日々精進
右手を捻挫してしまい執筆スピードが何時もより遅くなってしまいました。
皆さんもケガにはご注意ください。
召喚され二か月…リーダスの傀儡になりかけたがなぜかレジストしており、それ利用し傀儡の術に嵌ったフリをし、彼が望む次期教皇という肩書を得た綾は朝の礼拝、朝食、夕方の礼拝、夕食以外(昼食はレドリアと一緒)はレドリアの住まう緋蓮の宮で魔法の制御の訓練に明け暮れていた。礼拝では勝手に魔力が抜けていくので制御にはならないそうなので、他の魔法を扱う為に制御は必須、制御の授業初日にレドリアが『制御ができていない魔法は暴走する』と言われていたので、お墨付きを貰うまでは魔法の勉強は無しだ。
「そうそう、昨日より赤の色が薄くなってきているよ」
レドリアの指導の下、午後の魔法制御訓練をしていた。
「…本当…ですか?」
疲労困憊で息も絶え絶えな綾は目の前の水晶を眺めた、確かに始めた頃より赤い色が薄くなっていた。
嬉しい気持ちとこちらの世界に馴染んでしまっている自分が居る。…自分の世界に帰りたい…その気持ちは変わらない。レドリアも歴代教皇の手記等を調べてくれてはいるが、収穫は今のところない…
もやもやしていると目の前にハーブティーが置かれた、暖かい湯気にのってハーブの匂いが心を落ち着かせてくれる。
「疲れただろう?休憩しよう」
「ありがとうございます…これ、レドリア様がブレンドされたのですか?」
次期教教育の初日に「猊下」といったら「ここでは師と弟子なのだからレドリアで良い」
と言われていたので、この宮に居る時は「レドリア様」と呼んでいた
「ああ、疲労回復、精神の安定の効果がある」
今の自分にピッタリの茶葉を選んでくるあたり、レドリアは出来る男だな…と思いながら
ハーブティーを口にする。
オレンジのような風味の後にミントのような清涼感のあるお茶だった
「…美味しいです」
綾は笑みを浮かべながら手を温める様にカップを持ちゆっくりとお茶を飲んだ
「それは良かった、自分用に作ったんだが他人から美味しいと言ってもらうと嬉しいものだね」
レドリアは笑みを浮かべ、自分のお茶を口にする
(あぁ…っ!レドリア様の笑みがイケメン過ぎるっ)
イケメンの笑みは破壊力が強すぎる!
最近落ち込みがちだった綾のテンションが浮上する
「お茶のおかわりはいるかな?」
「はい、頂きます」
綾がそんなことを思っているとは知らず、お茶のおかわりを勧めるレドリス
彼が手ずから注いだお茶をのおかわりを貰い、飲み終わったら再び魔力制御の訓練にとりかかったのだった。
――――――――
一方、リーダスは綾が順調に次期としての勉学に励んでいると信じている彼は
次の聖樹参詣の際について行く算段を立てていた。聖樹の参詣は教皇が病床にあるか
大怪我をして参詣出来ない時は、枢機卿の誰かが行くことになっていた。特に今回は次期教皇である
綾が居る。ただ一人ではまだ参詣をこなす事は出来ない、補佐が必須になるだろう…そうすれば傀儡の術で自分を指名させればいい、教皇には不自然ではない程度に毒を盛り、病床に就いてもらう…
これも綾に命じて昼食に混ぜさせれば良い、万一毒の件が露見しても綾に全てを擦り付けることが出来る。そうなれば…また夜の庭園へ呼び出さなければ…
リーダスの笑い声が部屋に響いた。
―――――――――
所変わってシェルナ王宮の王の執務室にて…
国王ケイネルはフィークス神聖国の教皇レドリアからの手紙を読んでいた
「まさか、獅子身中の虫か…レドリア殿も苦労される」
若くして教皇になり、フィークス神聖国の為に身を粉にしている教皇に対しあまりの仕打ちだ
手紙には過激派の枢機卿共が勝手に異世界から少女を呼び出し、魔力が白銀位である事が
解ったら傀儡の術(既に術は解けている)を使い、少女を次期教皇にとレドリアに進言した等これまでの事が事細かに書いてあった。ケイネルは椅子に深く座りため息を吐いた
手紙には次回の参詣で何か仕掛けてくる可能性が高いので注意して欲しいとも書かれていた。
「こちらも対策を打たねばならぬか…フォルビア様も今回の魔力供給で枯渇寸前でまだお目覚めになっておらぬからな…」
聖樹神殿の奥、医局の中にある薬湯の満たされたガラスの筒の中で眠る少女を思う…
そして、体を起こし羽ペンを手に取り、インクに浸すとレドリアへの返事をしたためた
――――――――
場所を戻してフィークス神聖国では、休憩を終えて魔力制御の授業を始めた綾
少しずつだがコツをつかんできているが、透明には程遠い、徐々に赤みは薄れている
レドリアは魔力制御を真剣に取り組んでいる綾に申し訳ない気持ちで一杯だった
自分が過激派を抑えることが出来ず、
親元どころか自分の世界からこの世界に呼んで無理やり引き裂いてしまった事を…
それでも彼女はこの世界で生きようと必死になっている。
魔力の制御も帰りたい一心なのは何となく感じる…彼女を無事に彼女の世界へ帰す
そう約束したからにはこちらもそれに応えなければならない。
彼は寝る間も削って図書室で過去にフィークス神が呼んだフォルビア以外の者が
異世界から召喚された者が居ないか調べていたが芳しくない…
だが、諦めるわけではない、誓約書があるからではなく、彼女…綾の為に自分が
そうしたかったからだ…そうして今日も自分の仕事が終わった後に図書室に籠ったのだった。
お読みくださりありがとうございます!
日々精進しているのは綾だけではなかったのです…
約一名方向性が違いましたが…・




