してもらうことにする。
その為には皇帝も目覚めて貰わねばならない……
しかし今の皇帝が必要な物は、確か秘薬だった筈だ……その状況を改めて調査する必要がある。
最長5年、その間になんとか計画を立てねば多くの人が死ぬ……
僕はメルルをおぶりながらの帰り道で、同時進行で計画を行い助ける方法を思案した……




