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滅びゆく世界ー巫女姫と魔術師の鎮魂歌ー  作者: 花菱(ハナビシ)
第一章 ~始まりと…~
14/23

今できることを…

 綾は泣きに泣いてそのうちに眠ってしまった。そして朝起きると眠っている間に寝間着に着替えさせて貰っていたようだ。もそもそとベッドから起き上がったところでネルケが起こしに来たが、綾の泣きはらした顔を見て慌てて冷やしたタオルを何枚か作って戻ってきた。そして礼拝ギリギリまで目元を冷やしてくれた。


「ありがとう、ネルケ…もう大丈夫だから」


「はい…ですが少しお化粧でごまかしておきませんと…」


「うわぁ…確かにこれはお化粧でごまかさないとみんなの前に立てないわね…」


ネルケに誘われ、鏡台で自分の顔を見た綾は冷やして多少マシになった顔を見る

それをお化粧で隠し、禊の時濡れた手で顔を触らないようにして法衣を着せてもらう

そして渡り廊下を通り主神殿へ向かった。中に入ると祭壇前に教皇が立っており、一段下がったところに枢機卿や神官と巫女達が並んでいた。


「遅くなってしまい申し訳ありません」


教皇に最高礼を、枢機卿たちにも礼を取って頭を下げる


「まだ礼拝の時間には少しある…レリア殿、こちらに」


レドリアは綾に手を差し伸べ、綾がその手を取ると二人で祭壇前へやってきて枢機卿達の方を向いた、そして…


「今日から彼女…レリア・ミルレスを私の後継者とする!扱いは私と同等のものと心得よ!」


その言葉にそこ場に居た全員が一斉に礼を取る、前にもこんな事があったなぁ…と思いながら

そのまま礼拝の時間となったのでフィークス神に向かって祈りの聖句をとなえて、少しでも魔力が聖樹に届くように願いながらその日の朝の礼拝は終了した。



---------------



 礼拝後、リーダスの執務室にて…


「あの娘は上手く教皇の次期になった…後はあの娘に施した傀儡の術も上手く掛かっている

これで私は次期の後見人になれる…!」

金位で枢機卿止まりの彼にとって、次期教皇を意のままに操り、自分が影の教皇となる…

彼は何年も願っていた、現教皇にも同じことをしようとしたが、それに気づいた前教皇がその術を解いてしまった。その為、今回の事はまさにリーダスが描いた通りのシナリオ通りだった。

それに綾を使って教皇の動向も綾経由で知ることもできる…最高の状態だった。

それこそ綾を召喚した際、自分の派閥にに居た神官の数名が枯渇死していたが

そんなことはリーダスの野望の前では些細なこと…


「これから、私の為に働いてもらうぞ…レリア・ミルレス!」


執務室にはリーダスの笑い声が響いた



―――――――――



 一方レドリアはシェルナ宛に手紙をしたためていた

聖樹の守り手たるフィークス神聖国が聖樹を枯らしかけた原因であった事を

手紙は詳細に書いた、リーダス一派が私利私欲で異世界から少女を召喚したこと、その少女を傀儡としようとしたことなどを書いて、リーダスについては次の巡礼の時に決めたいと書き記し

封筒に入れて蝋印を施し、従僕に預け速達で届けるように伝えた。


「レリア殿…すまない…」


朝の礼拝の際泣きはらしたのか目の周りお化粧を施していた

帰れないという現実に泣くなと言う方が無理である

自分も同じ国に居ながら10歳から40歳になった今でも家族に会えない…

近くて会えないのは辛いが、手紙で元気かどうかはわかる…

しかし、彼女は手紙も届かぬ異界の地、親兄妹がどうしているかも知るすべがない

此方に友人がいるわけでもなく、周りは敵か味方もわからない…よすがになるものがないのだ

だったらせめて…



―――――――――



朝の礼拝を終えて、日常着に着替えさせてもらい朝食の準備が整っているダイニングへと向かった…何時もなら美味しそうな朝食も、今日は全くおなかが減らない、野菜の煮込まれたスープのみ完食し、他の料理には手を付けなかった。クローラ女史が食べれそうにないからと断りを入れ、夕刻の礼拝まで寝室で休みたいので人払いをして欲しいと頼み、寝室へと入っていった。

寝室のベッドに倒れこみ、今までの事を考える…自分の世界に帰りたい…

その一心で巫女姫としての役割をこなしてきた…だがそれも嘘だった。

リーダスも綾を傀儡にする為に呪いをかけてこようとした…

本当にあの時本名を名乗っていたら完全に傀儡になっていたと思うとぞっとする

数多の愛読書(バイブル)に感謝である。

取り合えず今は大人しく言うことを聞いていれば問題はないだろう…


「あれ…これって二重スパイ…?」


そんなことを考えていると、クローラ女史から夕方の礼拝の時間であることをつげに来た

綾はもうそんな時間かと寝室をでて禊着に着替え、朝同様目元にお化粧を施してもらい

禊場へと向かうのだった

お読みくださりありがとうございます!

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