最初の一歩(1)
綾はブレません(笑)
食後のお茶を飲んだ後、傍付きの侍女を紹介するとのことでメインルームへ移動した。
部屋の中では4人の17歳~30歳の女性が頭を下げて待っていた。
綾を部屋に連れてきた侍女が彼女達の隣に並ぶと、他の侍女達は頭を上げた
「巫女姫様、昨日は召喚の儀でお疲れだったようなので、これから身の回りの世話をする侍女の紹介が遅くなってしまい申し訳ありません」
その言葉に再び5人は綾に頭を下げた
「昨日はバタバタしてたから仕方ないですよ!それより頭を上げてください!」
いたたまれなくなった綾は慌てて侍女達に頭を上げてもらった
「巫女姫様の寛大なお言葉、感謝いたします…」
頭を上げた侍女達は姿勢を正し、まっすぐ綾を見つめる
そすすると綾を案内してきた侍女が一歩前に出てきた。
「改めて…お初にお目にかかります。巫女姫様のお世話と侍女の統括を任されているクローラと申します」
クローラはその場で綺麗に一礼すると、そのまま他の4人の侍女を紹介する。年齢は侍女頭には若い
40歳だという。その他の侍女は
1人と2人目は綾の身の回りのお世話係のノースとネルケ共に17歳
3人目は衣装・宝飾関係・美容を担当するネーヴェ35歳
4人目は部屋の掃除等を担当するグリシナと名乗った37歳
「えっと、皆さんこれからよろしくお願いします」
軽く頭を下げたら侍女頭のクローラ他4人の侍女達は少し驚いたように見えた
(あれ?私なんか変なことやっちゃったかな?)
内心冷や汗を流す綾だったが、顔を上げた時、侍女達の笑顔がそこにあった
「お心の優しい巫女姫様にお仕ええ出来ることを…フィークス神に感謝しなければ」
そう言うと彼女たちは自分の持ち場へ散っていた。
残されたのはクローラと綾のみ、何をしてよいはわからなかった綾は
クローラに今日は何をすれば良いか尋ねると、この後リーダスが部屋を訪れ
日々の日課などの説明に来るという、その後は綾の今いる宮を含めた奥宮の説明があるとの事だった。
――――
そして、半刻ほど経った時にリーダスが供を連れて白華の宮を訪れた
ノースとネルケが素早くお茶の準備を開始し、綾は応接間でリーダスと向き合ってソファーに座っていた
その斜め後ろにクローラが控えていた。
お茶の準備が整い、綾とリーダスの前に香り高い紅茶が置かれる
それを合図にリーダスから話を切り出した。
「レリア様、昨日のお疲れはとれましたかな?」
耳に心地よい優しい声にドキドキしてしまう綾だったが、お茶を一口飲んで落ち着いた
「皆さんが良くしてくれたので良く休めました」
軽く頭を下げると、リーダスも微笑み「それは良かった」と返してきた
そして綾が完全に落ち着いたことを見計らって目の前の長机に4冊の本を並べて行った
「これは、これからレリア様が学ばれるべきこの国の歴史、地理、他国情勢、礼儀作法の教科書でございます。それ以外に祭事の勉強もございます」
「結構あるんですね…覚えられるかな?」
「少しずつ身に着けていただければ結構ですよ、教師もこちらで手配しておりますゆえ…それよりも朝と夕の祈りの作法は早々に覚えていただきます…作法は巫女長殿がお教えいたしますので」
リーダスは彼の後ろで控えていた女性が一歩前に出でレリアに頭を下げた
「巫女長のイルと申します。早速ですが今から朝と夕の祈りの作法をお教えします」
「えっと…宜しくお願いします。」
立ち上がり、イルと名乗った巫女長について白華の宮の外で待機していた巫女2人、神殿騎士が2人が綾を囲むように付いてきた。内心びくびくしながらイルについていくと、宮からそう遠くない位置にあるドーム型の建物に着いた。
「巫女姫様にはこちらで朝と夕禊をしていただき、正面の扉から正殿に移動し、フィークス神の前で祈りを捧げていただきます」
此方が祈りの聖句だと小さめの本を渡された。慣れるまではこれを見ながらお祈りをするようにとの事だった。
(言語チートが無かったら詰んでたな…)
祈りの本をめくると文字がびっしり書いてあった
これで一から言語を習うとなったら…帰るのが遅くなる…それだけは避けたい
ここには綾の愛読書やアニメ等は一切ない、図書室もあるらしいがそちらはまだ未開拓なので
愛読書になりうる本があるかもしれないが…
家族に心配をかけてしまうのが一番の気がかりだった…早く祈りの作法を身に着け、フィークス神に自世界に戻してもらうんだ!
お読みくださりありがとうございます!