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滅びゆく世界ー巫女姫と魔術師の鎮魂歌ー  作者: 花菱(ハナビシ)
第一章 ~始まりと…~
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聖樹の危機

綾の召喚の裏側ではこんなことになっていました。

 

--時は少し遡り--


綾が巫女として召喚され、巫女姫とまつりあげられていた同時刻、隣国のシェルナではハチの巣を突いたような大騒ぎになっていた。辛うじて緑の葉を芽吹かせていた聖樹が突然枯れだしたのた。

聖樹は魔力が満ちていれば緑の葉を茂らせ花を咲かすと言われる樹だが、年々緑の葉が減ってきいた

今回は違う、魔力が枯渇しかけ葉を散らしている。

 「どうしてこのようなことに!グタグタ言ってられぬか…結界維持部隊を残し、銅・銀・金・白銀(ミスリル)位で高位の者を聖樹の回復に向かわせろ!」

この国の王は右往左往する家臣たちに指示を出すと、自分は結界維持の為に結界の間へ入っていた。

 家臣たちは王命を全うする為動き、銅・銀・金・白銀(ミスリル)の中から魔力の強い者を選び出し、

聖樹の元へ送った。そこでは聖樹神殿の神官、巫女そして…聖樹に参拝しに来ていた教皇が聖樹に祈りを捧げていた。現フィークス神聖国教皇レドリア・マイルティス、若干30歳にて教皇の座を預かる淡い茶色の髪を三つ編みにしたその人は一身に聖句を唱える…それでも葉の枯れは収まらなかった。そして教皇の隣には両耳の後ろにクリーム色から白へと花弁の色が変わる花をつけた深い海の色の長髪の少女が聖樹の前で跪き、幹に手をあて直接聖樹に魔力を送っていた。後から来た者達もその少女に倣って幹に手を当て魔力を流し始めた。

小雨が降りしきる中、聖樹への魔力供給は行われた、途中で倒れた者も少なからず居たが…

それを見た少女は自分の魔力の出力を上げ、聖樹に注いでいく


(フィークス…しっかりして…他の人達も魔力をくれてる…私の魔力も…貴女にあげる…それが全部になっても)


注ぐ魔力を更に高め…聖樹を宥める様に片手で幹を撫でる…

魔力の出力を上げた少女に隣で聖句を唱えていた教皇が少女を止めるが

もう、彼女の耳には教皇の声は聞こえなかった…そして、暫くすると聖樹が枯れるのが収まると同時に

操り人形の糸が切れるようにその場で崩れ落ちた少女を教皇は自分の上着を彼女に着せ掛け、近くにいた

巫女に彼女を預け、自分もギリギリまで聖樹に魔力を供給することで緑の葉も多少戻った。

それを確認すると教皇は聖樹神殿と呼ばれる場所へ赴き、今現在魔力の回復治療を行われている医務室へと向かった。

 医務室に入ると、医務神官や巫女達が頭を垂れる


「今は良い、フォルビア様はご無事か?」


「現在魔薬草などを使った薬湯に浸かり少量ずつ魔力の回復をはかっております」


医官の長である彼について行くと、魔薬草やそれ以外の薬草が浮かんだガラスの筒の中で

少女は眠っていた


「枯渇死寸前まで魔力をお使いだったので助かったのが奇跡です…」


医官は少女が運び込まれた時にあまりの枯渇ぶりに枯渇死を覚悟した

しかし、少女のわずかに残った魔力を信じ、薬湯での緩やかな魔力回復を選んだ

あまり急激に魔力を戻しても拒否反応で魔力が散ってしまう可能性があったからだ

それからは出来る限りのことをして辛うじて少女の一命は取り留めた


「手を尽くしてくれたのだな…この方は失えぬ…魔力が回復されるまで全力を尽くしてくれ」


「御意に、聖女…フォルビア様は世界の宝、医局の総力挙げて当たらせていただきます」


医官の言葉に頷くと、教皇はシェルナ王に報告の為に先触れを出し、王の間を目指すのであった

読んでいただきありがとうございます!

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